教室対局&指導碁一場面~軽コメント

野村六段vs森永三段(四子)序盤

      本局は四子で開始。流石に序盤は黒良し。左上白二子動かず左下黒へ

      圧力かけるのが野村さんのうまさ。白三々黒オサエ白ハネまで

      進みここで黒が隅からハネ対応。白は隅を打つと部分的に得ですが

      黒は外に進出することが出来る。今のところ黒順調。

古川五段三子(コミ15目)

    坂爪五段、下川五段と試みている三子コミ指導碁を古川さんにも行いました。

    一面なのでコミは15目。白が右上一間トビした場面ですがその前の中央への

    黒大ゲイマに注目。一間より働きと躍動を感じました。

野波三段・小林三段ペア六子局

   上手との対局で頑張った後のペア六子指導碁。序盤の作戦はアドバイスしたが

   相当苦しくなるとお二人最強の攻めされ驚き。今、黒が一線にオイた場面。

   この石を取ると死んでしまう。白は隅を打ちコウになりました。

打ち込んだら道草せず遁走作戦

          野波さんの安定感ある受けと小林さんの強気が

          絶妙にチャンプルーして息が合っていました。

     阿部五段・古川五段・森永三段トリプル指導碁

         後半三人での三子指導碁を試みました。一応コミあり。

         終了時間5分となりこの場面。ここで黒A~Dのうち

         どれが最適か。私は黒Aで困るなと思っていたが・・・

阿部五段黒1~7まで担当

          阿部五段が黒1を。受けに数手担当促し

          黒3、5分断。黒7に手が戻ります。白8

          オサエたい。次に黒9ならば白10受けが良く

          攻め合い白勝ち。▲一団は生きるけど。正しくは

急所オキが最善

          黒1が最善でした。これは急所の位置。対し白は・・・       

二子取って満足なシノギ

          対応は白2となる。黒3切りで二子取って満足。

無理

          白2とツケたくなるが黒3が用意手。以下ギャフン。

横山五段指導碁・序盤

野村六段指導碁・序盤

        お二人とも出だしに少し失点されたので基本定石を伝えます。

  ブツカリ良し治まり目指すなら

          横山さん希望の変則四子。中国流の勉強にもなる。

          左上白5は平成から令和の定石。黒6良し。白7に・・・

  コスミツケ利かし隅オサエが最適

          先手黒1コスミツケが簡明です。白2立ちに

          黒3でコミ分ある生き。白4なら黒5ハサミ打ち

          あっさり黒7と構えて十分。黒5でも良さそう。

          早治まりは賢者。中国流方面で戦うのが上策です。

野村六段立ち上がり

           左辺打ち込みからの戦いは少し白が圧しています。

           左上黒が安定していないのが懸念材料。黒10では

   打ち込みよりハサミが主導権的に

           相手せず放置している白一子ハサム方が

           作戦として良。白2と逃げれば黒3と攻めつつ

           左上黒を強化する。左辺は白地にされても平面。        

基本定石part2

          白スベリ封じる黒1も治まり目指す手法。

          白2と打つが相手せず黒3ハサミ。白一子を

          一間トビするなら戦うも良し、二線連絡も可。

          私は横山さんに伝えたコスミツケ治まりが一推し

          ◎以上教室での対局・指導碁の軽め解説でした。



 



 

    佐々木七段三子局~コウ勝負の行方

いつもよりの立ち上がり

           研究会指導碁ラストは佐々木七段。不思議な

           調和&バランス感覚が持ち味。私の注文した

           展開にはなかなかなりません。本局は後半の

           大きなコウ勝負がポイントでした。

           左上黒6サガリ一番良き対応AI。

           黒8豪の態度。いつもは柔の黒aが多い。

           黒14ボウシ賛成。地を与えた代償です。

戦意かわし戦闘回避

           野球だと「かわしのピッチング」卓球だと

           『カットマン』のような黒の対応。白21まで

           ポイントは白が得ているが黒24も立派。

           私の希望に乗らず 【戦わず勝つ】の方針。

           白25カカリに対し下地案AI案を。

厚く包むが下地案

           黒1が良いと感じました。黒▲連結し強くして

           上の白一団を弱くする意図。白2、4と治まるが

           じっと黒5と受けて「これで大丈夫?」と伺う。

           中の×断点も心配してもらえそう。AIは・・・

  ノゾキ一本でハサミAI案

           黒1ノゾキでした。白2ツギに中を切り上げて

           黒3ハサミ。なるほど白は三々ぐらいなので

           黒良しですね。ただ正直に白2とツグのか。

           私だと白2で白イ黒ロ白ハ黒二と誤魔化し

           白3ヒラキ企む。でも上の白へ黒a白b黒c

           生じるので黒やれるとAIは判断しています。

           ◆ちなみに下地案は2ポイント減と。そうかな~

     双方治まりから~突如振り変わり

           実戦は黒1、3。と割り楽しみ得たが黒7と

           「別に。」の態度。強引白8分断にも怒り見せず

           衝突しない。以下黒23まで戦いにならず平和的

           進行。この折衝が佐々木七段の強さで持ち味です。

           ところが突如左上で振り変わりに。中の黒七子

           獲得し白地約40目の利益。左辺黒地増えたけど

           25目程度。白が明らかに得。ただし右辺黒地へ

           白から手が付けにくくなる意味ある。続いて・・・

右辺で勝負コウ勃発

           それでも手段駆使し黒4までコウになりました。

           白負けると右辺黒地デカくなる白が勝つと中の

           黒一団に危険が生じます。白5コウ立ては利く。

コウ立ての応酬

            コウ立ての応酬開始。左下白コウ立ては

            持ち込みになる可能性あり。左上の黒9は

            黒10だともう一コウ増えました(ただし損)

            白14コウ取りに・・・

  二子取りのコウ立ては利かない

           中の黒1コウ立ては利きません。白2と切る。

           ▲一団復活だが白4連打。黒×一団は天国に

           右上黒地にするが左下は只では済まない。

           ここが手になれば黒勝てないと思います。

  譲歩で決着~右上三々に・・・

           コウ立て無しと見て下辺黒1。白2で右辺コウは

           白が勝ったが黒3連打。左白が薄くなったので

           黒にも利益あるけど右上白6で形勢急接近。

           この三々は捕獲難。最善対応を伝えます。

   先手取り左下制しヨセ勝負でした

           頑張りコウになると右上黒一団の死活に影響する。

           なので黒1と固めの対応したい白2~6まで

           生き。でも左下黒7に回れます。この利益は

           白イ~ハ全て持ち込みにし25目以上ある。

           ◆ヨセ勝負だったと思います。

           ◎お疲れ様でした。16日の大会頑張って下さい

          

   佐々木六段持碁局~二線カドお見事

74目74目 持碁

   イメージとしては白が5~10目残るだろうとヨセ半ばのときビシッと二線カド。

   白地8目ほどあると思ったが3目に。黒地は5目強増大。検証開始。

平明の立ち上がり

           双方力みない感じの立ち上がり。右下ツケノビ

           最適に思えました。右辺白33打ち込みにも・・・

手厚さ辛さ

           右辺スベリ与えるのはあまく見えました。理由は

           上辺に黒模様期待出来ないから。ただ白10に対し

           黒11は機敏で辛い。星まで開いても良かったが。

           白12は威圧的意味もある。白模様大きく見せて

           黒の削減手を待つ。相手の考えを分析するのが

           佐々木さんは卓越。先ず下辺白ヒラキにキカシ手。

非常識だが面白い

           AI登場でそれまでの概念は覆されました。

           石の流れ顔を立てる気合重視など固執

           拘り過ぎは狭き了見と。白1、3普通対応

           黒aと止めるのが常識です。しかし先手は白へ

           さらり黒4落下傘。発想柔。素晴らしい。

  蓋は立派。ただし中央は先着

           黒1と蓋をする。右下黒丈夫で中も厚い。下辺白へ

           寄り付きも楽しみ。ただし白2天空打たれます。

           後から中に打って互角に戦える方は選んで下さい。

           逆に急に打つ手が見えなくなった方は実戦のように

           早めの中央先着が賢明だと思います。

二線カド!

           白1から揺さぶり白5ピッタリ囲い。少し白が

           残ると見ていました。すると右辺へ黒6カド!

           一瞬両方の白×受けは危険と判断。検証します。

上オサエは二眼無し

                                       白1上オサエで懐広げるのは黒2、4と

             狭められスペース足りません。

眼生き譲歩の実戦   

           白1とオシ白3が実戦。後に黒4白7まで

           黒の権利ヨセとなります。眼生き辛かった。

          今頃気づく。実は下オサエで大丈夫と判明。

  下オサエが最善役立ち生き

            白1黒2スベリで死にと即断していましたが

            白3、5と打ち・・・以下図のみの進行で理解を。

   四子アタリ捨てる死活筋は・・・

      抜き跡へ眼取りワリコミシノギ筋で

シノギでした

          ◎私がミスしたのは確かだがその後の白追い上げに

          黒が頑張ってヨセた結果がジゴ。惜しかったです。

          大会は午後からの参加とのこと。お待ちしています。

 

 

加藤六段三子局~シチョウアタリのタイミング

立ち上がり

           左上隅白11(a)ハネに黒12は悪くないが

           黒14は失着白15切りに黒16仕方なく白17

           シチョウまで白のポイント。以下白31まで

           強さを利用し黒を攻めたてる進行です。

           黒38手目どう打つのが良いか。その前に・・・

アテた場合はカケツギが良い

            黒1アテは辺を主張。黒3カケツギが正しい。

            白4、6のキカシが癪ですが黒7まで受けて

            出方待つ。白8ツギなら黒9二間が絶好点。

            辺の黒は黒aと黒b二点あり弱くないです。

巧みなサバキ

           黒3ブツカリは形。白4一歩後退黒5で整う。 

           白6は地が損だが白8攻めへの投資。続いて黒9、

           白10に黒aノビなら穏やかだが黒11切り違い

           中央での決行です。続いてAI白aアテ示すが

           私は黒bとアテ返しされるのが嫌でした。左辺

           シチョウアタリ具合気になっていたのです。

           ◆なお上の黒イは早く打つべき。どちらの白ロ

           選ぶか伺っておく。後だと利かない可能性あり。

   切り違いの後は・・・ 黒番

            白1受け、黒2白3まで実戦。ここで黒は

            どう打つのが良いでしょう。黒イ、白ロ

            決めてその後をどう打つか考えて下さい。

   シチョウアタリも兼ねたカドが最適

           カドというかトビというのか。シチョウアタリ

           命名するのが本当かもしれない。     

           黒3です。下地案とAI第一候補一致。

  中一子軽い。逃げ出し

           白1アテなら黒イ逃げ出しも白ロ、黒ハ進行で

           白×弱くなり打てますが黒2逃げ出しが魅力。

           中の黒一子取るのは左辺黒に連打され痛い。

           ▲打たれたら長考していたと思います。

AI示した白の対応

            AI白1。シチョウ逃げ出し防止と中央

            白への応援。良き辛抱で私にはとても打てない。

            続いての想定示します。互角かもしれないが

            黒が勝ちそうな感じ。私は白13で切るかな

     白8まで実戦・黒9~黒15模範図

            黒1オシは有難かった。白2ノビとなり強くして

            もらったから。次の黒3は今も形ですが白4と出る。

            ここで左辺シチョウの逃げ出し打てるけど中央が

            前図と比べかなり損。白8まで白にポイントです。

            次に実戦は黒aだが白ハネ喰って損されました。

            黒9以下はAI示した図。最終手黒15は凄い手。

            白×切りは中の白▲に響き黒A生じ無理との判断。

シチョウアタリ含む

           最後に感心した一手お見せしたい。黒1です。

           白勢力圏へ進み過ぎと感じ実戦は反撃したが

           黒イ心配でした。白ロと助けると黒ハ、白二、

           黒ホが好手。白へと取ると黒トがシチョウアタリ。

           黒a逃げ出し黒b助け見合いにしています。

           ◎シチョウアタリはタイミングが本当に難しい。

           大会では全て出し切り上手を破ると期待しています。

           
     

 

  速報!奥会長vsMプロとの二子局一場面

  研究会指導碁は次に加藤六段→佐々木六段→佐々木七段予定していますが先に

  奥会長とMプロとの二子局一場面を問題としてお見せします。

右上隅に注目

 

          盤見えない部分もありますが黒が圧倒しています。

          右上が気になった方は嗅覚鋭い。白番でどうなるか。

白先結果如何

           部分図にしました。隅の黒はどうなりますか。

至る手順

           白1と攻められ黒2~黒12までが実戦手順。

           黒2で別法や黒4で黒5、黒8、10を

           決めずがなど。ヨミと判断が難しい。

           その詳細は省き実戦図からを考えて下さい。

    白は二子取る。黒4まで進み・・・

           白1、3と取るよりない。黒4は絶対。

           なお黒2一線アテも可。同じです。

さてこれは?

           白1抜き、黒2アテとなる。さてどうするのか。

           イ・ロ・ハの駄目が開いているのが黒の好条件

結論:三手ヨセコウ

           白1駄目詰める。黒2と外を打つと白3

           さらにダメ詰め。黒4と外打てば白5とアテて

           本コウ。『白の三手ヨセコウ』が結論です。

           実戦だと黒2や4で黒aと取り合えずコウを抜く

           のが安全ですね。

   コウ抜き手抜きなら黒地になる

           白1黒2アテのとき白3と他に打てば黒4と

           コウを抜く。白5と外打てば黒6アテが良い手。

           白aなら黒bまで。×二つ空いているので黒地。

           外の白一団は安泰となる。白も文句ないはず。

    黒抜いてコウツギだと隅はセキ

           白3と詰めて黒4抜き白5駄目詰め黒6まで

           これは中手の形でなくセキ。黒大満足です。

                                        ◎奥会長、面白題材の提供有難うございました。

    下川五段三子局~天元活用法

天元から首尾一貫

           下川さん指導碁で天元は初。挑戦と冒険心。

           中を大事にと左辺を白へ与え過ぎて地はあまい

           けどコミ10目もらい貯金もあり大胆。

           黒8で黒6を活かす厳しい手あり。左辺です。

  迫り最強・攻めで天元を活用

           検討で黒1は第二希望。黒aが良いと。AI

           互先手黒1を提示。両方とも良い手で白は外へ

           出ると根拠薄くなります。しかし治まるのも辛い。

           白×を攻めることで■を活かす。最適・最強でした。

才あるカタ!

         黒1カタ!瞬間良い手だなと感じました。

           凡人なら隅受けで悪くない。でもこの手は天元

           活用が目的。次の黒3ノビが勝ったがトビも

           感じ出ています。絵を描こうとの想いですね。

実戦進行

           石が競り合ったらもろい印象あったがこの進行は

           しっかり戦って強くなったと嬉しく感じました。

           なお黒9オサエでは黒10ツギが厚かったです。

           黒17は形。黒19も大事な根拠手。黒21から25と

           形も整えています。右の白三子を標的にしたい。

白aに対し次の一手は?

            白aに実戦は黒b受け。ちとぬるかった。

            天元を攻めで活かす作戦を取りたい。▲へ

            迫りたいが三線と四線どちらでしょう。

攻め天元活用が上策

           私は四線が第一感だがAI三線の黒1迫り。

           より根拠与えずとの気持ち。白2急所黒3と

           対応します。白×不発後続手段無いですね。

           白4ボウシなら黒5ケイマ。右上に佳き黒地が

           期待出来ます。白を中へ進出させることで■を

           働かせる。攻めで天元活かすは一番の上策。

  勝負挑むならここです【黒番

           天元配置無ければ黒1受け褒めますが弱くない

           黒一団なのでぬるい。白2は一路控えが本手。

           攻める気ないと見ては調子に乗っています。

           次に実戦は黒aハサミでしたが右辺がポイント。

           ◆AI示した最強図を紹介します。        

   打ち込みがこの一手 隅は・・・

           検討で伝えた黒1打ち込みが正解。厳しい。

           白2と遮断したら黒3と同じく分断。白4と

           隅を脅かします。対し黒6守りもあるけども

           流れは黒5攻め。(勇気要る白6でピンチ・・・           

振り変わりで圧倒

           注目。隅を捨てる黒1AIは示しました。

           白2、4と対応され黒×は取られてしまったが

           黒5と錠し白×を完全に捕獲します。黒7まで。

           振り変わりですが中央の肉付き黒地は豊潤。

           ■天元を振り変わりで最高に活用した絶品図。

           ◎中央へ配置した石の活用はお手本が少ないので

           楽でないが必ず上達に役立ちます。

           大会でも伸び伸び自分らしい碁を打たれて下さい。