加藤六段は剛腕派だが最近は地合いも友達になり柔軟さがついています。
対し島さんは石を取って勝たないと碁を打った気がしないという生粋の
武闘派。画像場面からここまでの経緯を推理しこれからの双方の打ち方を
検証したいと思います。
さて盤面判断。先ず白×を黒が捕獲しているのが眼につきます。右の
ハネ出し味あるけど黒地27目はみたい。他に黒の確定地はないが右上
黒ケイマは5目、右下隅仮に5目として合計約37目。
白地ですが左下隅~左辺は25目、左上隅10目、合計約35目
地合いは拮抗。現在黒番なので島さん少しリード、と言いたいが
現実はそうではない。下辺▲弱石と右下隅▲かなり危ない状態です。
ただし下辺白や右下白も黒よりは強いけどまだ安定してはいません。
◆先ず観戦したときの私の第一感の図からお見せします。
携帯で写真撮りながら隅を守るなら黒1ケイマかなと。しかし
白2ツケ!この手を喰らうと外へ出られません。懸命に打てば
生きはありそうですが・・・ヨンでみます。
シノギは黒3、5が利けば中に一眼出来たので黒7まであります。
しかし戦いの碁では何手もかけて生きるようだと敗勢になること多い。
死んでいた白数子ですが白8とハネ出す手段が生じます。黒9切りに
白10で困る。白はこの手打たず右下白イ、黒ロ、白ハと止めて×に地を
得ても優勢。※『下辺の黒が封鎖されたら負け』と判断し次の一手は
黒1進出を優先するよりない。しかし白2が厳しい。黒3ハネ出しには
白4、6が的確でイとロが見合いで参ります。
◆発想を切り替えるしかない。黒×を捨てる作戦へ向かうのです。
白2には隅諦め黒3と打つ。白4で黒×取られたが攻め取り味は残る。
気持ち切り替え黒5とさらに進出しましょう。白6なら黒7と取り切り
白△の動向を伺います。この後どうなるかは難しいけど白Aや右上白Bを
の捕獲することが出来れば黒に勝機十分あるでしょう。
黒1進出に白2を急ぐかも。そのとき気合は黒3オシです。しかし
白4、6が成立。白8まで中の白数子復活されてしまう。
ただ右下黒9で白×は取れたと信じましょう。問題は左側の黒大石。
白10で眼を奪われますが黒15まで対応し白a抜きに黒bで大丈夫。
絶対の黒1進出に白の立場になり考えると白2を急ぐか黒3手入れなら
白4と封鎖気味に打つ。黒5トビに白6、8で隅の眼を奪うのです。
黒9に白10、12で攻め合いは白有利だが攻め取りになり外の黒の心配は
無くなります。一応私は白持ちだが外の白は治まっていないし右上が
果たしてどうなるのか。これは打って見ないとわかりませんね。
◎加藤幹事には大会ではお世話になり有難うございました。今大会上手を
破れなかったのは悔しいと察しますがこの経験を糧に頑張って下さい。
島五段は腕力を認められAクラス出場。結果より自分の碁を貫いていた
ことを評価します。二人ともお疲れ様でした。師走の浦安碁会と研究会を
よろしくお願いします。