Y氏定先局・熱闘打掛け

  指導碁常連のY氏定先局。幽玄の間で今まで受けた方で三本の指に入る強豪。

  本局解説の前に私のパソコン立ち上げ画面に映る画像ありと伝えたので先に。 

前のY氏完勝局・白投了場面

    何も設定した記憶ないのですがパソコン電源を入れるとこの画面が出て

    パスワードを入力して通常のデスクトップ画面となるのです。ただ今回

    作業中にトラブルあって強制電源切って再起動すると消えたのでご安心

    下さい。本当にヨミの深さ・正確さを体感した一局。当分忘れません。

立ち上がり・黒の分岐点

この定石は黒の方向悪し

    黒1~9の定石は普通に白10、12の予定でした。この定石選択だと

    左上白△が黒の発展先を阻害。裾空きの所に黒が向かって悪そう。

黒1、3まで実戦・意図は捨て石希望

     Y氏の選択黒1、3は白4~8で取られるけど黒9、11とキカシ

     治まって悪くないとの意図。確かに黒×が残るので黒13ヒラキまで

     黒A・Bを見合いに黒打ちやすそう。白4で別案を選びました。

黒両方頑張って忙しい戦いへ

    白1、3を選択。捨てさせないとの意図です。実戦は一応白の描いた

    構想どおりの進行。黒は両方頑張っているので白が多少圧しているが

    左辺にいざとなれば黒二線連絡保険がある。なので戦える意味あり。

簡明捨て石サバキ策 

    前図黒8で振り変わる発想ありました。黒1ツケです。対応不可で

    白2タケフが必然。そこで黒3連打。白4で左辺は取られるが黒5と

    再連打。仮に白6で裾空き止めたら黒7カカリへ。五分に見えます。

実戦・ここで黒ブツカリか、早治まりを予想

     数手進み白△と打ったところ。私の予想は黒イでした。その場合

     白ロ、黒ハか。続いてゆっくりか過激に進めるか悩みそうです。

大長考場面(5分以上)

    実戦黒12オシは見た目、白13がきつく映る。ここで大長考です。

    次に黒イか黒ロか。重苦しい姿になればと期待していたが・・・

ハネ出しは白良し

    予想の黒1ハネ出しは白2キリ。黒3~白6のときに黒7~11は仕方

    なく白12に回り白満足ですね。黒1で黒5も白1で黒不満。

露骨分断だが恐ろしいヨミの裏付けあり

    実戦は黒1~7まで分断。白は全て必然なので黒が良いはずないと

    思ったけどヨンで見ると相当難しい。続いて穏やかな対応もあったが

白最強選択・気づかなかった黒の手戻り

    白1~5が成立するか私も5分近く長考。いけると踏んで決行したら

    黒8???黒×切り変化を懸命にヨンでいたので「あれっ。」です。

    でも黒8は当然でした。もし中を切ったならば・・・

ツケで即アウト

     黒1切りは白2で少なくとも▲三子か黒六子取られます。もう黒イは

     白ロと受けず間に合いません。もし黒イ、白ロが事前にあったなら

ヨンだ図 白良しと見たが難解

    白22まで(黒3はイ)ヨンだ図。必然ではないのでこうなるかは不明。

    攻め合いは白×の四手、黒×は三手で白の一手勝ち。なお黒イ抜きは

    白ロ手筋があって無効となります。黒1キリは正直怖かった。

振り変わり・AI評価は白4でAならば白良し

    黒1~白4まで実戦。振り変わりになりました。ここで白Aが第一感

    だったが頑張れと白4。AIは白Aを示し白良しだったそうです。

終了図:AI評価は少し白良し・難しい形勢

     白△で黒の持ち時間が切れました。私も同じ50分条件だったら針に

     かかっていたはず。それくらいこの碁は考える場面あり過ぎました。

     ◎お疲れ様でした。Yさんは堂々と自分の碁を打たれて立派だったと

     思います。私も自分の手にあまり悔い無き内容で満足しています。

     来年も燃える熱闘局打ちましょう。良いお年をお迎え下さい。