高橋六段三子局序盤

     残念ながら今期で池袋教室を卒業される高橋さん。最後の指導碁は

     自分の棋風を貫く洗練された序盤を魅せてくれました。

一子捨てて主導権握る作戦

     私の打ちやすさの為に三子置き石を右下へ配置して頂きました。

     本局白コミ出し設定でしたが必要なかった。それほど良き内容。

     左下両ガカリ定石の後、黒4を頑張ると互先的ですがあっさり

     黒14、白15を決め黒16二間は白3を攻めて主導権握る作戦。

形決めない案(参考に)

     一子捨てた後の別案を伝えましょう。単に黒1ケイマから黒3です。

    黒イ、黒ロを見合いにした構想。ただ何となくはっきりしないかな。

なかなかの根拠重視策

    黒1、3は白を強くし重く見える。ただ黒7、9は賛成。早治まり

    したことで『白棒石ですよ。』との主張。白4、黒5はキカシと

    見たが打たずが良かった。右下白10カカリに黒11一杯ツメは好感覚。

    左の黒が完璧生きなので強気姿勢は当然。隅の白二段バネに対し・・・

適切なあっさり平明流

    黒1ツギで手を打ち、黒3スベリは適切でした。白×が浮いています。

    次に左下黒Aが強烈な狙い。白Aは本手だが▲一団治まっているので

    何も響かない。力まないで白×をいなし流石だと思いました。

    ◆右上白4~黒11までも平明流で局面を簡明化し良き流れで左辺白石が

    気になってきました。次に黒のお勧め手法を伝えます。

ツケノビで棒石へ圧力

    黒1、3のツケノビがお勧め。白2~8となるでしょう。そこで黒9。

    △完全に根拠無しになったので白12逃げくらい。そこでいったん黒13の

    安定に回ります。ツケノビ効果は左上白と中の白が連絡しにくいこと。

実戦:右上黒Aに回れば順風

    黒1サガリも良い手。白2補強に黒3、白4と進んだとき黒5ボウシ!

    平明流から気迫を出されました。以下白がいったん連絡形になったけど

    まだ黒5は役立つでしょう。黒は早く右上黒Aに回りたいところです。

    

    ◎大国柱矢島さん亡き後、教室の塾頭格として優しさと強さで皆さんを

    鍛えてくれた大きな存在でした。痛く寂しい。ただ研究会や棋院イベント

    などお会いする機会あると信じています。その時は三子で好勝負を楽しみに

    しています。良いお年をお迎え下さい。