島五段迫力ある序盤

     春大会で優勝され昇段した島さんですがやはり一味違う。

     その内容ですが迫力あるのです。善悪損得よりも自分の打ちたい手や

     気持ちを重んじて指導碁でも中押し勝ちを最上との考え敬服しています。

     先ず右下に注目。指導碁歴で三回目ほどの経験手が出ました。

白上ツケに対し実戦は豪手段

    右下白13ツケは右辺少し地を損しても右下黒を攻めることで主導権を

    握りたいとの目的。先ず局後示したお勧め案から。

推奨した手段

    黒1とハネます。白ヒキなら普通だがお勧めは黒3と白の足元を掬う

    手段。意図は隅を強くしつつ白切りの価値を低くすること

    白4切りなら急所の黒11ハイが打てるのが嬉しい。黒13は下辺白への

    配慮。隅の黒地厚い方が安心。なお右辺黒aは密かな楽しみ程度に。

白ツケノビには黒堅ツギがお勧め

     もし白2ノビなら黒3堅ツギがベスト。白を攻める気持ちでなく

     厚く打つとの想いが大事。白4、黒5と進むが打ちやすいでしょう。

実戦はブツカリ切り!

    島さんが打たれたのは 黒1ブツカリです。白2オサエにまさか・・・

    黒3ぶった切りでした。かつて下町の碁会所で米蔵風の方に打たれた

    記憶あります。これ以上の野性手無いでしょう。

    隅を取られる可能性高く普通は損です。ただわかりやすくなる意味で

    置き碁での有力策の一つとも言えそう。

白1が豪分断への対策手

     白1サガリが対策手。打つ手に黒困っています。イとロが見合い。

下辺ヒラキに感激無し

    黒2と二子捨てて黒4で少し厚くし下辺黒6ヒラキは白7で冴えない。

    もちろん豪の島五段がこの図選ぶわはずもなく実戦は・・・

実戦進行 黒分岐点

                白1~4のとき黒5は気持ちの揺れ。正しくは黒6ノビです。白5で

    隅は取られますが厚みで勝負。その図だと方針一貫していました。

シチョウで取りたい。隅は軽めにカタで消す

    黒1とシチョウにカカエて隅を捨てたい。白2に黒×は取られても

    黒3カタが明るく兄弟喧嘩の白地なので大きくない。

左辺少しあまいが・・・次の手が嬉しい

     本来左辺白16スベリを許す⁷ような島さんではない。右下のワカレを

     引きずっていたと察します。ただ白が上辺割ったときに・・・

気合迸る二手

    黒1打ち込み。らしさが出ました。白2は受けさせサバキを求めたもの。

    対し無視し黒3トビ!白の策に乗らない強さ感じ嬉しくなりました。

終盤画像

   いろいろありましたが石が張っているので気が抜けません。本局は残念でしたが 

  来年迫力の一局を期待しています。一年有難うございました。