一週間前にも受けて頂いた強豪N氏。前回も白模様へ妥協せずの姿勢。
本局は取る物取ってのシノギ勝負を貫かれました。伺うと動画で見た
小林流を意識されたとのこと。頷ける打ち方が右辺で出現。では開始。
黒は堅実を旨に形決まる定石で手厚く模様を形成していますね。
白はAI手法を意識。左上白10や右下白18、右辺白34がそうです。
立ち上がり黒11から13ツメがなかなかの打ち方で「むむむ」です。
白14は白16が先だったかもしれない。その理由は黒15で・・・
上オサエは素直でしたが黒1オキが有力手に見え緊張しました。
直ぐ白aと打つと戦いになるが黒打てそう。そこで考えたのが・・・
黒1に対し俗な白2と打つか悩んでいました。黒3ツギなら
白4と出てやれそうに見えたけど黒5~黒11明るい手法。
大胆な捨て石策ですが石が張って相当有力に見えます。
なので黒1オキを防ぐために・・・
白1戻りが本手か。でも黒2ケイマと柔で封鎖します。同じく
白3補強ならば黒4構えを打つでしょう。黒イ・ロと手をかけた
実戦重厚と比べると厚さでは劣るけど足早です。
N氏に伺うと去年プロに3勝されたそう。ラッキーだったと謙遜され
ていたが実力ある証拠。緩まない棋風なので定先手合い油断出来ません。
右辺白aカタで第一感は白1でしたが黒2のような手が気になりました。
後から白aカタだと黒の対応が違ってくる可能性あります。白×の
活力を完全に無くしてしまったので今ならば・・・
中央を白1辺り占めて黒の出方伺う方選ぶ。もし黒2と囲ってきたら
白3と広げます。白模様は入れる場所多いけど黒模様の白△にもまだ
白イ、白ロなど策動の余地があり完璧黒地ではない。これが本道。
実戦。黒1、3と美味しく実利を取得した後に黒5~9は相当強気。
それは白10と囲った後から削減可能と見ているから。黒11ドカン!
白12と受けた時は右の黒イを予想。白ロ、黒ハで部分的に黒打てます。
ただし左一帯は全部白地なる。その進行なら打てるとみていたら・・・
黒13と第二弾。これは殴り込みですが黒11よりやっかいです。それは
左右の白へツケサバキや外進出などシノギ筋含んでいるのから。白は
あまい対応すると右辺から中の黒確定地が重くのしかかってきます。
●白14は腹を決めました。気持ちは『全部召し取る』が目的です。
実戦は堂々と黒3でシノギに向かったが先に黒1ツケが良かったでしょう。
白2受けならキカシになり黒3で大分違う。なお白2で白イのハネは黒ロ、
白aは黒bでサバキの調子がつきます。ただし実戦堂々も悪くなく・・・
数手進んだ場面です。実戦は黒×でしたが敗因になりました。黒1
白2を交換し黒3ツケだとシノギ容易。左辺は黒イやロが含みで
後手一眼は確実にある。シノギ派の私は黒1を取りに行く自信ない。
◎最後は私の蛮勇力に屈した形になりましたがぎりぎりの勝負でした。
この姿勢なら負けること多くても必ず勝利局生まれます。
今年もよろしくお願いします。