池本六段三子局・模様一場面&考え方

        六段の中で一番力まない序盤を打たれる印象が池本さん。

        合宿に向かう車内でも棋書を離さない姿を覚えています。

        本局は白の消しを迎え  どう打つかがポイント。では開始。

自然模様形成

       黒2、4は令和的構え。白5に黒6ハサミ以下黒20まで

       一気に進みました。黒16受け令和流も好ましく模様形成。

       白21は模様接点。次に大ゲイマへツケを見ています。

       受けるか受けないか。受けは二通りあり。検証します。

ナラビ受けなら普通

       黒1ナラビは素直な受け。白2と進出され悔しい感じだが

       黒3ツメに向かう。白4トビは頭ツケ防ぎだが黒5と左に

       転身して良い。白6とさらに削減しますがここが肝心。

       黒7、白8交換し右辺は確定地と判断し黒9と上辺止める。

       白は右側減らす作業だけで地が増えていない。気がつけば

       上側一帯が黑の良き模様ですね。    

コスミツケ相当有力

        黒1は白2と進ませ気が差す感じだが有力でした。黒3と

        オス感触が良いのです。白4、6ならグングン明日まで

        押し切る。囲い合いは黒有利です。

二段バネなら薄み追及

        私だと黒ハネに白1と二段バネするでしょう。その時は

        黒2と切ってから4とハネるのが良き反撃。白困ります。

        白イとオサエるしかないが黒ロで二子取られ以下ホまで進む。

        この実利はお腹一杯。次に黒Aカタ、黒B囲いで黒十分。

白の中央消しにどう打つか

        進行し白△と中を消した場面。漠然とした手に考慮されて

        黒aボウシでしたが白bカドが打てては何となく白ペース。

        ◆黒の立場で私ならどう打つか考えてみました。

フクラミで白の出方伺いたい

         下辺は黒カタからトビに白手抜きしているが良いのか。

         先ず黒1とフクラミたい。これは好形。白2、4と連絡

         するならば△直接黒5ボウシ攻めも良さそう。白6トビ

         なら黒7と重くし黒9とガンガン行きます。左辺への

         黒イ、白ロ、黒ハ、白二、黒ホ攻めも楽しみです。

左辺ツケでモタレ攻めも有力

        黒5とこちらにモタレて間接的に攻めもある。白6ハネ

        なら黒7ハネの調子。どう変化しても黒良さそうです。

オサエ込み打てれば代償十分

       黒1フクラミに白2と遁走を選んだら黒3とオサエ込み。

       白4には黒5と喰いつき攻める。白の出方では黒イやロの

       攻めも厳しくなりそう。右の白への寄りつきも楽しみ。

       ◎お疲れ様でした。次局の参考になれば幸いです。