Y氏は普通よりさらなる良い手への探求心と深く正確なヨミが魅力。
形勢良くても妥協から考えずの姿勢貫きます。それゆえに頑張り過ぎて
好局落とすこともあるが志高く敬服しています。では序盤から。
黒5カカリ一本から7はシマリは作戦。白8に動かずもある。
重くならないようにと黒13。そして黒15ケイマが工夫した手。
続いて左上守れば堅いが(次図参照)黒の注文を外し右下へ。
白16は希望図(二つ後)あったが黒17ブツカリが却下の意思表示。
早くも双方の構想をめぐる戦いが始まっています。
白1受けなら無難で相場かもしれません。ただ満足され
黒2と迫って来られそう。黒A大場もありますか。▲の
言うことを聞き左上が全部白地なら良いがまだ三々ツケ
など嫌らしい手が残るのが嫌でした。
黒1~白4まで互角だと思います。右下白一子は寂しいが
隅三々ツケなど味あるので一手で完璧黒地とはまいりません。
ここでY氏の放った黒5打ち込みはこの一手。白は分岐点。
戦うか穏やか路線を選ぶか・・・浮かんだのが白6サガリです。
対し黒7と応じたら隅の×三々がなくなり白満足。白8、10の
穏やか路線で手を打ちそう。イとロを見合いにして打てる。
見合うだけの代償得られれば白△差し上げても良いのです。
左下白サガリに黒1連絡で手を打つのもありました。白2と
ワタられるが低位と判断し黒3大場に向かいます。白に実利
稼がれた印象だけど▲全体活用し次のステージで勝負!
実戦は黒1ツケ。互先局でも結構打たれる令和的手段です。
変化多くヨミ切るのは大変。でも左辺白二子に弱みあるので
有力そうな手に見える。白6まで進みました。黒5では黒イ
白ロ、黒ハの道もあったけど筋悪で打ちにくい。さて次です。
黒aなら簡単に生き。普通の方はそれで手を打つけども・・・
黒1。並の発想ではない。白2と対応させ黒3、白4と
なれば単に黒3、白1の形より働いています。なので
白2で白4ツギも考えたが黒×ハネ出しが嫌に感じました。
しかし黒5ノゾキ!瞬間私の血圧上がったと思います。ただ
元々隅で生きるのが黒の意図ではなく『上辺や左辺での利得が
真の目的』なのでこのキカシは当然と言えるのです。
◆対し素直にツグ一手でした。実戦は無用な反発し・・・
ここから白は要らぬ反発、無理構想をして自ら窮地へ。
中ツガずに白6~白12、14と黒を分断。しかしどう見ても
黒15分断のほうがきつい。隅工作利用し白16~20ですが
上の白へきつい一発黒21が来る。白22に強く黒23オサエ、
白24キリ違いが実戦。サバけるかどうかが勝負となりました。
緩まない棋風のY氏なので実戦進行は当然ですが黒24では
「どうぞお辛く生きなさい』の黒24ノビも考えられました。
実戦は単に黒3カカエでコウになったが黒1上アテ打ち
黒3カカエなら白×取れていました。白4には黒5です。
続いて白イは黒ロで無理。ただし味あるので含みにし
白6とこちらの黒へ迫るか。実戦より黒はこの図が良かった。
実戦は大コウになり黒1コウ立て、白2ツギは仕方ない。
続いて黒イと抜かれたけど黒3出から黒5が嫌でした。
白イツギは黒ロで攻め合い勝っています。
◆上の白へ食いつく進行を選ばれたが白も大人しくせず
中央で難しい場面となり時間切れ終局となりました。
◎今回も難しい碁でした。右側方面何もせずで終わったので
少し寂しく映る。毎回一手ミス大きいヨミ合い局で充実して
いますがたまには短期決戦でなく微細勝負も体感したい感じ。
次回一応は目指します。まぁ成り行きで。よろしくお願いします。