K氏三子局。久しぶりでした。
序盤と後半の手所に触れます。では開始。
白三々に黒2カタは良き手段。しかし白3這いに黒4は悪手。
白4が『二目の頭』で黒悪い姿。次の黒6補強は良い手です。
白9に対し黒10~14ハネツギ早治まりは好判断で流石。
三子局はなるべく白の勢力圏で弱石を作らないこと大事。
左下ツケ二段定石ですが黒22は地よりも手厚さを優先した手。
なので白23守りに強いとみて上辺黒24三連星は良し。ただし
白25迫りに黒26は・・・何たる弱気か。(2つ後の図参照)
左上が黒40までが完璧応接なので指導している私が悔しいぐらい。
◆黒26と<(_ _)>するなら先に黒Aと補強する方が勝りました。
黒1ノビは前に打たれたので知っていると思うが念のために
紹介します。白2スベリに黒3オサエ込みがお勧め。白4なら
黒5(低いのもある)とヒラキ一段落。以下は模範想定例。
立ち上がり早々右下黒×二子を白△ハネ喰らいどうなるかと
危惧したが黒Aと黒1カドがすこぶる良い手でした。黒5と
安定したので白も心配になり左下白6、8は補強のツケ二段。
それが黒13まで厚い姿得られる進行へ繋がる。嬉しかった。
もし左下黒を弱いと見るなら黒15で黒Bを優先して欲しい。
「白△とは生意気な奴、拙者を甘く見ると痛い目に。」と
いう気持ちで黒1とハサんで欲しかった。白2トビには
黒3、5とモタレて攻める。白6補強に黒7と好形に受け
好調な流れ。もし左下黒を治まるなら黒×でなく黒イ、白ロ、
黒ハが地もお得です。
二線コスミは屈した手。ならば白を攻めようとせず黒1と
上厚みを膨らませるほうが棋理に沿った流れです。白2に
黒イ、白ロ、黒ハでも生きているが安全確実な黒5も可。
後半で中央を白にオサれたときの良き対抗手段を伝えます。
左上に注目。黒1ハネ一本が正解。白2受けは仕方ないが
一転黒3と中のオサエを打つ。このキカシが物を言うのです。
白4切りに黒5とノビると白6、黒7の後に白は二つのトビ
手段しかないが白8なら黒9、11出切り。白12、14に
黒15まで網にかかるという寸法。ここまでヨミ切れたら立派。
変化多いので詳細を検討します。
白8の方のトビには黒9コスミツケが筋。ワリコミ防ぐ
白10に黒11とオサエます。白12から攻め合いですが・・・
黒15までピッタリ黒の一手勝ちとなります。
実戦のK氏は中の黒1断念しました。確かに左上ハネ一本
準備せず黒1Tオサエると白2~6のとき黒7、9出切りに
白10、12が良い手で黒困る。今さらの黒13ハネは白14と
対応され証文の出し遅れとなるのです。ただ黒取られでは
なく次に黒aで逃げることは可能ですね。
黒1ハネに応じず白2と中を連打する可能性あります。
その時は当然黒3、5と突き出しましょう。二子まで
取られは悲し過ぎると白6ツギなら愚形気にせず黒7と
逃げます。気合の振り変わりですが黒×二子只で取られる
実戦と比べ上辺の白△得た儲け凄く黒不満無し。
◎お疲れ様でした。良い所は他にもたくさんありましたが
今回は悪手を強調し指摘しました。内容がさらに良くなって
『三子会心局誕生の日』を心から期待しています。