幽玄の間T氏三子局

 

        Tさんお待たせしました。この碁は序盤振り変わりの後の

        主導権争いがポイントだったと思います。では開始。   

なかなかの意欲手・その構想は

        名前にうっすら記憶あったので今年の保存棋譜で探したら

        私でなくKプロとの指導碁があり見事快勝されていました。

        本局いきなり魅せてくれました。黒6!良さそうな一手。

予想構想・確かに白△あまそう

        ノータイムなら地が美味しいと白1受け。しかし黒2~白5と

        なると△配置が気になります。黒a三々残り辛くないですね。

        黒6構えが絶好です。この図嫌だと左上にカカったのが実戦。

実戦:少し固めの打ち方

        黒1は意外。白2、4となり黒厚いので可ですが白安心。

        白受けていないので私だと厳しく打つ。それは・・・

手抜きにはツケてみたい(一例)

        黒1とツケたい。もし白2ハネコミなら黒3~7の筋です。

        戦いになるが黒不利は考えられない。白2で変化いろいろ

        あるけどもこの部分打つなら黒1とツケて良いと思います。

       

出・這い・ケイマがお洒落

       ▲など既に黒石があるときはあまり這いたくない。お勧めは

       黒1出、黒3這い、黒ケイマ。白を厚くせずの心です。

       ▲との相性が抜群で白6など補強された時に黒7と余裕で受け

       出方を見ましょう。白イが気になるが黒ロ受けで白に良き後続

       手段はありません石がだぶりたくないとき最適です。

 双方気合の応酬・ほぼ互角の振り変わり

       凄い変化となりました。細かな言いたいことあるけどこれは

       双方気合とみたい。地としては左上利得多く黒が得しているが

       左下黒が弱体。気分は白持ちでした。黒11一本で黒13は冷静。

       隅にまだ黒二眼ないけど場合によってはポン抜き白を攻める

       可能性を見ています。

驚きのツケ!豪手?策手?

        今直ぐ効果的手段は見えないので上辺白1とワリ打ち。

        後にA封鎖やB強烈眼取り・C普通眼削減を楽しみにと

        考えていたのです。すると黒4ツケ!これは驚き。白イなら

        黒ロでなるほどか。ただ白権利強気箇所。暴挙と見て・・・  

囮石策戦

        白1反撃。すると黒2受けでがくり白3連打で部分的には

        白が得ですがTさんは黒一子囮にして左辺白を攻める意図

        黒4にその意志が表れています。でも黒4はどうだったか。

        ここから黒4が活躍する場面がほぼなかったのです。

白の希望 これは黒難局

        気合の黒2、4を期待していました。白5封鎖に黒6が

        省けず白7一撃。シノいでも黒負けパターンでしょう。

推奨は中央カケで厚く打つ手

         黒×の代償をどう取るか。実戦は左辺白の根拠を奪ったが

         黒1の中央カケが良かったと思います。「治まって。」と

         優しく厳しく。ただ白には嬉しい治まりが見えません。

         かといって白イ、黒ロ、白ハ分断は乱暴。黒二とされ

         左下の黒一団を黒aと治まる手が白の攻めに繋がります。

         黒1に白はどう打ったか予想は次に。

辛辣なケイマ封鎖

       何も考えないと白2二間。これで心配はないのですが黒3の

       ケイマが辛辣手。手を抜くと黒イ、白ロ、黒ハ寄りつきで

       白地悲しくなる。黒a省け中がすこぶる厚くなり良き展開。

       犠打の黒▲も黒b利用。黒c三々も安心して決行出来ますね。

       ◆黒が主導権を握っていたことは間違い無し。

実戦:主導権は白が握る進行

        ◎本局は黒の時間切れとなりました。終局場面の地合いは

        大差ではないけど黒が勝ちにくい碁形だったです。

        この譜の実戦進行は黒が良く耐えています。ただ主導権は白で

        圧しているのがわかると思います。左下手入れすればいつでも

        生きだが打つ理由、利得求めているけどそれを白が嫌らしく攻め

        与えない。難場面の連続なので時間消費止むを得ない。 

        お疲れ様でした。次回は会心局を目指して下さい。