冨士原六段三子局

       合宿初参加の富士原さん。互先局を拝見しましたが結構厳しく積極的。

       本局はどこでどう踏み込むのが良いかを伝えたい。

がっちり四隅の出だし

        右下黒22は斜め左上の一間が勝るが他は全く問題なし。

        白13カカリに対し・・・

手厚く進め順調・白16の思惑は?

         左下は定石ですが厚く黒打ちやすい。黒15ツメは

         白へ迫りつつ下一帯の黒模様を拡大兼ねています。

         対し本手白A守りや頑張る白Bと応じれば普通ですが

         妙味ないので白16と捻ってみました。対し・・・

黒の動き借りて自然補強を期待

        ▲の希望はこの図。一応補強の調子となる。実戦は・・・

ブツカリ好手ツメはあまい

        黒1ブツカリが好手。白2と立つが右上白がある配置

        ではないので間が薄い。ところが黒3。これは白4と

        なり安心。黒は稼いでいるが左右が兄弟喧嘩の地所。

        続く黒5は同点白と比較し好所。白6も右下黒拡大を

        防ぎ譲れないところ。白模様を拡大しています。

        黒7ボウシは▲取りなさいとのですが知らんふりの

        『白8キリンの顔』※ここが最大のポイントでした。

推薦手は力強いノビ

        白に手抜きされた左上を何か打ちたい・咎めたいです。

        トビもあるが黒1ノビが力強いと勧めました。

        重そうな手だが前の黒ボウシが応援しています。白は

        ×分断が心配。しかしその点に受けるのは悲しいです。

全体の白根拠奪って成功の姿

        黒イ~ハ意識し白一子軽く捨てる白2くらいか。

        黒3と受けて左上白地、いや根拠奪ってホクホク。

        上辺黒二が全体の白一団へ食いついています。白不満。        

変化一例・困る

        私だと強気白2を選びそう。対し黒3と一本オシて

        黒5カドが力強い。黒イ白ロ×分断を見られ

        ここで打つ手がない。白2は無理ですね。

黒3、5は敗因

        黒1は消し。一見ほど良き箇所に見えたが白3と受け

        安心しました。まだこの交換はせず踏み込む可能性を

        残しておきたかったです。AIの示した手は後ほど。

        受けに満足され下辺囲った黒3、5が敗因です。ここは

        囲わなくとも良い。理由は左右の黒が厚いから。

AI示した踏み込み(互先的)

        黒1踏み込み可能とのこと。「それは許せない。」が

        第一感ですが互先対局なら『あるな。』となる。さらに

        黒2だと右辺で治まられそう。白3受けなら黒4トビ。

        白4と襲い掛かっても黒5ですんなり遁走します。

        右下は堅い▲、左側には応援の▲。頼もしい存在です。

        【手厚い碁は踏み込め】指針にして下さい。

捨てずに頑張れた

       実戦は数手進行し白イ、黒ロとなりました。次の左上白ハは

       守りと右白模様に役立てようというもの。この後、黒は白ハの

       近くから削減されたが黒一子助けたかった。先ず黒1ノゾキ。

       ツグよりない。そこで黒3ケイマ。右上と完璧に繋がっては

       いないが白は分断しんどそうです。ここが連絡なら優勢堅持。

       ◎お疲れ様でした。新参加の方のお陰でいつもより良い刺激に

        なった合宿。下じょ会・浦安碁会もよろしくお願いします。