大石六段三子局 

      春の下地会大会にも出場された大石さんですが指導碁は本当に久しぶり。

      合宿で一番白が苦しい内容でした。序盤折衝を振り返り検証します。

バサリ切り良き気合

        白19に黒20切り早かった。例え研究してなくともここは

        断という感覚でしょう。私もAIも選ぶこの一手。

白1~5は黒10手が止まる

        白1、3対応見たことあるが黒4オサエにどうするか。

        簡単に生かさぬなら白5ツギですが黒6、8に悩む。

        白9オシはノビ期待しているが黒10がサバキの好手。

        白イ、黒ロの守り合いは黒がお洒落。でも黒断点を

        切ると双方二子の取り合いに。それも白がつまらない。

白が取りに行く変化 

        白1、3は左側白を利用し黒を取りに行く手段。白13まで

        黒5本。右上白は六本。ただ黒16ハネが利き一手ノビる。

        気持ち良き黒18アテをキカシて黒20ハネで攻め合いです。

        △と×の点がポイントになりそう。続いて・・・

   コウやセキになる可能性あり。黒は捨てても可

       白1ホウリコミ、黒2取り、白3サガリと進む。この後ですが

       黒が詰めて行くと白取り番の本コウになるようです。なので

       駄目詰め保留し右辺黒4など占めてコウ立て増えるのを待つ。

       白がもう一手かけるならさらに大場へ打ちます。攻め合いは

       負けても攻め取りなので大損ではありません。なお白はセキに

       する可能性あるが不満でしょう。それは黒良しです。

実戦進行:白17大悪手

       白1切りは黒切りに責任持たせようが目的。ただし戦いは

       黒打てます。黒10は少々問題。白11に黒12と抵抗するが

       白が圧す展開です。黒10と白17に触れましょう。

黒へ指摘・一間トビが勝った

        普通黒1トビで良かった。白2急所は黒3で平気です。

        白イ、黒ロ、白ハ、黒二、白ホで嫌な感じに見えるけど

        実際は黒へ切りが厳しい。なお白2には検討で伝えた黒ロも

        良き対応とありました。白2急所を気にしたことは流石です。    

   最善はブツカリ切り。ただし黒は捨ててやれる

       黒aツケに白1、3ブツカリ切り浮かびました。実戦進行

       よりは勝ったようです。白11まで想定し部分的には白が

       得していますが三子の置き碁では12回られ嬉しくはない。

タケフ連絡で十分でした

       左上隅へ白がツケたとき実戦は最強のハネ出し選ばれたが

       黒1タケフ連結がベストでした。もちろんAIも同意見。

       白2ハサミツケなら味残して黒3と攻め立てて行く。

       【部分最強で戦うよりも全体俯瞰し主導権】ですね。

耳赤の一手を彷彿(黒5

      左上一帯は一段落しました。少し白かと思ったが黒地が多い。

      すると黒1ノゾキ。癪に障り白2ツケで抵抗するとあっさり黒3。

      右辺開拓の餌だったよう。白4に黒5!驚きました。今まで

      の大石さんとの指導碁でこのような架空の手・漠然とした手を

      打たれた記憶ありません。耳赤の一手のようにじわっと効能が

      見えてきました。白模様拡大の牽制と右側での戦いに役立つとの

      想い込めた一手です。私も良い手だなと感じました。

後半の盤面

    後半画像。この時点で黒が15目はリードしていると思います。

   ◎お疲れ様でした。楽しい合宿でしたが何かしら学ばれたはず。

    大石道場での対戦で成果出ますように。期待しています。