強さと弱さがチャンプルーの吉川さん。本局も才ある手が出現しました。
先ず画像を見て下さい。私は意図察知し来るかと身構えましたが・・・
黒1コスミツケは「切る手」『ハネる手』二つを含んでいます。
プロ同士の対局でケイマにコスミツケされたら先ず分断を
予想します。黒1と切るのかと。しかし白2ノビに黒3は
白4ツケコシが飛ぶ。白8までなると黒攻め合い負け。
捨て石で打てないこともないが普通は損。吉川さん分断予定
でなくハネて右上隅との連絡が目的だったようで・・・
右上は黒実利、白外勢のワカレ。またもや左辺へ星下の
ヒラキなので再度白2ボウシ。黒3ケイマ受けは素直。
白4と天元に迫った時に黒5は強気のケイマ。ただこの
局面は白シチョウ良しで厚み控えています。(次図簡明)
黒A分断されたが良き打ち方伝授します。その前に・・・
右上白が厚く勢力圏。そこに石が向かうのは勇猛ではあるが
蛮勇とも言える。黒1と戻る方が態度としては合っています。
白2と撤退したら追わずに黒3ケイマがお勧め。黒模様拡大に
役立つ道ですね。このような打ち方を昔の碁会所では「♪明るい
ナショナル♪」と形容していました。力みない打ち方。
実戦ケイマを分断されときに黒1ノビが堂々とした態度。
双方ノビたこの形は【卍切り】または『風車』と呼びます。
黒3、白4、黒5と補強し合って競っていく。白6には
黒7馬の顔が満点。×付近を守りつつ白模様削減に役立つ。
実戦吉原さんは黒1~7と戦いを拒否。上手相手なので
ある意味利口。白10まで中央白すこぶる厚いが黒11と
ガッチリ連絡し左辺黒地満足して良いです。さて問題は
下辺で紛争が起きていること。中央白鉄壁が待ち受けて
いるので全面波及の戦闘は避けたい。黒13は下辺星の
ハサミが調和。左辺黒21は下辺黒22なら無難。頑張りだが
黒かなり危険な展開になっています。黒27ワリコミが鋭い。
ただし白28アテに黒×と打つ予定だったようです。それは
白イ、黒ロ、白ハで隅が痛むので今二つ。正解は・・・
吉原さんはワリコミがお好き。不成功も多いと思うが
経験積んで身についてきます。本局はワリコんだ後に
黒1と切って捨て石にして黒3のワリコミ第二弾が
100点のサバキでした。白△を分断すれば下の黒は安全。
◆代わりに上の黒×二子は献上しますが小さいですね。
立ち上がりの右下隅の白三々への対応ですが二目の頭よりも
黒1ノビが厚くお勧めです。白2這いなら高級ですが黒3と
ハネて白4に黒5(a)二段バネが整形の手筋。白6、8と
取らせて黒9と決めれば黒外勢美しい。白10抜きにはサッと
黒11転身されたら・・・明日から四子で打てる。三段卒業。
◎お疲れ様でした。いつか時間あったら是非研究会一日体験を。
★おまけ画像を。右下ハネた手には才能感じました。
白アテに対しノビなら無難で黒にはシノギありますがビシッとハネた手が嬉しい。
ヨミの裏付けは無かったようですが『打ちたい手を打つ』感じた手を迷わずは
上達に不可欠。結果失敗でも良いのです。積極性が上達への近道。