久し振りのS氏。中央感覚に並外れた技量の持ち主です。魅力ある世界に
感化され臨みたくなる。先ず画像を三枚。前例無き序盤です。
定先手合いで指導碁受ける方は数人いらっしゃいます。S氏は7年以上前
四子が初。直ぐ三子になり程なく二子に。難解なヨミ部分になると強くない
イメージでしたが二子で白の無理をきっちり咎める力がつき成績も圧されて
きたので先指導対局となりました。序盤配置石が働くと本当に強い。
黒9!個性手出ました。白10は感化された手だが同点が
大きいと見ました。黒11じっくり良い手です。白一子は
五線なので座り悪いのが難点。
右辺を打たれたら(一例は黒1)白2二間占めようと
予定していました。白▲二間との幅で黒模様に対抗します。
白a打ち込みも楽しみで私好み。でも見抜かれました。
黒13。一杯でない圧がS氏の持ち味。意図は右辺白二間
何か補強催促しています。三線にトビ下ろせば穏やかだが
上辺を開拓されそう。それで白14挑発。攻めて来いと。
でもじっと黒15と力溜めてきます。白16二間は気合。
ここが黒の分岐点。いくつか予想しました。S氏棋風ならば
じわっと黒A。白に動きを促し回りを固める策。有力です。
黒イやロのカタは厳しい着想。一応対策ありました。他には
間割る黒ハ・二・ホが候補です。でもこの三手は打たれてから
対応考えようと。実戦は予想にない手で意外。その前に・・・
遡ります。白ふわりに対し急戦志向なら黒1ハサミがお勧め。
白2カタから白4の形与えるけど黒5とじっくり攻める。
白6、黒7、白8逃げとなるが前の▲フルに活用出来ますね。
S氏らしくないけど最強主義の方には向いています。参考に。
黒1ツケでした。白2ハネに黒3二段バネが形となり
黒7まで進む。分断の筋ですが有難かった。それは
白▲一子が軽く捨てやすく本体が安定となったから。
黒4まで進んで右下白6補強も浮かんだけど中の黒が
厚くなったので左下白へ黒bと迫って来る。それを防ぐ
白5を優先。結果判断します。黒イやロは白a取り込み
働いています。しかし右中の黒▲二つは?一子抜いた白が
眼形厚いなら色褪せていると言える。そこで黒8ですが
白1~5が白のヨミ筋。黒6ノビに白7を用意して
います。対し黒8、10が黒の最善手段。二子捨てて
未だ白に食いつけるとの発想で正しい。白11、13に
黒14が惜しい。下を連絡したのが実戦だが・・・
黒2、4で綱渡りし地を確保しています。ただ白9が
効果的になってしまう。受けたくないと黒10、14だが
白15利きから白17と踏み込まれ持て余している進行。
黒18受けではたとえ生きられても遮って勝負したかった。
(実戦は白15の斜め左一線に白コスミ好手残っているから)
白が黒二子アテた時にそこは何もせずがうまい手でした。
▲二子は白から打って取れません。黒1が喰いつきの好手。
白2と上の一子助けたくなるが黒3ツケ。白イのハネには
黒ロ切り違いが有効。白は全体の眼形気にしなければならない。
平気とみたが左下白二間では右辺に根を下ろすぐらいでした。
左上▲戸締りし白優勢を意識したが黒1が鋭い。S氏の強さが表れています。
色々あり過ぎて説明できないが凄まじい変化が起きた事は伝わるでしょう。
▲と打ったときに潔く投了。何目か正確には言えないが地合いは白が良いです。
◎お疲れ様でした。天空を翔けめぐる碁は夢とロマンあります。一転ヨミ合いに
なることも多くなりましたがそれも緊張感で有益。またお願いします。