幽玄の間Y氏快勝局

    指導碁で最強のY氏ですが今年一番の内容。持ち味を遺憾なく発揮

    されました。白に短兵急な打ち方があったのですが難解な勝負所での

    見事な決めだったので仕方ない意味もあり納得局。先ずその場面を。

勝負どころ【黒番】

    白▲と打ったところ。正直白やれる、黒大変だろうと見ていました。

    理由は右中の黒一団。眼形出来ますが苦労するはず。コウになりそうだが白は

    それを避け右を少し処分し切り上げもありそう。左中の黒が孤立しています。

    私に二子の方でこの場面から勝利される方は相当強いと思います。しかし既に

    最善を打て勝利確定のよう。Y氏の深く正確なヨミ力は本当に恐ろしい。

Y氏愛用の大々ゲイマジマリ

        右上に注目。黒1から18は大々ゲイマジマリか。何十局も

        試し経験積まれているようです。私にも二・三度目か。

        手順違うツケヒキ定石の後に右上。大ゲイマだと頻繁に

        打たれているいきなりツケ白18試してみたくなり決行。

        黒の応手はイ~二の四通り。最強主義Y氏なので激しく

        なると予想していました。なおシチョウ関係は白良し。

実戦:AI推奨の穏やか対応

       反対ハネが第一予想。実戦の黒1、3は意外。ただ局後に伺うと

       AIはこれで黒良しとの見解。なるほど大人しい対応だが

       ▲連絡し厚いので右辺の白打ち方が難しい。なお左下▲存在で

       シチョウ白良しなのも黒×と切らず単ツギ黒3選んだ理由。

両方攻め目的・豪ナラビ

       白三間ヒラキにやはり即打ち込み。白二線コスミは工夫だが

       三線ナラビで連絡拒否されました。右下白も攻める意志の表れ。

       続いて白ノビ二つ打って進出。攻められ良くなかったかと少し

       感じたけども数手先に強襲を喰う。この時点は弱石には見えない。

 打ち込みから戦いへ・烈手ツケ!

        白aとノビて黒イかロを予想。どちらでも怖くないと

        思っていたら黒▲ツケ!発想厳しい好手でした。

実戦進行

        白1出から白9まで進みました。双方裂かれ形で互角に

        思えます。白3もう一つ出るのは流石に右の大石危険。

        一段落と思ったら・・・Y氏の見解は違いました。

無難手ならば白持ち

       絶対にY氏は打たないが隅を黒1と制する方もいるでしょう。

       その時は白2とマゲる。黒3~5まで対応すれば白6補強。

       これはゆっくりしています。地合いも拮抗。黒1はあまい。

機敏な右辺打ちこみ

       黒1動き出し。驚きました。常識的には左上を得したのに

       この石を動くのは考えられない。考慮し白2が最良と選択。

       右上黒へも触るので動き難しそう。無難な黒3なので白4で

       満足したら黒5オサエ。「むむっ黒3と引いたのに頑張る?」

       しつこいなと思いつつ白4切り対応。すると今度は穏やかな

       黒5オシ。本局のY氏は柔と豪を交互に織り交ぜます。対し

       味良き白6で満足したがあまかった。ここは・・・

白は先手取る工夫すべき

 先に白1とハネ出す。今なら黒2切り。そこで白3カカエが手順でした。さすれば

 黒4カカエは省きにくいので右辺白5補強に回れます。良い勝負だったでしょう。

 白3で白4とノビて大勝負するのもある。右側打ちむ暇を与えたくなかった。

決行手黒1、3は普通だが・・・

   途中手順は省きます。冒頭画面の気合ぶつかる勝負所。黒二目の頭ハネ、

   白オサエ、切りと実戦は進む。ここまでは当たり前ですね。次の黒は

   右のアテが絶対手とその変化をたくさんヨンでいました白は一子抜きと

   ノビ対応どちらも打てそうで選択に迷うなと。しかし驚きの・・・

驚きのツギからカケ〖決め手〗白に勝つ図無し)

   黒一子逃げ!ヨンでない手でした。数手し黒▲カケ。白全体との攻め合いを

   挑んできたのです。白潰れには見えず打開策はあるだろうと熟考したが・・・

   攻め合いの変化は全て黒が一手勝ち。白が二眼作ろうにもぎりぎり出来ず

   脱出も不可。図はお見せしませんが黒に勝利の女神が微笑んでいます。

   ◎お見事。やはり強いと認識。先で1勝1敗ペース。これからも熱戦局を

   よろしくお願いします。5月の下地会大会での活躍も期待です。