8時30分という早い設定に常連S氏からの申し込み。
数日前にK九段との二子局を観戦したが見事中押し勝ち。
我満強さと切れ味ありを感じました。
本局は白も先ず先ずの序盤でしたが気楽に見えた折衝での
黒返し技が光る。その後の白構えへの手の付け方も巧み。
では風変わりな序盤から。コメントは少々お待ち下さい。
S氏は辺の大場より中央へ石を優先・配置する棋風。それは
『いずれ戦いが必ず起きて活用出来る』との信念に基づかれて
います。長所の手厚さとも連動し成功すること多い。
黒8が手厚さ。二子だとぬるいよとの声あると思うが次の黒10
カケが中に役立ち大きいとの意志。白9の五線はそれを意識、
白15・17も同じく。しかし普段打ち慣れていない六・七線です。
黒18は左右どちらか破ろうとの意図。白19はさせじとの意志。
次に血気盛んな方なら黒イやロの挑戦、冷線静な方なら右下黒ハの
三々でしょうか。でも急がなくとも平気と黒20天空。冷静ですね。
◆S氏と打つと新境地というか新たな分野へ挑戦したくなるが三線
四線と比べ五線・六線は本当に地になりにくいとこの碁で実感。
白1トビに黒2はキカシ目的。黒a分断があります。受ける
前に白3は「ならば先に黒二子bに連絡を。」との返答手。
対し中厚いので 黒4、6ツケ切りは気合の反発。
中は黒10までのワカレに。白は実利得て連絡し左辺も
侵略し易くなっているので満足でした。黒は中が厚く
地所になっているが幅が狭い感じ。白一子は切りに役立つ。
◆ただこの頑丈の黒の利点を忘れてはいけない。右辺や
下側に白へ仕掛けや削減が黒は容易になっています。
なお黒6で黒一子逃げるとどうなるか次に示します。
黒1逃げは白2から4の手順で捨てる予定でした。
白10までのワカレは必然ですが黒が不満だと思います。
それは中央配置の▲が薄くなっているから。
左上へ入った時に黒1サガリを予想。これは間接的に隅を
守っている手。白2なら黒3で普通。実戦は白へ頭ツケし
捨て石連絡を計りましたが当然白は抵抗し・・・
裂かれ形で黒を割る進行。黒は避けること可能でしたが
辺大事にしています。前図より少し白良いと感じたが
左辺は黒厚くなりました。ここでついでにと白1が失着。
黒a受けなら良いが黒2、4が気づかない返し技好手。
隅受ける前にさらに左辺黒が厚くなる進行となったのが実戦。
実は次の白7で白bが成立すると勝手ヨミしていたのです。
図で示しませんが分断され無理ですね。
数手進み終に右辺黒1と入られました。他の手段もあるが
白2に黒11まで、なるほどわかりやすい侵略手段。この後、
難しい攻防ありましたが頑張り切り見事勝利です。
◎お聞きするとプロに先で臨むとうまくいかないとのこと。
私も数回体感しましたが地であまし易い感じあり。S氏の
打ち方は二子だと抜群。先だと難しいが今の状態です。でも
経験積み重ねれば光明見えてくるでしょう。
次回は『先』かもう一度二子か。お待ちしています。