幽玄の間Y氏定先局

   前局では大模様作戦から力強いシノギで快勝されたY氏。何と二連勝です。

   本局は私として先ず先ずの内容だったと思います。もちろん楽勝ではないが。

   最後の場面で黒が頑張る手を打った場合どうだったかを先ず画像で検証します。

中央白△と押した場面 【黒番】

 この場面では白優勢意識していました。地合いというより流れで感じていたのです。

 白▲オシは安全策。少し中が薄く見えて妥協したが本当は右辺破りたかった。

 対し実戦は右辺一子ポン抜き。厚い本手ですが右辺から隅へ白眼形の余地があり

 中白の一子逃げ出してポイントを獲得。その後はあまり黒にチャンス無かったよう。

 ◆頑張る手は右辺二線でした検証してみます。

検討:二線コスミ(隅の黒眼形確保&白眼形奪取)

 検討でY氏感想の黒1。右辺黒へ応援しつつ白の眼形を削いでいる頑張りの手。

 対し白は冷静に打つか、オシた手の顔を立てるかの分岐点。

想定図

  冷静な白2~6が賢がです。黒7と抜かれますが気にせず右上白8三々。

  すんなり手になれば少し白良しに見えます。ただ影響で右辺白危険になるやも。

  黒1コスミが最強で勝負の手。一波乱起きていた可能性ありが検証結果。

立ち上がり

         黒13と左辺割らずに黒aの道もある白16許しても

         黒17とじっくり白への攻めを伺うのはY氏棋風。

        下辺黒21打ち込み厳しい。白22、24は穏当策。先手取り

         黒31に回り黒も満足か。白34はトビが普通だけど

         左辺黒へ圧力はかかっています。軽い黒35賛成。

         白36にもし黒aとノビたら・・・強敵ではありません。

明るく軽い大ゲイマ二つ

             相手にコスミツケられた場合にノビが 重く感じたら二線を

          ハネてアテて利かすのが有力。実戦に役立つ。黒1、3

       お手本で白4とキカシたので黒1、3は用済みのキカシ石。

         次の黒5大ゲイマも佳き感じ。長南さんを思い出しました。

       次の手に注目。黒6二線オキ。プロに対しこの手を放てるのは

       ヨミ力に凄く自信ある方だから。ただし普通に黒イ、白ロで

       先手取っても良かったと思います。

白満足のワカレ

      左下隅は生きたけど小さな黒地。影響で外黒薄くなりました。

      今直ぐ黒イのツギは白ロ、黒ハに白aからバリバリ分断され

      無理なので黒1転身は頷けます。白2は上辺ヒラキなら無難だが

      下辺黒イ牽制し左の黒へ迫りたい。さてここです。

      Y氏の打つ手はプロ同士なら検討する箇所。並みの打ち手ではない。

最強!急所のツケ

      黒は先ず中へノゾキ。白はツグ前に左上へ二線サガリをキカシ。

      警戒したつもりですが許さんと▲ツケ!失敗したら相当リスク

      ある手ですが緩まないのがY氏の真骨頂。

ゴツイブツカリが良かった

        変な調子ですが黒1ブツカリ戻りが良かった。白イは

        黒ロで上の二子寂しく×断点も生じるので・・・

  黒打てそうな進行(前の続き)

       想定はこの図。双方切り結びの戦いになります。このような

       忙しく一手もおろそかに出来ないせめぎ合いY氏は得意です。

白へ好転確信場面

    後半。白▲と打ったときに勝てそうだなと。右下の黒が封鎖され薄い姿。 

    左側の黒も丈夫ではない。中から右の白一団気をつければという碁形。

検証:シボリは避けたかった

  数手遡ります。白が一子アテたときにY氏悩まれ黒1を選択。この道もあるが

  黒5逃げでは死んでも黒6ツギです。シボリ喰ったのはあまりにも痛い。

地は与えるが手厚さで勝負

     捨ての黒イの切り返しが本命路線でした。白2、4とツグ予定だが

     黒5カケツギで外回り。右辺心配なので白6補強は仕方ないが黒7と

        一本キカシ黒9、11ハネノビで地を増やしつつ攻める。下の黒数子

     取られ残るけど右辺白放置は怖い。好勝負だったと思います。

     ◎お疲れ様でした。ぎりぎりの勝負は私にとって有益。

      今後もよろしくお願いします。