長南氏二子局

     長南氏は信念・相場感覚抜群・剛腕さも加わり勝負の機微も鋭敏。

     弱点を探すのは大変です。本局序盤を紹介します。

マネ碁ではない(黒6の位置に注目)

               長南さんは三々好きなイメージあるので(この前は星)初手三々を

    試みたら同じく三々。白3カタの時「二ヤッ」)。もしや、やはり

    黒4カタでした「二子局でマネ碁?」と白5と応じたら黒6這い。

    この手で反対に這いなら対照的。なのでもう真似碁ではありません。

実戦経過

     実戦進行。白15ケイマは私が好きな手。黒16トビは定石ですが

     長南さん愛用。これは一長一短とします。次の図2つ参考に。

双方からの後続手段①

     右下:白からはAケイマ、左上:黒からはBオシ 良き勢力手です。

双方からの後続手段②

    右下:黒から黒A大ゲイマが一番人気。厚い黒イ、白ロ、黒ハを含む。

    左上:白から白Bケイマが次に白二のキカシや白ホ封鎖を見て厚い手。

手厚さから『待望のオシ』へ向かう構想

    右上の定石(多分)後、黒1オサエは堅いが右下を活かす意図。白2

    キリから白4、6のときに黒7カカエ。これは注目の一手。普通の方は

    黒8とツグでしょう。でもそれは白7ノビを与え手厚くないとの判断。

最強は断点ありで勝負

     右辺放置し黒1と割る手が最強。白2には黒3とオサエるのが形で

     白4抜きに黒5と強く止めます。ここで白6ツギなら穏やか。

     黒7とツグことが出来れば黒が良く見えます。ただ黒には×断点二つが

     ある。弱点突かれても対応柔軟で大丈夫なら打てるでしょう。

コウの一例(振り変わり)

     白1とコウを仕掛ける可能性あります。黒2コウ取りに左上白3は

     コウ立て。ここは気合でも黒4抜きで解消したい。白5連打で左上は

     ひどいけど右上黒6、8は先手のおまけ。次に黒模様を引き締めても

     拡大しても黒が十分打てると思います。『初コウにコウ無しですね。』

白キカシにキカシ返しの発想あり(参考程度に)

    検討では伝えられなかった一手を紹介します。白△に黒1カドという

    発想も有力でした。後の図は省きますので参考程度に。

白反省・捨て石利用が上策

    実戦黒1に私は直ぐ白イを決行したが短慮でした。ここは白2勢力手が

    最適だったと思います。白×小さく取ってとの催促です。冗談じゃないと

    黒3なら今度は白4と模様広げ白×を利用します。もし黒5と応じたら

    満足し白6、8の二段バネ!これはうま過ぎ。長南さんは必ず違う手で

    反発するでしょう。でも白2が良かったことは間違いない。

この時点で黒断然攻勢・終盤も優勢での打掛け局

    やはり右辺踏み込みがやり過ぎだったようで黒64、66と中央覇権を

    制しては黒断然良しです。右下や右上の黒一団にあまり眼形の圧力が

    かから無かった。力まない前の図がさらりと打てるようになりたいもの。

    

    ◎お疲れ様でした。『下じょ会』のメンバーが少しずつ増えるように

    来年は努力しますのでこれからもよろしくお願いします。良いお年を。