K氏三子局 手厚さからの踏み込み

  本局はぬる過ぎる面もあるくらい手厚い碁でした。当然相手が地を先行する

  進行になります。後半は緩まずどこまで踏み込むか頑張りが大事。

  先ず終盤の白地削減手段を検証しましょう。

好手カタ

  残り時間あとわずかのときに黒1カタが打たれました。回りの黒が厚くなって

  いたので当然であり好手。この手に大人しく対応すれば普通でしたが・・・

受けはサルスベリがタイムリ

  白1と受けたらすかさず黒2サルスベリが飛ぶ。白3~白9まで受けるくらい

  ですけど黒10に回られます。見事な打ち回しですね。

厚いオシの削減

 実戦は気合で二線オサエました。対し黒は中から削減したい。第一案は黒1オシ。

さらなる踏み込みのケイマ

    第二案は黒1ケイマです。この手は白の反撃をヨンで置くことが大事。

オシへの対応一例

     白1、3と対応したらさら黒4ノゾキが良さそう。白5は仕方なく

     黒6と美味しい白△もぎ取ることが出来ます。白7には黒8まで。

     ◆これぞ厚み活用の寄りつき利得ですね。

形に拘らないグズミが好手

     白1とツイだら黒2と追及します。白3オサエに黒4グズミ!

    『空き三角は悪手』というのは序盤限定の格言。イとロが見合いです。

ケイマへの対応一例

     白1と遠慮するくらいか。黒は満足し他へ向かうのもありますが

     打つなら黒2、4が有効手段。白5、7の苦心の受けで白11まで

     何とか支えますが黒a、白b、黒cで先ず先ずの成果です。

分断は白無理

     黒1ケイマを白2、4と分断するのは黒5~9までヨメれば大丈夫。

     白10なら黒11と分断し白はどちらも眼形が怪しい。分断は無理。

下の白分断怖くない

     下の黒断点は心配に見えるけど平気。白1と切ってきたら黒2から

     持っていくのが筋。黒8まで裂かれ形にしたら白困っています。

理由は左下の白が弱くなるので

     続いて白1ノビなら左側の白を先ず黒2、4と攻める。確実な生きは

     白5。三子取りが残ったことに満足し黒6と二子しっかり助けます。

     白7と逃げても黒8と退路を断つ。厚い碁はこのような時に頼もしい。

     最後に序盤触れましょう。

眼につくのは四ケ所 D打ち込みに触れます

実利得つつ攻めも伺える理想的進行

     早めに黒1と打ち込みたい理由はシチョウ関係が黒良いから。

     白2は形で普通。ここで黒3ハネコミが2つのシチョウ黒良しを

                   確信した手段。白4、6が定石となっていますが黒7、9が白の

     根拠を奪いつつ地を得て良き形。白10補強に黒11受けも名調子。

     ◆白が下を切る変化も示します。

シチョウからポン抜き&ケイマで厚い

     白1、3には黒4切りから黒6と必ずアテ。

     これが打てないとハネコミ威力半減します。コウは怖がらないこと。

     以下黒12まで相場一例。前の黒A~Dが輝いています。

こちらのポン抜きも手厚い

    白3ツギなら黒4のシチョウとなり白5、7と連絡するぐらいですが

    黒8と手厚く打っても十分。足早に黒A・B・Cもありますね。

    ◎お疲れ様でした。いよいよ明日6日は三面打ち指導碁。普段より

    私の打ち方が変わるかもしれないが自分の棋風を貫いて頑張って下さい。