V氏二子指導碁・惜敗局

         毎月数局も受けて頂いているV氏です。

         13日PM10時過ぎと遅い開始。後半の黒必勝場面から。

白取り込んだ場面

         今、中央を▲と打ったところ。この手は形悪くとも最善手で

         中の白×数子捕獲となりました。▲三子への攻め味あるけど

         下一帯の黒地は85目以上。左上白aと切って右側白地模様を

         足しても80目はいかない。その図だと上の黒地分は負けそう。

         ただ苦しい碁打開は専門。勝負手連発しますが・・・

         本局はV氏持ち味出した好局と感じました。序盤から。

右下は白実利が勝るワカレ

         白1、3、5の辺の構えは割と好きだがダイレクトな

         黒6ツケが有力とのこと。対し白7ノビは調子与えぬ手。

         黒8、10は工夫だが白11とノビられ継続手が難しい。

         黒12~白19まで石の流れですけど白良しのワカレです。

         仮に黒6と白1の石(ヨセ的に損)が無ければほぼ互角か。

ガリ・ハネカケツギ・ケイマ

 

         黒1、3、5が良いと情報で記憶しています。白6アテ

         軽く黒7。白が一子抜くと他の大場へ(数子軽い)向かう。

         白が何も打たなければ黒A打ち込みや黒Bと打ち次の狙い

         黒イのコウ仕掛けを伺う。参考程度で。

大ゲイマに臨む令和手

        適切に見えたので令和で開発された白1を使用しました。

        好きな箇所をどうぞという謙虚な精神。黒の応手は四つ。

        最強反発は黒A、白を固めず実利は黒B、手抜きさせず

        地を得るなら黒C、辺を大きく得たいなら黒Dとなります。

        V氏は黒Cを選びました。悪くないと思います。

黒実利確保・左側で戦闘開始

         V氏は実利派では無いが右下で白へ与えたのを意識され

         たのか黒2~10対応。今度は私が地を気にし左上白11。

         五分近く考慮され黒12~20と手厚い進行。反対オサエも

         あったと思います。白21、23は白aを強調し黒受けを要求。

         黒24と受けて黒悪くない。白25と右側拡大したときに黒26の

         ハサミツケ。V氏本局初の仕掛けです。対しツギもサガリ

         黒注文と見て白27ツケでサバキ目指しました。

真面目ツギはカケが絶好点

        なお左下ですが白1ツギは黒2と代わっても面白くない。

気合の応酬

        相手が保留したら連打したくなる。黒1は気合。白2も然り。

        以下双方言い分ある互角の進行。白4は白aなら穏当。対し

        黒5、7で先手取ったのは機敏。黒9と割って圧しています。

        強気の白10だが二間でしたか。黒11から戦闘派のV氏流れを

        掴ん行く。△はかなり弱体だが黒▲も弱いと見ていました。    

一見白ピンチだが・・・

         黒1ケイマは良い手。白2は同点防ぎ仕方ない。そこで

         急に左上黒3(4の左)とコウを仕掛けてきました。

         このコウは白を謝らせればかなり得。ただ負けると損。

         白4コウ抜きに黒5がコウ立てですが迷わず白6抜き。

         黒7と連打されたが中の白はしぶといのです。

一間トビでも順調な歩みでした

        黒1一間トビならもう一手で味良く取られそうなので     

        白2と受けたと思います。すると黒3コウ取り。

        良きコウ立てないので白4ツギ譲歩となる。満足し

        黒5と攻めて黒9まで進出出来ます。実戦が悪いとは

        言えないが打ち易い展開だったでしょう。

切リ好手。ヨンでなく驚き

                              二間の弱点へ白1、3ツケ切り。どう対応するかを伺う

            意図。黒4ヒキは緩まぬ対応でしたが中の白は生きが残り

         あまいなと判断。(誤算あり実は簡単ではなかった)

            本当は白5で上辺打ちこむ予定でしたが中に手があれば

         黒6と守らせても良いと×切りが左一団の保険になるので

            白7以下の手段が打ち易くなるとの考えです。しかし実戦は

          黒8切り。普通手ですがこの手をうっかりしました。

勝手ヨミの白都合良き図

        黒1には白2、4で味良き生き。黒5には白6で楽逃げ。

        これが私のヨミというか・・・勝手ヨミでした。

抜きの図:はっきり生きない

         実戦黒1切りにノータイムなら白2と抜いていたでしょう。

         しかし黒3とアテられ意外に眼形が窮屈。取りあえず白4、

         白6と生きたふりをするけど黒7抜きに困ります。

         イとロの点が見合いで二眼ない。このコウを頑張れば何とか

         生きるかもしれない黒7で「どうぞ手をかけて生きて。」と

         黒Aとされても悪い。白構想崩れ練り直しとなりました。     

一手の緩み

         白1と断念。黒2~8まで冒頭画像場面となりました。

         必然に見えるが実は黒6が緩みで最善を逃しています(次図)

         黒10も先に黒ロがわずかに勝った。説明難しいのですが

         実戦は白イやロのカケ&白ハの手数伸ばし味など残り

         黒にとって不気味さがある。それを横目に右上白11三々。

         黒12は黒16と助けるなら黒13、白12と決めるほうが厚く

         白21切り違いに対応強く打てたでしょう。    

残念局

         黒1は他の我満受けもありましたが一子捨てて連結したのは

         正しいです。敗因手を伝えると黒13は考え過ぎ。12オサエが

         得でした。白22に黒23、白24で止めたのが敗着。黒25で黒Aと

         受けていれば微細ですが黒残っていたと思います。

         ◎優勢の碁を勝ち切るのは本当に難しい。ただこの碁は

          V氏持ち味出した良き内容。これを糧に上を目指して下さい。