ようやく笹田さんの碁を解説出来ます。本局は残した隅の手段をどのタイミングで
どう決行するかがポイントでした。先ず序盤画像を。
先ずはじっくり進めましょうと同意した出だし。左上は令和で互角として
認知。そのうちシン定石大辞典に載るかも。左下と右下双方ケイマは
剣豪対峙風。隅の守りでは右辺ヒラキもあったと思います。
左下黒16守りは黒a打ち込みを見ています。一応白17ヒラキを
打てて白満足。次に上辺を黒が占めれば普通だが白模様拡大を
未然に防ぐ黒20ボウシは良さそうな手。渋い白21受けは隅の
確定地願望。するとすかさず黒22ツケ。今のうちに受けを
伺うプロ的様子見。対応は二つ。白イかロか悩みどころ。
隅の白1は直ぐ黒2ツケが好手。白3オサエは黒4、6で
断点多く簡単に生きられ白あまくなります。なお白3で
白6は黒3とノビられ感じ悪い。白1は却下しました。
外白1オサエに再度黒2様子見はテクニシャン。白3は
仕方ないが黒Aのはみだし手段が残りました。それと別に
アタリ石を逃げる手段も(説明は後半で)良き狙い。
◆ただし今はどちらも時期尚早。黒4と引いた判断正しい。
続いて白5と割って黒B詰めが実戦進行。なお黒4では
一路中への一間トビもあったと思います。
白1は不可。黒イ生き残りでは手かけた意味がない。
私だと喜び黒2と打ちたくなる。以下は想定です。
実戦の黒の手厚い石運びを見て下さい。右下への手段を
決行し易くするため。白は上で治まり左辺も確保し不満
なかったが・・さて今がそのときの黒41ですが・・・
検討で指摘し忘れたサガリを伝えます。
黒1サガリ。あるなと思っていた手。やはり有力でした。
白2とカカエたいが黒3、5とコウは辞さずと来る。
上側にコウ立て無数なのでなるべく白はコウを避けたいが
白6ツギは黒7でもてあましそう。白が負担あるコウは嫌。
黒1サガリに白2オサエならキカシています。黒3、5で
実戦よりお得。白6に黒7と押しつけ心配無し。黒二子は
下の白へ寄りつきに際しても役立ちます。
実戦でも黒1ツギは打てましたが白2、4とされ繋がるよりない。
白6と良き所帯を持てて白満足。隅ポン抜いているので下に影響ない
点が前図と比べ嬉しい。黒は得した感じせず冴えない。
黒1アテは白2に黒3抜きでコウを期待したと思うが
白4、6と裏切る手がある。凹んだけど破られないので
白満足です。ただ黒7、白8とキカシて・・・黒9ツギが
波乱の幕開けとなりました。考慮し行けると白10を決行。
本当は白a、黒bの普通進行でも一局でしたが▲一団は完璧に
厚くはないとヨミというより推理。笹田さんは後悔。それは
黒1ハネなら白2よりなく平和でした。白4、黒5と
取りあえず大ヨセの雰囲気になったと思います。
初手からの棋譜。総譜ではなくこれから大きなコウ争いが
勃発し混沌へ。右側穴ぼこ受けていないが黒も打つ暇がなく
前図が良かったことがわかります。
◎難しい碁でした。次回笹田流会心局を。期待しています。