幽玄の間指導碁で一番きついY氏定先局。この方は最強主義の棋風で
ヨミも抜群。本局は序盤で珍しく躓いたが中盤以降黒が攻勢に立ちます。
白がそれを許した手あるのですが一杯の手で妥協しない姿勢に感服です。
あまり見ない序盤から始まりました。開始。
黒5珍しく感じました。白8で右辺ヒラキなら詰める意図か。
そこで外からカカって一間シマリどうぞと。でも受ける方では
なく黒9の三線ハサミ、白10連打。実戦例なしの戦闘開始です。
黒1と受けるのも普通で白2ヒラキとなる。ゆっくりだが
右辺には打ち込みあります。ただY氏には似合いません。
黒1コスミを予想していました。その場合は白2カーブを
選んでいたかも。黒3と連絡するなら白4シマリで一間より
少し働いた気分。互角だと思うが一息ついた感じです。
黒1ケイマで分断。白へ戦いを挑んでいます。白2這いに
黒3ではaヒキもあるが緩んだ形で隅の地も大分違う。
実戦ブツカリは石が張っていますね。白4カケはサバキ目的。
対し分断必至ですがツケコシは軟弱。豪の黒5出と進行。
『一般にケイマを出たら即切る』が石の流れです。なので
黒1切りは自然と言えるがこれを待っていました。俗な
白2アテから白4切り。技あり近く入った感じしました。
黒3でポン抜かせればシボリ避けられるが黒悪いでしょう。
◆さて黒イなら白ロ、黒aなら白b。どちらのシボリを黒は
選ぶか。実戦の前に局後検討でのY氏案をお見せします。
白1に切らず黒2とさらに出て黒4と戻すという案。
冷静ですね。白5とツグくらい。そこで静かに黒6と
打ち白へ手を渡します。黒×切りは捨てれば白良しだが
黒イ、白ロ、黒ハと連絡する手が残っています。私は
外回りで悪い気はしない。三つ前の図と比較ですね。
このようになりました。団子姿は気分悪かったと思います。
しかし黒1が凄い。普通の方なら隅を黒aかbと守るはず。
白イと打てば眼を奪えるがY氏どこまで深くヨンでいるのか。
取りにいったらどうなったか。対局時のヨミ一端を次に。
最強は白1~7です。隅の黒に二眼はありません。しかし
黒8急所一撃を喰う。対し白a受けは黒bサガリで黒イの
連絡と黒ロ生きを見合いにされシボがれます。
取りに行くなら堅ツギ受けよりない。(続く)
白1ツギを選ぶ。ここからが難しい。隅の黒手数を
一番増やすなら黒2が筋。白3に黒4、白5に黒6で
五目中手にします。一つ白石あるのと外一つ駄目空いて
いるのを相殺し黒の手数は八手。白7で伸びれば白勝ち。
しかしここでY氏なら必ず・・・
実戦の前にあり得ない図から。黒1はシチョウで無理。
白が上にツケた瞬間黒1と切って来る。この手が見えない
方はプロに先で打つ資格はない。対し白イと応じると
黒ロオサエが成立します。白ハに以下黒チ逃げでシチョウ不可。
つまり白イは白潰れで逆にY氏へ指導する資格ないです。
黒1に白2が必然。黒3連打となる。辺の白が生きれば
自動的に右上黒が取られとなり白良し。しかし白4、6に
黒7と眼を奪われて・・・白8切りにも黒9、11と来る。
難解で頭が痛くなってきましたね。もう少しお付き合いを。
白1~黒4となる。外の黒を取れれば良いが簡単ではない。
白5、7と準備して白9か。しかし黒10あり。白aコウ取りに
黒bコウ立て。もうヨミも限界で実戦は取りに行くのを断念
しました。なおここまでの変化以外にもいろいろ枝分かれが
あり双方にもっと良い手あったかもしれません。
ここからは画像で。
いろいろあったが第一感のトビなら互角の進行でした。実戦は欲張って・・・
白1ツケは中の黒のダメ詰まりを利用し外へとの意図。しかしやり過ぎです。
黒2、4が実戦的好手段。黒6ノゾキを利かされ黒8と進出遅れになっています。
実戦は意地を張り黒数子捕獲したが左上隅白が弱体。あまりの良くなったY氏に
初のあまい手、失着が出ました。黒1オサエです。部分的に攻め合い関し
先手ですが白2カケツギが右上隅黒へ先手。黒3が必要。白先手となったのです。
右下白4~黒13に好点白14を占めて白フル回転。中の白一団は攻められるが
眼形は厚いのでそれほど。良い勝負ですが時間切れ引き分けとなりました。
上辺打たず左上黒1なら黒勝勢だったです。この手は右下もあるでしょう。
◎お疲れ様でした。Y氏との一局は指導碁ですが三局分疲労します。でも
毎回伯仲した勝負は有意義で感謝です。次回もお待ちしています。