研究会・佐々木会長勝利局

 本当にお待たせしました。12日研究会での佐々木七段、会長との三子局。

 不思議な一局でした。結果は黒1目勝ちですが白は負けた気がしなかった。

 それは序盤相当地にあまい打ち方されたこと、白に利かない後手になる手が

 あったこと。白苦しい場面も特に無かった感じ。振り返り黒の良かった点を

 探したいと思います。先ず画像を。

キカシ!?から意欲的なカタ

またもや連発のカタ

整地図:黒地41目 白地40目 黒1目勝ち

白サガリ対応に黒サガリ初見手

         佐々木会長は最近白空き隅に対し自由奔放。

         星でも小目で目外しでもツケカタを好まれます。

         白に考える余裕与えずほぼ互角・少し損でも簡明なら

         良いとの考えでしょう。白3は調子与えぬ意図でもし

         オサエたら二目の頭の予定。すると黒4!これは驚き。

         世界初かも。白は圧迫手を打ちたい。ハネもあるが・・・    

普通はノビ・勢力ならマゲで競る

早治まりハネカケツギも簡明

        普通図二つ示しました。体験あります。なお早治まり図の

        良きところは白a無視し黒bヒラキ可能なこと。

黒8は疑問。黒12カタは面白い

         実戦。白1カケに黒2~白5と進み次に右辺どう進出

         するかと思いきや。黒6!三々定石で一本キカシ良しが

         あるがその応用でしょうか。白aと受けても平気だが

         白7オサエ、黒8(必然)決めて効果無しにと白7。

         すると間髪入れず黒8カタです。

         凄い感性ですね。『今日はカタの日』と決めていたかも。

カタ成功。手厚い打ち回し

       一気に実戦経過をお見せします。戦況は左下に移りました。
       先ず不思議なことは右辺~右上黒15まで奇麗な外勢や厚みが

       建築されてここは成功していること。左下白16に下の黒二個は

       捨て石策もあったが動き出しそのため隅に影響しています。

       局後伺うと黒aやbの狙いあるので▲大事にしたかったと。

       ◆その気持ちわかる。ただし白はその余裕なかなか与えません。

止めれば良きワカレでした

         数手接触し白△と連絡したとき黒1と止めていれば

         良きワカレでした。隅は取られたけど白は同じ個所で

         地を稼ぎ過ぎている嫌いあり。

         ◆実戦は黒a。白イかロに受けると見た軽率手です。

上辺気合ツケ下辺出・・・

        上辺ワリウチからカカったとき黒1ツケ!意図不明だったが

        目的は先手で切り上げたいだったようです。白4まで譲歩し

        好点白6先取。分断され黒7が省けず白8封鎖と気分良かった。

        対し隅黒10サガリなら安全。会長の黒9は白受ければ先手。

        しかし先に白10、12と虐めてきます。すると黒13・・・

        白14で危険というより「終わったか。」と感じた場面です。

白楽観気分

        黒1ツケコシよりない。白2、黒3のときに「取りにいけるけど

        生かしても良いかな。」邪心芽生えました。白4がそれで黒5

        生きに白6ヒラキで十分と。確かに白良しだけどあまかった。

        それを見透かしたか黒7が勝負手。

        ◆白4で白A最強ならどうなったか次の図で。   

下辺荒れるが黒×取るほうが正しい

        白1ツギなら黒×一団に眼形は出来ない。黒4を利かされ

        下の白地は消えます。攻め取りあっても白はこの図でした。

黒の正しい図

        先に黒1から3ならもちろん生き。白4ヒラキ与え辛いが

        下辺破れるなら黒は辛抱して良かったはず。
        ◆でもこの図選択だと黒勝利にはならなかったかも。

黒勝負手認め白一歩一歩の図

        左辺への黒▲は渾身の勝負手。一番の勝因だったと思います。

        癪だと反発し振り変わったのが実戦ですが白損しました。ここは

        大人しく白1ヒキが冷静。黒2と得されるけど白3と一歩一歩

        厚く進めて行く。白イやロが白aを見て利いているので安心。

振り変わりは黒良し

        丁度白7三々が良き感じなので振り変わり満足と見たが

        白13に黒Aと手入れされたら黒良しのワカレでした。

        すると今度は上辺に食いつく黒14。対し白は必ず・・・

白は動くべきでした

       手抜きは打ち過ぎ。当然白1と動き出すべきでした。白9まで

       想定だがこの白一団はいざとなれば白イ保険あり。黒bが省けず

       白c連絡となる。上の白どうなるかという問題はあるけど下の

       黒一団も治まっていません遠慮したのか、まだ楽観気分あったか。

終局数手前画像

      むむっ微細と画像に残しました。まぁ白1目か悪くともジゴと。

      目算もいい加減だったようです。

      ◎数局前にも会長には負かされていて今年二回目の勝利。前局より

      内容は良いと言えないかもしれない。でも自分の信じる手を打ち

      損かもしれないが白に考えをヨマせない手もありました。また後半の

      勝負手で白を撤退させた場面も光る。一番はずっと白を楽観気分に

      させたこと。ある意味会心勝利局。参りました。

      26日の研究会もよろしくお願いします。