本当にお待たせしました。12日研究会での佐々木七段、会長との三子局。
不思議な一局でした。結果は黒1目勝ちですが白は負けた気がしなかった。
それは序盤相当地にあまい打ち方されたこと、白に利かない後手になる手が
あったこと。白苦しい場面も特に無かった感じ。振り返り黒の良かった点を
探したいと思います。先ず画像を。
佐々木会長は最近白空き隅に対し自由奔放。
星でも小目で目外しでもツケやカタを好まれます。
白に考える余裕与えずほぼ互角・少し損でも簡明なら
良いとの考えでしょう。白3は調子与えぬ意図でもし
オサエたら二目の頭の予定。すると黒4!これは驚き。
世界初かも。白は圧迫手を打ちたい。ハネもあるが・・・
普通図二つ示しました。体験あります。なお早治まり図の
良きところは白a無視し黒bヒラキ可能なこと。
実戦。白1カケに黒2~白5と進み次に右辺どう進出
するかと思いきや。黒6!三々定石で一本キカシ良しが
あるがその応用でしょうか。白aと受けても平気だが
白7オサエ、黒8(必然)決めて効果無しにと白7。
すると間髪入れず黒8カタです。
凄い感性ですね。『今日はカタの日』と決めていたかも。
一気に実戦経過をお見せします。戦況は左下に移りました。
先ず不思議なことは右辺~右上黒15まで奇麗な外勢や厚みが
建築されてここは成功していること。左下白16に下の黒二個は
捨て石策もあったが動き出し。そのため隅に影響しています。
局後伺うと黒aやbの狙いあるので▲大事にしたかったと。
◆その気持ちわかる。ただし白はその余裕なかなか与えません。
数手接触し白△と連絡したとき黒1と止めていれば
良きワカレでした。隅は取られたけど白は同じ個所で
地を稼ぎ過ぎている嫌いあり。
◆実戦は黒a。白イかロに受けると見た軽率手です。
上辺ワリウチからカカったとき黒1ツケ!意図不明だったが
目的は先手で切り上げたいだったようです。白4まで譲歩し
好点白6先取。分断され黒7が省けず白8封鎖と気分良かった。
対し隅黒10サガリなら安全。会長の黒9は白受ければ先手。
しかし先に白10、12と虐めてきます。すると黒13・・・
白14で危険というより「終わったか。」と感じた場面です。
黒1ツケコシよりない。白2、黒3のときに「取りにいけるけど
生かしても良いかな。」邪心芽生えました。白4がそれで黒5
生きに白6ヒラキで十分と。確かに白良しだけどあまかった。
それを見透かしたか黒7が勝負手。
◆白4で白A最強ならどうなったか次の図で。
白1ツギなら黒×一団に眼形は出来ない。黒4を利かされ
下の白地は消えます。攻め取りあっても白はこの図でした。
先に黒1から3ならもちろん生き。白4ヒラキ与え辛いが
下辺破れるなら黒は辛抱して良かったはず。
◆でもこの図選択だと黒勝利にはならなかったかも。
左辺への黒▲は渾身の勝負手。一番の勝因だったと思います。
癪だと反発し振り変わったのが実戦ですが白損しました。ここは
大人しく白1ヒキが冷静。黒2と得されるけど白3と一歩一歩
厚く進めて行く。白イやロが白aを見て利いているので安心。
丁度白7三々が良き感じなので振り変わり満足と見たが
白13に黒Aと手入れされたら黒良しのワカレでした。
すると今度は上辺に食いつく黒14。対し白は必ず・・・
手抜きは打ち過ぎ。当然白1と動き出すべきでした。白9まで
想定だがこの白一団はいざとなれば白イ保険あり。黒bが省けず
白c連絡となる。上の白どうなるかという問題はあるけど下の
黒一団も治まっていません。遠慮したのか、まだ楽観気分あったか。
むむっ微細と画像に残しました。まぁ白1目か悪くともジゴと。
目算もいい加減だったようです。
◎数局前にも会長には負かされていて今年二回目の勝利。前局より
内容は良いと言えないかもしれない。でも自分の信じる手を打ち
損かもしれないが白に考えをヨマせない手もありました。また後半の
勝負手で白を撤退させた場面も光る。一番はずっと白を楽観気分に
させたこと。ある意味会心勝利局。参りました。
26日の研究会もよろしくお願いします。