平野六段三子局

   浦安碁会初参加の平野さん。先週の下じょ会に続いて有難うございます。

   この一局で厚いけど力はそれほどという印象が変わりました。力強さあり。

   先ず画像を。中盤の大事な場面でした。

  接触戦の要所かの分岐点【黒番

         上の中ほどで石が接触中。今、白が切ったところ。対し豪対応か柔か。

         いきなりの場面から判断するのは難しい。ここまでの経緯から流れを

         汲み取れば選択の目安になる。では序盤から解説します。

右下からツメは作戦の伏線

        左上白3は私の新趣向。早い時期は珍しいです。対し

        黒2、4は柔対応で聡明。白ワリウチには黒aツメが

        人気高いが黒10ツメは作戦の伏線でした。なお黒10では

        ワリウチ相手せず上辺黒bハサミもある。

手厚さからのオシツケ&切り

         黒12、14は勢力と手厚さ目的だが白15で先手取って

         白17守り。少々黒あまく感じました。すると黒18!

           これが狙いの継続手段だったのです。ノビは鉄壁厚みに

           なるので白19ハネ出しですが黒20切りが厳しい。

         ◆ここから黒が主導権を握る展開になりました。

冷静対応で攻め態勢

        白11動き出しに黒12ツギではノビが最強だが先手取り

        黒14を占めてわかりやすい。白15に黒16も沈着です。

        右上・右下黒は強いが白は浮き石・弱石なので黒好調。

石が張った攻め連発

        ここの数手意外でした。こんなにガンガン攻める棋風とは

        思わなかったので。でも白は防戦になるので有力です。

        黒1・3・5・7全て石が張っています。

流れの継承はノビ切り

        眼に焼き付けて欲しい場面。今まで石が張った攻め続けて

        いたので白を連絡させない手から考えたい。実戦黒1ノビ、

        白2は良し。ここで黒3とノビ切りたかった。白4、黒5、

        白6タケフまでは必然となる。右上黒一団の眼形具合ですが

        黒7、9が先手。白14と生きた時に黒15と三子連絡します。

        上辺×も白の頭痛い材料。中央も黒a薄みあります。

        念のために右上補足。白イなら黒ロと受けて眼形豊富。

実戦:攻め休憩で主導権は白へ

        黒3がぬるかった。白4ハネを喰う。黒5と種石取れたが

        白石が外回りに。そして黒9が失着。白イで効果薄いです。

        部分的には黒aツケが最善。でももっと大事な箇所あり。

        白10と打たれた点、黒10急場でした。黒模様化に

        役立ちます。右上黒厚いのでその付近はまだ不急です。

大人しく生きると思ったら・・・

        白がガンガン攻めて黒は防戦大わらわ。左辺方面の黒地は

        萎み、下辺は破れています。これは楽だな決めようと左上へ

        仕掛けました。黒6に白7をキカシてと・・・しかし白7は

        早めに打つべきでした。▲一団は×と打たれると一眼しか

        無い。なので黒イ手入れ白ロが私の予想・予定でしたが・・・

予期せぬ黒の猛反撃

        このタイミングで黒1分断は意表突かれました。白2、4に

        許さんの黒5切り。白困っています。白6は已むを得ない。

        普通黒7が惜しい。大チャンス逃しました。白8に回り安堵。

        黒×と切るのは白イ、黒ロ、白ハでウッテ返しの筋です。

断点攻め兼ねた好守・コスミ

        黒1コスミ最善でした。白イと逃げると黒ロ

         切りが成立します。白は対応に苦慮していたでしょう。

カケヨミ裏付け

        白2なら黒3カケで五子捕獲を目指す。白4逃げには

        黒5トビツケが攻め合い配慮し味良さそう。黒7まで。

        お疲れ様でした。後半も見応えある場面ありましたが

        解説はここまで。戦いの流れで方針変える方が良いこと

        ありますがなるべくは意志継続貫く参考に。

        三子初勝利・会心局はいつかな。期待しています。