加藤六段三子局

 

  左上黒が堅ツギした場面。白上辺ワリウチと進行

     白はどこにも不安な石ないが右下から伸びている黒一団は弱石負担あり。

     立ち上がりが大事でした。では初手から解説します。

初見。カドからケイマ

        白5ハサミに単に黒8は見かけるが黒6カドは初。

        白7と代わり窮屈な感じ。ただし悪いとは断定したくない。

        次に白三々受けもあったと思いますが仕掛けてみました。

黒の分岐点

        白1ツケです。実戦黒2ハネには白3ハネ返しが形。

        一応白注文の進行でした。黒次の選択はイかロか。

芳しくないかも

        私なら黒1と切ると思います。白2、4で×は腐るけど

        黒5に回り白二子の攻めを伺う。隅には黒a狙いあり。

        ただ白6ボウシがうっとおしい。芳しくないかもしれない。

手拍子のハネ

       黒1ヒキは右の白を攻める意図だが白6まで下は白大満足。

         その代償を黒9攻めに求めます。いったん根拠と白10。

       黒11は攻めで食らいつく方針ですが・・・別法あり

       白22は黒の攻めをみたが問題だったか。つられたのか黒23が

       かなりの失着でした。ここはいったん黒AやBの転身が良し。

       ◆この場面双方右下での根拠に拘っています。

聡明手

        白三々には黒1構えが聡明手でした。白2は小さい。

        黒3、白4で後手になり黒5と封鎖されます。隅には

        黒aが楽しみ。黒1は是非眼に焼きつけて欲しい。

白△咎めるならば

       白△もこの段階では悪手。直接咎めるなら黒1、3がベスト。

       この手は右上の守りも兼ねていますね。

弱石配慮し厚く打つ

        黒1は様子見。受けに悩んだが白2は▲一団への攻め表明。

        後に黒イ、白ロ、黒ハ分断が黒の狙い残りました。続いて

        黒5、7そして黒9カケ。推察すると▲一団への応援でしょう。

        ただかなり白に地を与え怖い打ち方。後半頑張れるか次第です。

じっくり補強する構想

        不安ある右下一団に一手かける黒1を伝えたい。

        この手は厚く当分攻めは喰いません。後に黒Aも含みます。

        左下▲ですが下辺黒×利用の黒イ、白ロ利きもあるので白に

        打たれても平気です。遅れ気にせずじっくり補強。参考に。

ワリウチ攻めなら有望

        上辺ワリウチに実戦は左辺へ黒×。普通に黒1ツメが良かった。

        白2なら黒3と攻め立てる。白4進出なら黒5と食いつきます。

        この進行なら左黒厚みが働き有望だったでしょう。左辺白地への

        打診はその後です。思うに地を与え過ぎて気になったと察します。

終盤・混沌場面

  ◎お疲れ様でした。中盤から後半に力を揮する加藤さんですが本局は残念。

  私も反省点ありました。次局は内容良き熱戦局をよろしくお願いします。