研究会指導碁・小林三段六子局序盤

   教室の次の日の研究会にも参加有難うございます。研究会指導碁は

   真剣度かなり高く時間的にも余裕あり局後の手直しで良い打ち方を         

   じっくり伝えることが出来ます。先ず嬉しい気持ちになった場面を。   

新鮮!ダイレクト三々守り

ケイマ3つコスミ×3つ

        六子局で黒6まで初めての体験。特に黒両翼ヒラキを

        活かす黒6三々はとても有力な作戦だと思います。

        黒2・8・10はケイマ。黒6・12・14はコスミとユニーク。

        白13スベリに黒14と受けて順調な立ち上がり。

『序盤二線這いには三線ノビで十分』

        序盤で二線這われた時は三線ノビで十分。黒1です。さらに

        白2這いなら喜んで黒3とノビます。白4と戻るくらいですが

        黒5と実利大の三線這いに回ります。白と比べかなり気分良し。

地にあまいが厚い進行アテには?

        黒1はが白2と反発される。黒3~9応じて厚い進行で

        すが地にあまい進行。黒3で気合は黒6遮断だが白10に

        対応が難しくなります。さて白10アテに黒番次の一手

        黒イのツギ、ロの受けハのカケツギ、最適なのは?

普通のツギが最適

         ここは悩まず、工夫せず黒1ツギが良かった。白2、

         4とはみ出されても平気。理由は黒5ポン抜きで得し

         左上黒7這い補強が良き調子だから。黒1の良き所は

         左下の白イハネ出しには黒ロで止まること。黒ロでは

         黒×切りも可能。この碁の大きなポイントでした。

左上は得だが左下気持ち悪い

        黒1は考えた手。左上に関しては白イに黒ロ切りが

        打てるのが利点。ただ白4ハネがきつい手。×断点を

        見られ気持ち悪い。この碁は左下の黒模様が大事です。  

右辺・白ハネにハネ対応は大事

        最後に辛い姿になった右辺へアドバイス。白ハネに

        手抜きしたのが実戦ですが黒1、3対応が大事でした。

        白4を待って黒5オサエで安定し地も多く盤石。

        ◎小林さんは攻めの棋風でこれからが楽しみ。前日教室と

        研究会連続参加は上達の栄養になる。よろしくお願いします。

       

       

     浦安碁会・浅井六段三子局

        浅井六段は三子になって序盤が相当うまくなっています。

        元々戦闘力ある方なのでこれからが楽しみ。では始めます。

得意なツケ二段・有力手法か。

        前の指導碁でも黒8、10と打たれました。右上白3・5の

        配置だとかなり有力かもしれない。ツケ二段検証します。

アテツギの場合

        実戦では選ばなかったが白1、3アテツギどうなるか。 

        黒4連絡なら白5とノビる。黒6と補強すれば白7カカリ。

        ◆これは黒の姿低位。しかも白先手なので白良し。

黒反発の振り変わり・優劣は?

        白1、3には黒4を予想。白5となる。続いて黒イの

        ポン抜きで黒良しと思ったが白ロツメ打てれば白も相当。

        黒イではロなど工夫するかな。ただ×裂いた白の姿は立派。

        まだ隅はオサエ味あり確定地ではないけど白打てそうです。

        この配置だとこのワカレ互角と認定します。

這いで先手治まり

        白5まで三つ前の図と同じですが黒6とさらに這って

        先手取る機敏策あり。白7ノビを待って黒8と左下に回る。               

        白9、11キカシは黒12と受けて苦にしない。この図は

        白×オサエが先手かどうか微妙。手を抜くと白一線ハネで

        死活的にはコウになります。白×にコウを避けるならば・・・

白オサエには黒切り一本

        白1オサエに手を入れるなら黒2切りは当たり前ですが白3に

        黒4と手抜き可能。白a抜きなら黒bと応じ右辺白地減るので

        不満なし。白1や白3は後の話。暫くは急ぎません。

力強い打ち回し

       数手進行した場面。黒順調です。黒1、3は先手ですが

       癪に感じ左上白4と手抜き。すると黒5~白16の定石終え

       黒17の痛打!先生がツガないから切りは小さい。』

       信用する方も多いが見事咎められました。ただ黒17では

コウを怖がらないなら外切りが最強

      黒1(2の下)外切りが最強対し白3と応じればシチョウで

      断然黒良し。私は白2アテを予定、黒3に石音立てて白4と

      抜いたでしょう。次の黒5に注目。アテたら100点です。

      コウを避け黒5で黒イ抜きだと白ロと連絡され65点。黒5が命。

厚く打ち進め優勢堅持

       内側切りから黒1シチョウ。対し白2線連絡なら抜き先手で

       十分との判断で明るい。白2進出はシチョウアタリの意図も

       あったが頑張りの黒3カケ!石が張っています。以下実戦の

       進行を見て本当に強くなったと感じました。最後に画像を。

         

混沌局面(黒番)中の具合が勝負

  ◎いろいろありかなり難しい局面になっています。でもがこれからが勝負ですね。

  浦安碁会での浅井さんの立ち位置は丁度真ん中。上達に栄養・効果ありの場所。

  これからも若々しい碁で楽しみながら上達目指し頑張って下さい。

  研究会指導碁・佐々木七段三子局

   佐々木七段三子局。会長の出だしは型にはまらないこと多い。先ず画像を。 

双方の眼形の厚さに注目

白良しの進行とは言えない

        白20まで早き進行でしたがここで白の手が止まりました。

        後続手が見えない。右辺ツギぐらいでは中タケフで黒良し。

        私の感覚では白5に黒6と後からツケて戦うのは相当地を

        損するイメージ。でも右辺白稼ぎが白3へ悪影響するのでは

        得策とは言えない。今思うと・・・

力関係意識したら低い受け

       実戦は右下ケイマ。今までそう打っていたが白1渋い一間が

       代案です。黒イ・ロ・ハと白△2つの力関係を配慮したもの。

       黒aなら白bでのんびり競り合いを目指す。今度試してみたい。

上カケツギも有力

       実戦白1、3ワリツギに黒4上カケツギもありました。流れは

       白5切りで白11まで実利確保だが黒12ノビ切りに回られます。

       三子局出だしで振り変わりのワカレ、私は面白くない。

黒厚き良き進行

        白1二段バネを採用しました。対し黒2、4二子確保が

        聡明です。白5カミに黒6、8も的確。白9、11とサバキ  

        求める進行になったが・・・黒断然良しの進行。

       ◆私は白やれると踏んだけど超鈍い。先ず白良くない理由を。

       ①白二子取られて黒安心させ右の断点・弱点が残っている。

       ②白カミ取りは右下隅の白地損している。少なくとも二つあり。

予想展開・実戦と比べ黒少しあまいか

        白切り違いに黒1下アテを予想していました。白2に黒3

        ヒキは一つの型。白6までとなります。続いて右の×断点を

        分断するのもあるが黒7と澄ましたヒラキ面白そう。理由は

        白が×を補強すれば黒A眼形確保あり黒一団が強いから。

        ◆ただこの図白Bと打つとイとロが見合いで白も完璧生き。

        実戦進行の方が白に対しては厳しい。ご覧下さい。

黒厳しい追及手vs白最強手

        実戦は単に黒1ヒキ。白2カカエで「楽したな。」が第一感。

        しかし黒3、5と眼形追求、×を欠け目にして厳しいですね。

        続く白6は微妙。黒7と迫る手がきつい。白6は7の左か。

        実戦は眼形厚い黒一団を攻めようと調子に乗っています。

        ◆白8ツケが相当良い手に見えたので。しかし危険な手。

ハネ出し反撃あった

       白△ツケたとき私は都合良きヨミをしていました。黒1

       ハネ出し反撃には白2が豪手で黒困るだろうと。しかし

       ×と切らずに黒3ノビが強い対応。白aと切るよりないが

想定例:白怖い進行

        白4と切るよりないが白6に手が戻る。そこで黒7ツケ!

        きつい一手です。白8ハネは黒9ハネ返しされます。下の

        白×一団はもちそうもない。白8は別の手を打つがこの図は

        白苦しかった。実戦進行は画像で。

二子動き出しはやり過ぎ・ようやく白にポイント

     

その後の展開・勝負はこれから

白が圧す展開になったけど三子局なのでこれからが勝負です。なお右下黒一団は

完璧二眼でなく下に白一線ツケて眼を奪う手段が残っています。ただし現在は中に

黒の『隠れ一眼作る余地』あるので大丈夫。

◎お疲れさまでした。ようやく情勢治まって春到来。待ちわびた会の猛者たちが

研究会に参加して来るでしょう。互先や先で打つ手合いの相手に飢えていると

思うのでどうぞ存分力発揮されて下さい。

  幽玄の間N氏・頑張った好局(定先)

         13日9時10分開始の一面定先局。他のプロとの指導碁も時々

        観戦する機会あるがほぼ勝利局や善戦が多くなっている印象。

        なので気を引き締め臨みました。先ず終局画像から。      

左辺黒と下辺白の振り変わりとなり結果は白7目勝ち

戦闘開始・立派な立ち上がり

        左上黒15~19の仕掛けは良きタイミング。白も右上で

        切り結び戦線拡大。双方二つずつの競り合い。右下の

        大ゲイマジマリが働きそうな展開で黒先ず先ずです。

ノゾキ一本のタイミング

       ここで黒1と一つノゾキたい。今なら白2ツギ。そこで実戦の

       黒3、5の手順が良さそうです。黒11まで同じように進むと

       右辺で白は治まりにくく白イは黒ロ。攻めで食いつけました。

実戦は左辺追及せず下辺白獲得への道を選択

ワリコミ検証します

        黒1ワリコミだとどうなったか検証します。

下アテ対応は左下白取れそう

        白2下アテは黒3、5の分断が成立。白6切りには黒7

        から黒11がわかりやすく左下白捕獲出来ます。

左下救出は断点生じ白大変

      白2と拒否するのは黒3、白4に黒5切りが生じます。

      ×断点二つとも防ぐ方法はなく白困っているでしょう。

      ◎実戦の振り変わりはヨセ勝負でしたが少し白良さそう。

      もし左辺ワリコミされたら私は長考し打開策を模索して

      いたでしょう。発見かはわかりません。黒チャンスでした。

       ◆Nさん、さらなる好勝負目指して頑張って下さい。

 

 

    浦安碁会風景と予告

   昨日12日の浦安碁会は御一人お休みで5名参加。有難うございました。

   飲み会も遅くまでお疲れ様でした。囲碁談義とても楽しかったです。

   今回も見応えある内容局多数。じっくり作成し掲載しますので暫く

   お待ち下さい。研究会やネット指導碁織り交ぜながらを予定しています。

   ♪画像で一場面を予告として軽コメントを加えお見せしましょう。 

開始時の風景・春うららの囲碁日和でした

 

手前は伊東vs笹田互先対局。黒の伊東さんは徹底実利、笹田さんは白大模様で対抗。

結果は1目半という熱戦。どちらが勝利かはトップシークレット。

奥は一回目の三面打ち。浅井さん宮島さん、山崎さん。宮島さんは帽子被られて

いますが頭にお怪我されたため。碁の内容は元気さと根性を魅せてくれました。

 

山崎五段中盤  

  白模様を凝視されていました。選んだのは消しか打ち込みか・・

浅井六段序盤

  右下一子抜きの様子見なかなかでした。白最善&最強対応は・・・

笹田氏序盤

  笹田さん左上で早くも分断し剛腕発揮。右下とは対照的ですね。

伊東氏中盤

 今、伊東さんが、右上トビを打たれたところ。隅の白へ先手か後手か。果たして

宮島氏中盤

 中央を宮島さんがノゾいた場面。白ツギに一団を攻める気迫手が飛び出しました。

        栗林五段四子局。天元あった五子との違いが今は大きい

        感じだが経験重ね攻防の呼吸というか戦いの要点を逃さなく

       なれば手が伸びて会心局誕生となるでしょう。では開始。

立ち上がり・左上は・・・

       いつもの立ち上がりでしたが左上ツケ二段に黒20は・・・

ツケ二段基本定石(三目にして捨てる)

        ツケ二段定石はいろいろあるがこれは基本で必修。

        黒3と増やすのがポイントで黒イ、ロが利くのが

        嬉しい。続いて黒7詰めが大場。次に黒AやBを見る。

人気の実利獲得定石

        右下白裾ガカリに対し手抜きの実戦はユニーク。対応は

        いろいろあるが黒1ツケが実利目的で一番人気。紹介します。

        白16まで覚えたら安心。黒が先手取れるのが利点で左下黒17、

        黒19と模様接点を占めて十分。なお白イ、黒ロは気にせずに。   

右下ツケへの対応

   右下を黒からが打たないので白からツケたところ。対応は自然だと良かった。
 

ハネからノビが形

     黒1ハネからノビが良き対応でした。黒7までが相場となります。

     白8と好点に回られたら黒9を占めましょう。右下実利大きい。

嫌な展開

        実戦は対応誤りました。失敗を意識されたのか積極性出して

       左から深く踏み込み。白が分断したとき捨てれば簡明だったが

       頑張ったので弱石を抱える旅へ・・・

攻めつつ削減がお勧め

        黒aまで進まず黒1が良い見当でした。白△を攻めつつ

        白模様を削減します。次に黒aカタを含んでいますね。

         右下×の損はそれほど気にせずです。

        ◎お疲れ様でした。追加で右下の裾ガカリへの別対応も

         載せますので参考に。

   隅で生かす対応(定石)×が黒の狙い。aは少し気になる点

 

  久保六段初の三子局(11日研究会)

    11日の研究会で久保さんのお嬢さんと初の三子指導碁実現しました。

    センター修了10分前まで佐々木会長も交え検討です。先ず画像を。  

黒番:次に落ちついた手を打たれました

黒に選択肢多き出だし

        白1小目に黒2大ゲイマガカリは簡明目的。対し白3カカリ返し。

       ここで黒の打つ手ですが右下では黒A~D、安定なら△やイ・ロか。

       ハ~へのハサミも積極的ですね。受けは黒aツケ、bのコスミツケ、

       c~Fとたくさん。候補あり過ぎて迷いますね。光さんはaを選択。  

中意識した手厚い進行

        黒4、6は手厚い対応。ツケノビは令和で人気急上昇です。

        以下白11まで定石。次に黒aツケなら普通ですが黒12の

        中ケイマ。これは10年くらい前にプロ対局で新手法と話題に     

        なった手。黒16まで中を意識した自然な流れです。

        ◆白17ワリウチに黒イかロだと常識的。黒イなら普通か。 

カタから厚く・個性発揮場面

       「おっ。」黒1カタ!白2這いに地を気にせず黒5まで自然。

        白7ヒラキまで少々地にあまいけど厚い。後の活用次第です。

        黒9はハザマ生じているので黒Aのほうが良い。隅白△への

        圧力でも大分違います。  

実戦:柔対応

       反対オサエもあるが黒2オサエを選択。黒5まで右重視で

       白一子への攻めを主張。動くと主導権黒が握るでしょう。

       そこで白6ハザマを決行。豪か柔どちら選ぶか伺っています。

       黒7は柔。白8は許しても黒9と取り込み打てるとの判断。

       黒▲へ白14と迫った時に黒15ツケはこの一手。サバキですね。

       ◆光さんの棋風・長所・エンジンがかかってきた感じですね。

       ちなみに豪手段は出切りでした。戦いになるが黒打てます。

最大のポイント場面

      白1~11まで(7はa)分断したが白11まで隅先手で生きて

      黒12と模様拡大の好点へ。白13は黒数子をどうしますかとの

      問いかけ。黒はこの点に打つのも冷静でした。さてここです。

      黒番で次の一手をどこに打ちますか。     

局後に示した一手

        黒1を局後に伝えました。正直第一感だったので最善か、

        次善か確信はない。他にも良い手あるかも。言えるのは

        右下▲得したので黒×は逃げず捨てて黒模様を膨らませたい

        との気持ちです。白×を取りに来たら瞬間黒aも面白そう。

        前に打った●の活用で◆形ラインの位置にもありますね。  

実戦:逃げた黒石が負担に

白が決めない点を先に占める策

       ▲攻めを白は保留し左上消しに向かったときそこは相手せず

       黒1補強との発想あり。白2と入られるが黒3と圧をかける。

       黒a一子寂しく見えるが黒イ、白ロが利き筋なので心配無し。

  大事なポイント場面 黒番の次の一手は?

        白15に対する黒対応が後半のかなりのポイントとなりました。

        黒番でどう打ちますか。

        ◆ここまでの印象。黒A分断、黒B連絡、黒C最大実利と

        久保六段は要点しっかりおさえて頑張っていると思います。 

手順の切り一本

       『ツグ前に黒1切り一本』が大事な手順でした。白4が

        省けないので黒5カミ取りに回れます。今は×二子より

        上の白△への寄りつきの方が大きい。手順前後すると  

細かなそうな形勢

        実戦は黒1、 白2。後で黒3は白4、6と対応されます。

        以下白12となりヨセ勝負。なお白4で5とツグのは黒4

        ノビで白三子取られることお確かめ下さい。

        ◎結果は白中押し勝ちとなりました。でもデビュー三子局

        ですから。帰りの電車で話したが前の指導碁は五子で四子

        は無し。高校囲碁部での試合も文碁両道で楽しく頑張って

        上達していきますように。またの研究会参加待っています。