市ヶ谷指導碁・O氏七子局

 初の方でした。最近初段取得されたそうです。ポイントを絞り解説します。

立ち上がり・継続の良い手は(右辺)

  右辺白がボウシし黒コスミ、白トビとなったところ。コスミの石から継続して

  進出出来れば満点ですが・・・

左下隅の整え方は?

       左下隅を白に迫られたところ。コスミツケ受けは良い手でしたが

       その後、白策手を喰って三子分断されたのは辛かった。

天元と連絡し先ず先ず

        黒16、18は白17、19となり右上隅へ影響しています。

        白15と止めた手を信用せず切りたかった。(次図)

本道は切る手

        黒1と切る一手。白の出方を見て黒イかロを選びます。

捨て石利用し脱出分断

        白2と一子逃げたら黒3アテ利用し黒5とツイで脱出します。

        黒1はゲタで取られても良い。右下▲弱っていますから。

避けたかったアテコミの筋

        O氏打たれた黒1コスミツケは形。良い守りです。続いて

        白2コスミが策手。左を補強すべきです。黒3はうっかり。

        白4アテコミで×二ヵ所切りが生じてしまった。正しい手は

ガリが良き補強

        黒1サガリが良き補強です。白2なら黒3と左右白を分断し

        好調でした。

ブツカリに手抜き不可。対応大事

        左下は三子取られ損したが部分的なので気にしなくて良いです。

        ここで中央へ白1とブツカリ。意図は黒がきちんと受けるか

        見たかったのですが黒2はそっぽ白3ワリコミが痛烈。

        右の黒が分断され左側へ遁走する展開に。それが下辺黒を

        攻められる要因となったのです。黒2で正しい応手は・・・

タケフツギが基本対応手

       白ワリコミ分断避ける黒1が正解タケフツギ厚い。

       仮に白2など来たら実戦の黒3トビで心配無し。黒3は右下

       を封鎖する手にもなっています。

優し気な手には要注意

        中央白×となり厚くなったので下辺黒へ狙いの白1打ち込み。

        黒2受けは形で正しい。白3に黒4切りも当然でどちらかの

        白一子取れそう。続いて白5ノビ。この手は黒に連絡を与え

        一見優し気な手に見える。しかしさにあらず。黒6受け残念。

        白7、9と逃げられ中の黒苦しくなりました。黒6では・・・

冷静なガリ受け左右配慮

        黒1サガリ受けが冷静でした。右は白イなら黒ロで平気。

        左の白aを捕獲する手にもなっています。

        お疲れ様でした。40年以上前に始め長らく中断し再開され

        教室で頑張って見事初段。免状も取得と伺いました。

        さらなる上達目指して頑張って下さい。

 

        

 

      伊東氏二子局  

     本局は立ち上がりで白失着を咎め、打ち易くなり中盤も盤石の厚さ築いて

     形勢悪い白は弱石二つを守ってはじり貧とみてさらなる勝負手を放つ。

      「多分利く」『先手でキカシ』【絶対先手】など打ちたいがコウ立てを

     無くし損の場合あるのでタイミング良き時機が最高。 では始めます。

星への大斜ガケ

       一般に目外しの大斜ガケと違い星への大斜ガケは打たれません。

       良くない理由あると思うが不明なので試してみました。左上の

       大高目が役立つ可能性もあればとの気持ち。伊東さんは堂々と・・・

白ハネ問題手

        黒6ツケ分断。対し白7も真向手。以下黒16まで自然。

        根拠の隅は白が打てるが白17ハネはやり過ぎの一手。

ガリが正着(実戦図と比較を)

        白1サガリが正しい。以下白7まで想定ですが両側の黒が

        さほど強くない。実戦のように他へは打たないはず。

丈夫効果抜群の捨て石白を咎め

        黒1切りが好手。白2、4で取られるけど捨て石。続く

        黒5(2の左)切りが捨て石第二弾。黒7、9と利かす。

        黒11は先手オサエ。黒17まで白地与えたけど大きくない。

        続いて中の白三子攻めれば普通だが左上白二間ジマリも

        大きいので黒19カカリは頷けます。白20は気合。対し

        左上黒22は互先的反発。一応白23は黒を攻める気分。

        ◆ただ両隅▲存在が大きく力関係は黒です。

左上は急がずとも良かった

        左上は急がず黒1、3の方が主導権は延々と黒でした。

▲オキに黒の聡明な対応・・・

        進行した場面。どうも白が良くない展開になっています。

        ▲オキは仕方ないが聡明な伊東さんは・・・

これは紛れそう

           種石なので黒1とツギたくなるが白2と逃げられます。

        隅は取りあえず黒3か。しかし白4と補強されると中の

        黒5は省きにくい。そこで白6と治まることになります。

        問題は右上隅。黒aなら安全だが手がかかり遅れる。

        中の黒一団は強いとは言えずあまり黒ぱっとしません。

    実戦:捨て石で厚くなり黒十分(右上白地小)

        黒1マガリが正解。白2と切ったが黒3ピンハネ白4と

        取ったけど全然美味しくない。黒5アテは不要で他へ打てば

        圧倒的でした。左上白6消しに回り悪いながらも後半へ望み

        持てましたが放置できず一人弱石は淋しい。一方黒側

        弱石なく厚い展開でニンマリですね。白2では・・・  

どうなろうと白1でした

        不思議。白1考えなかった。黒に良き手段あるとは思うが

        実戦よりも白確定地多かった可能性大。今度伊東さんに

        どう対応する予定だったか伺ってみたいです。  

黒1カケ検証

       カケ狙っていたと伺ったので成立するか有力か検証します。

       私のヨンでいた図。白10ツケコシで逆襲し何とかなるでした。

       しかし黒11白26までほぼ必然の進行で攻め合いになりますが

       黒の手数は×の四手、白の手数は×の四手、次は黒番なので

       黒の一手勝ちです。でも際どいですね。途中にお化けが出ると

       攻め合いが逆転する可能性ある。黒1カケは打たなくて正解かも。    

一瞬の出来事

        大詰め終盤。左下隅へ入ったので回りの白はさらに薄く

        なっています。中央黒1で眼形を奪い白2は繋がった

        顔しているが黒3。次に上のツケ分断が厳しい。もう

        守っていては勝機の見込みないと見て形の狙い白4を

        敢行しました。すると隅へ黒5ツケ。もしやと思いつつ

        白6受け、すると黒7、9です。これは先手の利かしが

        目的ですが・・・利かない。白10で形勢急転、逆転かも。      

普通ツギなら勝利確定でした

       もったいない。キカシせず平凡な黒1ツギで何事も無かった。

       白2、4ならどうぞお繋がり下さい。」で良いでしょう。

       左下隅の白には黒9~15という花見コウ手段が残っています。

       なお下から中へノビた黒一団ですが見ての通り眼形豊富。

       ◎本当に残念局。序盤からずっと圧していて危ない所なく

       最後の場面は油断でのミスですが一手の重さ。碁は怖い。

       来月も早々に日程決めて頂き有難うございました。

       風薫る季節、5月12日(よろしくお願いします。

    浦安碁会・冨士原氏三子局

  14日の浦安碁会は山崎さんお休みの振り変わりに冨士原さん参加感謝です。

  下じょ会でも受けて頂いてますが三子で好勝負増えています。元々しっかり

  した碁を打たれますが戦いが強くなっている印象。取りあえず画像を。

中盤突入場面〖黒番】

    白に利かされた感じの立ち上がりでした。しかし調子に乗った白は上辺オシ。

    その瞬間冨士原さん考慮が伝わる。ここから黒が反撃開始。

立ち上がり・右上白カケへの対応は?

                           左上黒三々は簡明で良し。一手かける余裕ないと白15に

        カカったとき黒16ハサミ。左上定石が低位なので気持ち

        わかります。両ガカリ妙味無い感じしたので白17カケを

        選択。この手は地にあまいけど結構愛用しています。

        なおハサミでは両ガカリ誘う黒Aも有力でした。

  ケイマ受けが普通・次の継続手はガリ

        受けいろいろあるが一番の基本は黒1ケイマ。外を厚く

        したくないとの意図。続いて白2などハサミ打たれたら

        黒3サガリが味ある好手▲の間接的応援で黒イやロを

        白がどう防ぐか伺うのです。白の手を見て▲を動くか

        捨てる作戦を検討する。なお黒2では白が手抜きして

        いる左上を黒aと動き戦うのも良いでしょう。

右上辛い姿

        黒1、3出切り自体は力強く悪くない。問題は黒7。

        白8カケを喰らうと勢力負けになる。右上はキカされ

        右側に理想的白勢力・白模様誕生しています。

        左側の折衝で白22の瞬間、黒23!才あり。黒25と

        連絡出来て部分的に黒が得したワカレだと思います。

        白26が悪手。黒aとお辞儀させ白×とツグ希望ですが

        冨士原さんを甘く見ています。白×が本手。反省です。

お勧めは厚いカカエ

        他にも頑張る手あるけどシンプルな黒1カカエがお勧め。

        白aツケにも強く打てます。白2か。なお右下へカカリは

        黒1が睨んでいて打ちにくいです

        左上黒3オシも雄大作戦で面白そう。

有益な場面

         と迫られた場面。黒番次の一手は?

実戦:黒1は攻められる一因

        先手ですが▲を繋がる黒1は賛成しません、理由は白2と

        代わり重くなっているから。二眼出来ない石を抱える旅は

        右下や下辺・左下に良き黒地作る暇なき進行へ黒1では

卓見!どうぞ召し上がれ案

自然な捨て石で右辺雪崩れ込み

        分断するならどうぞの黒1に白2は意地。黒3に白4で

        黒▲は助かりませんが黒5で「どうぞ。」です。以下

        黒9まで示しますが中を捨てたことで右側白地へ自然に

        入ることが出来ました。白大ゲイマも弱く見えますね。

        上の白地25目程の増えで意外に小さい。捨てることで

        ◆下一帯を気兼ねせず黒地増やせるのも捨て石効果です。

三羽烏への嫌らしいオキ

     後半。微細だがまだ黒が地合い良し。そこで左下隅へ勝負手の三々。

     少々損な受けをされたのが実戦。いくつか候補あるがこの場面では・・・

この配置ではガリ最善

       黒1サガリ良い受けでした。白2の予定だったが隅は

       受けず黒3と切る(反対切りを見た好手)白地大幅減。

       白6~10で一応はコウになるけど黒11で生きてもらう。

       白後手生きよりなく黒5からさらに白地を減らします

       ◆三羽烏は三々への受けが悩ましく難しいですね。

       ◎結果は白6目勝ち。お疲れ様でした。下じょ会でも

        お世話になり感謝です。よろしくお願いします。

      今井七段三子局

白13は定石の変化(黒の対応大事

        ツケ二段は形決まり過ぎる嫌いあるので一昔の白9。

        今は三々受けずが主流。黒10ハサミ返しは積極的です。

        白11に黒12は封鎖目的で白が二線に受ければ定石に。

        変化手白13を採用。プロ実戦例も多いがアマは詳しく

        ない方が多い。今回私の知識をしっかり伝えましょう。

お勧めはアテオシ封鎖

         黒1外アテが最も簡明。白2ツギに黒3とオシます。

         外へ出にくいので白4切りだが黒5ノビ切りまで。

         ▲捨てて目的達成。なお白イは黒ロで厚くなり嬉しい。

二線ハネがポイントの定石

        黒1、3切り取りもある。白4、6お返しには黒7の

        キカシから黒9二線ハネがポイント。白10と受けたら

        黒11カケが形。これで一応は一段落。互先定石です。

前図変化(外勢勇壮)

        白3と切る前に白1はタイトル戦にも出た変化。黒2が

        正しく白3に黒4と一子捨てて外勢築きます。黒10で

        一段落ですが外勢が立派で私は黒持ち。

振り変わり定石

        黒1と切って黒3とツグのもある白4に黒5オサエが

        大事。白6が形で黒7なら振り変わりへと進みます。

        以下想定の一つですがこの局面だと白に不満無さそう。

        ◆黒7では隅の一子取って先手取る方が賢いかも。

実戦

        右下は7:3くらい白良し。今井さんも悔やんでいましたが

        評価したいのはこの失敗を引きずらなかったこと。逆に白は

        右下の厚み活用したかったが・・・その場面来なかったです。

        気を良くし上辺黒を攻めて行きましたが予想しない展開に。

右下の損を挽回

        進行した場面。いつの間にか右側白を攻められる展開に。

        死ぬわけでないけど黒1、3がリズム良く、白4に黒5も

        厳しくはっきり黒ペース。その原因は上辺折衝です。白は

        黒の眼形奪取に拘り黒×を取らされたのが作戦負け。

        今井さん流石ですが時間巻き戻し検証します。

黒サバキ成功白は拘って失敗

        白ボウシに黒1は形で白2と一本は這いたい。ここで

        黒3にびっくり!白4の点は普通大急所。黒5、白6

        一瞬でゼロ眼に。すると助けず黒7遁走。ここで注目。

        白8と一子取ったのが小さい。黒9が素晴しき好点です。

        続く白10カケはやり過ぎ。情勢変化しているので黒11、13

        出切りは当然で流れは黒へ。白8は単に白10カケか白12の

        トビが良い。実戦白8よりずっと勝りました。

私の予想した図(楽しみあり

        私の予想した図。黒3は絶対と考えてそこで白イ眼取りを

        含みに白4カケ決行と。実戦は策戦を察知され回避されました。

黒番:左辺白一団を仕留める最善手は?

  白苦しいので最後に左の黒模様へ殴り込む勝負手を放つ。今井さん当然許さず

  取りかけに。今、白が左辺(6の十)にツケた所何とかコウにならないかと

  必死の心境でした。ここで時間に余裕あれば今井さん仕留めていたでしょう。

  ちなみに黒の正解は一路下の出。無条件で白取られだったようです。

  閉店10分切って観戦者も回りに増えたこともあり落ち着いて熟考出来なかったと

  察します。結果白はシノギとなり地合いは黒が大差でないヨセ勝負へ・・・

  ◎引き分けにしたが内容は白の負け碁でした。前半の定石ミスだけが失敗で

  後半まで黒が圧していたと思います。お疲れ様でした。

 
     

 

      加藤六段三子局

  自由発想の持ち主の加藤さん。後半のスタミナ強が持ち味。先ず画像を。

ツケツケは才あり

        二間高バサミに二間飛ばれたので久しぶりに希望した図。

懐かしき昭和平成定石

        昭和後半から平成にかけて多彩な定石が誕生しました。

        黒3が安定目指した人気定石と記憶。黒7がスマート。

        久し振りで期待した図でしたが隅にツケられ令和新型へ・・・

実戦:左上のワカレ・ほぼ互角か

        左上のワカレは▲を分断した白利得と味良く隅で治まった

        黒利得どちらが勝るか微妙。ほぼ互角と判断しました。

        白4カカリに黒5ハサミ。白6、8に次は中へ飛ぶと予想。

        すると驚きの黒9、11ツケヒキ。重く感じ白12と応じたら

        黒13~17。戦わず早治まりは加藤さんらしくない印象。

        ただし黒19まで完璧に生きています。白20と代償求めたとき

        さっと黒21三連星。少しだけむっとした瞬間。       

普通進行一例

        黒1トビなら至って普通。以下は双方素直な戦い一例。

        いつもならこのような進行でしたが何か不満あったかな。

積極的な切り違いサバキ

        左下の黒へ迫ったが結果は黒(7の十二)と涼しい顔。

        一応白は右下で実利得たので不満はありません。

        右上へ移り黒1ハサミ。白2には高い黒3受け!白4は

        穏やか対応を期待し先手で右辺へ打ち込む予定でしたが

        黒5、7の切り違い。なかなかのサバキ手段でした。

 黒成功例(裾空き箇所へ白を)

        部分的には白1、3が正解。▲を裂かれ形に出来ます。

        ただ黒4と中を取られ白5に黒6ポン抜きと進むでしょう。

        裾空きを白7と止めるよりなく黒8、10で一段落。

        石の方向が黒良し。白は右辺に入りにくくなっています。

全面戦争勃発

        白1~5は黒の大事な右側を荒らそうとの意図。対し

        黒6~10は白を重くしてその暇を与えないとの意志。

        捩じり合い強くなっています。黒22まで私の予定と

        違う訳わからない戦いへ突入しました。

次の一手(A~D)のどの手?

        大分進行しました。右上隅の黒が痛んでいます。ただし

        中の白一団は治まっていない。白1は黒3辺りを期待。

        しかし黒2アテがそれを拒否する厳しい一着。やはり

        後半の加藤さんは石が張っています。白3に黒4も当然。

        白5には黒6で踏ん張っていて白は直ぐに手が出せない。

        困って中へ変化球の白7。対し黒A~Dのうち最強は?

白の希望図

         黒1もありました。その時は白2で手を打つ予定。

         黒3で中の白▲は取られますが待望の右上白6へ。

         もし右上が全部白地になったら中の黒地より大きい。

正解は黒1(C)コスミ

        へぼ手に見えるけど黒1が正解。白2なら黒3ワリコミ。

        ▲三子取れています。白イなら黒ロまで。右辺の心配が

        無くなるのでこの種石は大きいです。こうなると

        上下の白一団をどう修繕するか苦しむでしょう。

変化

         白2と応じたら黒3が力強い。もう白4と打つより

         ないが黒5ワリコミが返し技。7より勝ります。

         白6、黒7と進めば白a抜き、黒bと連絡します。

         続いて下を白が何か打てば右辺へ。右辺白が頑張れば

         下を黒地にし勝負となる。黒1と打ちたかった。

生きる前に隅を取りに行けた

        最後に大チャンス場面をお見せしたい。白は右辺黒一団を

        攻めました。実戦は丁寧に生きたけど本当は右下隅の白が

        生きてなかった。黒1、3と攻められたら大変でした。

        白4と応じたら普通に黒5~9まで。白は二線六本しかない。

        手数も×で短く相当白不利なヨセコウになるかどうか・・・

        ◆私を信用したと思います。先ず右下生きてからを省いて

        黒を攻めていました。阿漕ですが見抜いて咎めたかった。

        ◎お疲れ様でした。力で圧倒しての会心局を。期待しています。

       

      

      小林三段六子局

   教室の次の日は研究会ですが元気に参加の小林さん。指導碁で感心する手が

   増えてきたように感じています。本局一番記憶に残る手を画像で。

右上黒ナラビに注目。左右白へ響く効果あり

  左下黒20選んだらとにかく切り黒22)を!

        左下に注目。小林さんは白17、19ツケ二段に対し黒20と

        受けることが多い。プロも打つ手ですが白21に黒aと

        いつも応じられます。下地黒22切りを。』と促したが

        小林「コウが嫌い。との返答。その気持ちわかります。

        そこで《白23でコウに受けたらどうするか》を伝えます。

    白コウ立てには(応じる・応じない・どちらも可)

        白フクラミに黒1と切る。白2とコウにされたら黒3抜き。

        白はどこかにコウ立てしますが一例として白4とノゾキそう。

        【黒番】コウを解消しますか。それともツギで応じますか?

コウに勝つ模範例(推奨)

        即、黒1ツギでコウを解消したら天晴と言いたい。白2

        出には黒3が軽やか対応です。黒7まで白利得は▲のみ。

        左下黒姿は梅鉢好形。白×は全て立ち枯れ石で断然黒良し。

コウに負けても平気(足早)

        黒1と受けても可。白2コウ取りには黒3とコウを譲る。

        白4抜きと喜ぶなら「左様ですか。」黒5へ先着します。

        コウは負けましたが白は左下に拘って遅れる進行です。

        次の実戦と比較を。〖勝っても負けても良いから切る〙

 黒十分の進行・右辺白18には・・・

         右下黒1が素晴しい。盤全体を常に見ていますね。

         右上白2に強い態度の黒3。以下攻める姿勢が前面に

         表れていています。白18ハネには石の流れに従って・・・

 手厚く止めるべき消しと攻めに役立つ

        黒1とオサエたかった。白2に黒3と右辺白を封鎖します。

        白4には黒5オサエが手厚い本手。白6馬の顔ならば

        黒7と消しつつ遠くから攻めを睨む要領です。

軽い模様削減が急務

         右上隅が気になったようで実戦は黒aでしたが白bの

         ノビ切りは無言の好手。上に白への応援と右下黒一団

         にも迫る手が生じる可能もあり。白bに対し黒二子を

         守ったのですが黒1と打ったら柔軟性ありでした。もう

         黒▲二子は軽いとの判断。白×切りも無視して良い。

断点はどうぞのスタイル

         白2囲いなら黒3~7が厚い対応。白8は中の削減。

         ×と切られたら黒二子取られるけど黒11と打たれたら

         六子は手合い違いと伝えます。この考え方参考に。

         ◎二日連続指導碁と対局。ある意味合宿とも言えますね。

          腕上がってきました。これからも頑張って下さい。

 

   幽玄の間S氏定先局・面白序盤

  今後掲載予定は研究会指導碁残り5局、浦安碁会指導碁6局もあります。

  大変ですが焦らずじっくり作成します。よろしくお願いします。<(_ _)>

 

  幽玄の間指導碁も忘れてはいけないと17日(水)設定したら強豪S氏から

  申込み。残念ながら終盤勝負所で黒の持ち時間無くなり投了されたのですが

  形勢はどうだったかを先に検証したい。序盤も少しお見せします。そこで

  いったん終了し前の栗林五段研究会指導碁更新へ。

  S氏指導碁は時々じょじょに更新という形となります。では終局画像から。

終局時の盤面 黒番(右上が焦点)

締め付けからのヨセ想定

  黒1コスミが締め付けの初手。検討時に伺ったらS氏即答されました。

  白10まで必然で黒先手となる。そこで右辺黒11が右下白への寄りつき。

  白12オサエに黒13追及。白14黒17まで隅を先手で得し白22まで相場。

  左上黒23が大きい白24と受けるくらいそこで右辺黒25が手止まり。

  目算しましたが意外に細かく黒5目程リードでしょうか。微細ですね。

夢の出だし

  浦安碁会二子局でも試した大高目を二つも採用。もちろん白2、4は初。

  対し黒5と動じません。白6は浮かび(白模様大きく見せる意図)です。

  すると黒7!打ち込みのような・・・白を割る手ですね。もし一路下なら

  白ボウシしていました。構想練り直して選んだのは『チキリトビ』で・・・

仕掛けの白ハザマ

  白チキリトビ(ハザマ空ける手)、黒横二間、白五線コスミ、黒ケイマと進行。

  双方の石が一路低いと普通か。易々割られては不満なので白ハザマ決行です。

黒打てる姿

   前図からこうなりました。双方勢いですが黒▲とノビた姿が自然で美しい。

   少し黒良く見えます。この後白は左上ハザマを防ぐがその次の黒の手が

   どうだったか・・・少し白が盛り返した感じに。

新鮮な立ち上がり

        大高目は二子局で何局か試し好感触得たので採用てみました。

        序盤中央配置が得意なS氏は黒7と返答。双方の波長が

        共鳴した感じで新鮮。取りあえず安定の黒9に位の白10。

        次の黒の手予想はa~dでした。黒aなら白イで戦う。

        黒bやcは白ロ、ハと対応し外の白が固まる印象あり。

        落ち着いた隅の黒dはあったでしょう。

直ぐ黒ハザマなら戦い

        質問にもあった直ぐ黒1どうなるか答えます。

        挑戦のハザマには白2、4と迎え撃つ。黒5には白6と

        ノビて頑張ります。ここが黒の岐路。黒7とオスならば

        白8と進出。黒9と叩かれるが白10で左黒は封鎖。

        この進行は白やれると見ました。黒7で最強は・・・

強手黒1で中を止める変化

        無理っぽく見えたが黒1カケありました。白2には

        黒3と緩め白4に黒5とオサエます。白6切りで中の

        断点危険だが黒7が凄い頑張り。白8形に黒9カカエで

        白イを牽制。続いて白10と打ち白イとロを見合いにして

        やれそうだが左上で黒は得しているのでサバキ如何です。

        『即ハザマもあった。』がSさんの質問への私の答えです。

 安定なら黒1。私の予定(白2、4)

        黒1とアキ隅占めるのは相当有力。その場合白2と踏み込み

        対応を伺う予定でした。黒3なら普通。そこで白aも見えるが

        私の棋風だと白6三々を選びそう。適切に対応し黒打てますが

        一歩後退する手打つと主導権は白が握るでしょう。

一歩後退鋭い踏み込み

        実戦図。中の黒強化し下辺踏み込まれましたが左の黒へ

        圧かかり打ちにくい左辺補強。左上隅へ影響しています。

        ところが左下黒1が鋭い。白2、4に黒5が柔らかです。

        白8と譲歩させ黒9まで隅に食い込んで治まり成功と言える。

        白4で白6強手があれば白良しだが・・・ヨミ切れず断念。

        最後に勝利確定していた後半場面を紹介します。少しお待ちを。

黒必勝場面

 左上に注目。白1切りよりないが黒2と中を抜かれ白3でコウ。黒のコウ立ては

 左下隅に白四子アテ一つ、下辺には出る手一つあり。白からは右下隅しかないが

 左上のコウが大き過ぎて受けてもらえません。 実戦は・・・ 

コウ立て黒4あまく長引いた実戦

 黒4コウ立ては助かりました。白5とコウを解消し一縷の望み。黒6で上辺白一子を

 飲み込み黒地なら勝ちですが白7~11で難しくなっています。

 コウ立ては側コウが良かった。次の図で。

 隅の側コウ(アテ・どちらも可)なら勝利確定でした

  白コウ取りに左上隅の黒を生きますよと黒1アテ(反対も可)が決め手でした。

  一子逃げるとコウを取られ白のコウ立てどこも利かず。よって白2コウ取りだ

  黒3で隅は生き。するともう一手白4が省けません。悠々黒5まで。オワでした。

  ◎空中戦面白く夢あったが白失着重く延々と黒優勢。勝勢内容だったので

  次局は残念局を払拭する会心を。期待しています。