加藤六段三子局

  自由発想の持ち主の加藤さん。後半のスタミナ強が持ち味。先ず画像を。

ツケツケは才あり

        二間高バサミに二間飛ばれたので久しぶりに希望した図。

懐かしき昭和平成定石

        昭和後半から平成にかけて多彩な定石が誕生しました。

        黒3が安定目指した人気定石と記憶。黒7がスマート。

        久し振りで期待した図でしたが隅にツケられ令和新型へ・・・

実戦:左上のワカレ・ほぼ互角か

        左上のワカレは▲を分断した白利得と味良く隅で治まった

        黒利得どちらが勝るか微妙。ほぼ互角と判断しました。

        白4カカリに黒5ハサミ。白6、8に次は中へ飛ぶと予想。

        すると驚きの黒9、11ツケヒキ。重く感じ白12と応じたら

        黒13~17。戦わず早治まりは加藤さんらしくない印象。

        ただし黒19まで完璧に生きています。白20と代償求めたとき

        さっと黒21三連星。少しだけむっとした瞬間。       

普通進行一例

        黒1トビなら至って普通。以下は双方素直な戦い一例。

        いつもならこのような進行でしたが何か不満あったかな。

積極的な切り違いサバキ

        左下の黒へ迫ったが結果は黒(7の十二)と涼しい顔。

        一応白は右下で実利得たので不満はありません。

        右上へ移り黒1ハサミ。白2には高い黒3受け!白4は

        穏やか対応を期待し先手で右辺へ打ち込む予定でしたが

        黒5、7の切り違い。なかなかのサバキ手段でした。

 黒成功例(裾空き箇所へ白を)

        部分的には白1、3が正解。▲を裂かれ形に出来ます。

        ただ黒4と中を取られ白5に黒6ポン抜きと進むでしょう。

        裾空きを白7と止めるよりなく黒8、10で一段落。

        石の方向が黒良し。白は右辺に入りにくくなっています。

全面戦争勃発

        白1~5は黒の大事な右側を荒らそうとの意図。対し

        黒6~10は白を重くしてその暇を与えないとの意志。

        捩じり合い強くなっています。黒22まで私の予定と

        違う訳わからない戦いへ突入しました。

次の一手(A~D)のどの手?

        大分進行しました。右上隅の黒が痛んでいます。ただし

        中の白一団は治まっていない。白1は黒3辺りを期待。

        しかし黒2アテがそれを拒否する厳しい一着。やはり

        後半の加藤さんは石が張っています。白3に黒4も当然。

        白5には黒6で踏ん張っていて白は直ぐに手が出せない。

        困って中へ変化球の白7。対し黒A~Dのうち最強は?

白の希望図

         黒1もありました。その時は白2で手を打つ予定。

         黒3で中の白▲は取られますが待望の右上白6へ。

         もし右上が全部白地になったら中の黒地より大きい。

正解は黒1(C)コスミ

        へぼ手に見えるけど黒1が正解。白2なら黒3ワリコミ。

        ▲三子取れています。白イなら黒ロまで。右辺の心配が

        無くなるのでこの種石は大きいです。こうなると

        上下の白一団をどう修繕するか苦しむでしょう。

変化

         白2と応じたら黒3が力強い。もう白4と打つより

         ないが黒5ワリコミが返し技。7より勝ります。

         白6、黒7と進めば白a抜き、黒bと連絡します。

         続いて下を白が何か打てば右辺へ。右辺白が頑張れば

         下を黒地にし勝負となる。黒1と打ちたかった。

生きる前に隅を取りに行けた

        最後に大チャンス場面をお見せしたい。白は右辺黒一団を

        攻めました。実戦は丁寧に生きたけど本当は右下隅の白が

        生きてなかった。黒1、3と攻められたら大変でした。

        白4と応じたら普通に黒5~9まで。白は二線六本しかない。

        手数も×で短く相当白不利なヨセコウになるかどうか・・・

        ◆私を信用したと思います。先ず右下生きてからを省いて

        黒を攻めていました。阿漕ですが見抜いて咎めたかった。

        ◎お疲れ様でした。力で圧倒しての会心局を。期待しています。