S氏惜敗局

        S氏三子局。最終場面で白は逆転計る勝負手を放つ。

        的確に応じ勝利決定寸前での逆転劇。序盤から死活力

        強き持ち味出して内容良かったので本当に惜しい一局。

        じっくり振り返ります。

黒4、6は令和的手法で有力

        最近二子・三子で星を打ちますが白3ハサミに黒4は初かも。

        白5に黒6と構え堂々白を割ってなかなかの姿。令和になり

        両ガカリや三々でなくカカった石を大事にする打ち方増えて

        来ました。昭和時代にアマが打っていた碁に多い。善悪判断は

         簡単に言えないなと思います。白9構えに黒10は強気ですね。

        私だと右下黒11と這いそうです。S氏はそれほど攻め喰わないと

        判断されています。(おそらく正しい)

        右上白三々から白23まで定石ですが次の黒24が才能ありの手。

        切りを守り白25に黒26と足早で辺実利かなり獲得。白としては

        白27攻めに賭けるよりないが平然と黒28コスミ。右上の白弱い。

        続いて乱暴ですが本能の白29、31、33と手裏剣飛ばしました。     

反発したい。捨てて打てる

        S氏は耐えて受けられました。しかしこれからは反発も

        是非。二子になるためには黒1と出て欲しいです。

        白2許すと見た目怖いけど黒3で全部は取られません。

        白4~8なら「この程度で嬉しいの?」と黒9に回る。

        Sさん、こうなるなら選びますね。

黒五子も捨てて良し・カス石に近い

        右黒五子を取りたいと白2なら「めんどうだ召し上がれ。」と

        黒3で十分。白4には黒5~7の絞りが待っています。

        白a、黒b、白c、黒d、白eまで碁はオワ!△立ち枯れです。

黒見事な早治まり・白6は喝!

        黒1、3と良き辛抱。固めたとも言えるが一応はキカシ。

        白4と攻めに転じましたが黒11まで白は外を修繕

        作業し右辺黒は無事に治まっていますが黒成功白6が×

シノギ苦労した可能性大

        黒イは念のためとの油断。対しお付き合いの白ロはひどい。

        白1サガリの一手。シノギかなり苦労されたでしょう。

        よって黒イでは即黒1ツケが正解でした。

逆襲・黒に良き流れ

        右辺完璧に生かして白ガックリ。続いて下辺も入られほぼ

        治まり形。楽しみないなと左下や左上に突入。対し黒が堅く

        対応したので地合いだけは縮まっています。しかし気が付くと

        下の白が弱い。黒32と切られた時点では生きても苦しいと

         感じていました。

最終場面・勝負所

                           終盤です。ヨセで追いつけないと見て中央黒へ勝負手を

        打ちました。対し私のヨミ筋とは違ったけど黒対応はほぼ

        最善だったようです。白△は駄目と知りつつ最後のお伺い。

        実戦は×切りで残念局に。正しいのは黒イ、ロのどっち?

最善対応なら勝利でした

         黒1(イ)なら勝利でした。ここで白投了か、もう一手

         打つなら白2ですが黒3まで見事なフィナーレとなります。

白勝負手せずの形勢:地合い微細

         局後S氏から「白勝負手せずで地合いは自信無かった。」

         との感想あり。検証します。白1、黒2まで実戦ですが

         白3、5で手を打つのが相場。そして右下を急ぎます。

         白13が省けずここは後手。黒12トビに回られます。

         わずかに黒良しと思うけど確かに大差ではないですね。

         白はこの道で勝負するのが本当でした。

         ◎お疲れ様でした。相変わらずシノギの腕は確かですね。

         この惜敗局の悔し唖をバネに来月頑張って下さい。