今井七段三子局

    いつも白が両ガカリをするので黒に打たれると不思議な感じです。

立ち上がり(黒番)

                あまり見ない形ですが両ガカリから生じました。

令和ツケノビ型

        黒4両ガカリに白5、7ツケノビが今は主流。次の黒8は

        いろいろあるがブツカリは珍しい。

三々が主流

        ツケノビには黒1三々が主流で白2~6までの実戦例が

        多い。続いて黒イとオサエると白ロ、黒ハでコウ含みの  

        難しい定石へ。簡明目指すなら黒イで黒Aツギがお勧め

少し白良しのワカレか

        ブツカると黒3から黒5出を選択するよりなさそそうで

        白8までは必然。黒9は黒イなら白ロで先手となるが

        裂かれで打ちにくかったよう▲の味残す意図です。

        この振り変わりは少し白良しだと思うが三子局なので

        簡明かも。 右上に移り黒1ツケ。気迫感じました。

あまい進行黒は機敏

        ここから黒石が下側二線・三線に多くなります。対局時は

        気分良かったがこれは錯覚。黒17まで白あまく全然地が無い。

        ◆上辺黒打ちこみに白2が安易でした。

ツメる一手(白反省)

        白2とツメるべきでした。黒3トビ出しなら白4とマゲる

        調子。ここで黒イと止めるのは白ロハネ出しがあります。

        攻めながら右黒模様へ進出が嬉しい。黒3では・・・

一子捨てる可能性

        逃げは重いので黒1と×処分するかも。ただ白2、4で

        結構美味しい白地です。

黒の最強頑張り場面

        本局の今井七段は強い。不安定の道は選ばず腰が

        しっかりしています。前図で白っぽくなった左辺も

        踏み込み消しに来られました。まぁ白1には中逃げると

        高括ったら黒2と実利。白3攻めに黒4ツケ。普段だと

        シノギ展開は嫌がるけど堂々と黒6。この時白気づく。

        相当得しないと地合いで大差。前図から白あま過ぎたと。

一路厳しくが勝る(白の後悔)

       何故白1ボウシを検討しなかったか。対し黒2とツケるのは

       白3とサバかせない。白△が待ち構えているので下でシノギ

       求めるのは大変な感じです。黒2で別の道を選ぶと思うが

       ボウシの方がはっきり厳しかった。

地合い大差の形勢

        後半追いつけると過信していたが形勢判断してみます。

        右辺は全部と認めると白1~黒6(実戦手)となる。

        ×全部足すと36目全ての白地足した分あり。白は

        何か勝負手を打つべきでした。幻の図を二つ下記に。

幻の絡み攻め

       実戦は白aとゆっくり攻めていったけど狙いの白1ハネを

       決行する方が面白かった。黒2で白二子とられだけど白3と

       狭める。黒4ツギ対応にさらに白5で眼を奪うのです。

       黒6と外へ求めるが白7ハネが存外厳しくシノギ簡単ではない。

       ▲一団との絡み攻め。いや取りかけに行くぐらいせねば。

後の祭り図

        上辺と中央の黒一団がはっきり生きていない。だからこそ

        右辺仕掛けるチャンスで。白1が狙い筋でした。黒2抵抗に

        白3ツケ。黒4に白5でしぶとい。黒4で黒aなら白bの要領。

        コウにせず全滅は大変。なお黒イ、白ロ、黒ハは白×と必ず受け

        とは限りません。今頃気づく後の祭りですが紹介しました。

        ◎この後波乱あり上辺黒と左辺白の振り変わりとなりましたが

        結果は黒勝利。地合い大差でした。

        正二子の手合いになる日は近そう。9月指導碁楽しみです。