G氏三子局:『絶好の消し』

 G氏の対局を数局観戦する機会あったが内容から三子でぎりぎりの勝負と認識。

 本局のハイライトは白模様への消し。最高手でした。その場面を画像で。

最高点の消し

    白模様に対し▲と消しの手を打たれたところ。白一子への急所で『耳』位置。

    白模様へ踏み込む手も含んでいます。それと左辺白一団(一眼しかない)への

    攻めも睨んでいる。大変な碁になったと・・・白考慮時間。では序盤から。

一路控えなら無難

        少しあまいと評価されている右下白3、5ツケノビは時々

        採用します。白7に黒aヒラキなら普通で定石。一路広いので

        数手後に白13打ち込みです。対し黒は戦うかの分岐点。

白策手への最適対応は?

        形は崩れますが戦うことは可能でした。実戦は下ツケ黒1。

        白2~6と二子切り離しシボリ打てて白14まで。かなり

        儲けたと思いました。しかしそれは勝手判断。黒を厚くし

        右上は全部黒地になっています。白は部分に拘った感じ。

        そこで嵌め手ではないが白20で黒21を誘い白22の策手。

        黒の一番良い対応を先に伝えますが先に白の反省図から。

白模様拡大が良かった

        黒下ツケに実利よりも勢力を選ぶべきでした。白1、3が

       それを目指す手。黒4、白5となれば結構良き白模様です。

       この図は右下白△ツケノビや左下白a・bを活かしています。

                       ◆ただ黒4で黒5と出る勇気の大変化あります。

サバかせないブツカリ

        上ノビよりも横に黒1ブツカリが良き対応です。この手は

        あまり知られていません。白2ノビに黒3と一子制します。

        白4進出だが左下黒へ圧かからず黒5、7と堅実に攻めて行く。

        実戦との比較ですがいろいろ利用されない点が勝ります。

消しからの攻防

       左辺の折衝は少し白が威張り黒1、3と早治まり選択は賢明。

       気分良くし白4とハネたときに黒5消し。これが冒頭場面です。

       打つ手に困り白6は気合のノビ切り。しかし右辺受けるような

       柔な方ではない。強く黒7ツケ。白8ツケがお返しですが黒9、

       11の的確対応。白から良き後続手段ありません。

       白12、14は自信無いのですが左側白一団への応援の意味で分断。

       ◆ここが大きなポイント。実戦の黒aはチャンス逃し残念。

アテが最強:逃げは白地破壊

        黒1アテが最善・最強でした。白2と逃げるのは黒3~5と

        裂かれ形にし連絡します(白aは黒b)修繕難しく白6は

        黒7で止まりません。中の黒×は差し上げて良かった。

白切り返しは中へ居直る。

        怖いのは白2切り返しですが黒3とポン抜いて白4に黒5と

        居直ります。上手相手に怖く見えるけども・・・

白地激やせ

        白1、3にも怯まず黒4オサエ。眼を奪う白5には黒6と

        早逃げします。白の姿には欠陥あり。黒aとコウを抜かれると

        ×断点二つが生じるのです。それを防ぐ白イなら仕事済んだと

        黒ロと逃げ越す。もちろん左の白へ狙い兼ねた逃げ。

        これだけ白地凹ませれば十分ですね。

    白オシにどう対応するか(大ポイント)

        ここまで地合いは黒頑張っています。白1オシにどう打つか。

実戦:重くなり嫌な雰囲気

        受け過ぎて重くなったのが実戦。上側に白地がつく展開へ。

        こ×と連絡しずらく白に追いつかれた感じですね。せっかく

        左上で黒▲と頑張ったのに・・・惜しかった。 

数子捨て石が最良策

        白1オシには手抜きが良かった。黒2と対応します。白3と

        ハネたら黒さらに黒4と無視。意地で白5と取るが黒6ツケ。

        もう上辺ガタガタ。左上黒a這い(10目以上)にも回れそう。

        反発し指捨て石策が最良でした。

        ◎お疲れ様でした。初指導碁での黒勝利映像は未だ鮮明に残って

         います。会心局目指し頑張って下さい。