幽玄の間S氏定先局

  中央感覚才ある強豪S氏。久々でした。先ず投了された場面をお見せします。  

投了された場面

白△とコスミツケところ。五分は考え仕方ないと選択しました。次に黒頑張ると

右の黒数子を取りに行くか下の黒数子取りに行くか難しくもう一度読み直そうと

思っていた矢先にS氏投了されました。局後伺うと読み切れなく断点いくつかあり

うまくいかないと潔く。持ち時間も数分しか残って無かったこともあるので仕方ない。

この後、双方最善だとどうなったか。変化も含め検証します。

双方最善か。後半勝負

 黒1ツギは絶対。白2ハネも必然です。ここで黒は断点ツグ余裕はなく中央を

 黒3ケイマが最善だと思います。検証では白4切りが最善。ただし黒5と詰めて

 白6~12を催促するのが良く白14まで下の黒四子取る進行となる。以下白20まで

 締め付けて黒は先手。上の黒地囲うのが大きそう。さて地合い・形勢は?

 ◆細かく感じます。後半勝負でしょう。(黒13で14アテ発見。この図より黒勝る)

黒の一手ヨセコウ

黒3ケイマに白4切りは右の黒を取りに行く手。黒5と詰めて白8まで進みます。

ここで黒9が最強。白10~14と詰めたときに黒15ツギが粘手です。次に白が黒の

ダメを詰めて黒コウ抜きとなる。白有利ですが次に黒が詰めると天下コウ。

◆右辺や左下に黒からコウ立てがあるのでこの図は白自信なかった。

この変化黒良し

 黒3ケイマに一本白4とオシたい感じあるけど黒5ツギが好手。白6か白8か。

 白6ツケコシなら黒7ツギが冷静。白8に黒9とちゃっかり生きを選びます。

 次に白は上の黒地削減か、左下数子取るか。これは黒良い変化だと思います。

試したくなった三間トビ

        左上は懐かしき昭和定石。プロ初段の頃結構打ちました。

        運用次第で打てると思います。右下白14は知識あるが

        試したことは少ない。S氏は初見だったそうです。

        いろいろあるけど黒15一間は冷静。

S氏の予定は飛翔二間トビ

        実戦は別の手を打ったけど普通は白1連絡。局後にどう

        打ちましたかと伺うと黒2二間を示されました。流石は

        S氏です。たぶん私は白3と打つが黒4とさらに天翔けそう。

        黒2や黒4でaやbもあるが左上▲活かすならこの図です。

一貫した中央志向

        右下白1~白5まで実利が勝ると思いましたが続く黒6と

        感覚の一手を打たれ急に黒模様が広がる。今の見解では

        互角のワカレと判定。右上黒8ボウシも局面に適しています。

        白11に黒12ノビがぬるかった。緩んだ形で私は好きでない。

中央先着が大きい

        中央をどこか打ちたい。黒1二間は如何でしょう。白△を

        活用させず立ち枯れにする。気になる白2、4分断ですが

        あっさり黒5~15まで捨てる。黒模様はそのまま地になちそうな

        勢い。白2、4は別策を練りますが黒は中を打ちたかった。

絶好の消し

       ▲全ての中心点、白1へ先行し白がポイント得たと感じました。

       白aを気にさせれば活用したことになります。なお右上ですが

       黒イ、白ロの後、×断点は切った方を取りサバけます。

中々の対応だが白に根を張られる展開

        右か下か左上か。黒はどこを重視するか悩む分岐点。

        黒1~5は下を囲いながら白の攻めを見る作戦。白6と

        黒7は見合い点。ただ白8と黒勢力圏で根を張り満足です。

        寄りつき・攻めたいと黒9だが白10が嫌らしい手。

        ×二つを防ぐ方法は難しい。黒9で私の第一感は・・・         

新天地へは行きにくいか

        左下でした。黒1カカリなら普通。白2、4と応じる予定。

        左辺裾空きを黒5と止めるくらい。しかし右下白6が飛ぶ。

        黒7~10では悲しいがどう打つかは難しいですね。

        ◆実戦は白の厳しいノゾキを迎えたが提案あり。

右下犠牲にし勝負する案

        非常に打ちにくく勇気要るけど黒1を提案します。白2と

        出てくれば黒3と一撃。白4連絡なら黒5、白6を惜しまず

        決めて黒7!右下▲の損は並みではないけど右辺の白は相当な

        弱石です。損失を取り戻せると思いますが如何でしょうか。

白の反省

       右下一帯の折衝は一段落。見ての通り白良しのワカレです。

       続いて 黒が白の欠陥を突いて右上得た時にポン抜いた白△を

       素直に白1と補強すべきでした。左側黒2~6開拓大きいけど

       白7とじっくり進めて行く。下辺はイとロが見合い。

       コミ無しなので黒が形勢は良いけどこちらが本道でした。

無難だが黒自信ないか

       進行した場面。上辺を捨て石にして左下を数手かけたけど

       右上黒確定地かなり大きい。なお右辺は白が得しています。

       下一帯がどうなるか。下辺白ツケは黒を脅かす手だが黒1

       なら安全でした。白2連絡大きいけど中の黒3囲いも相当

       ただし白4などくすぐってきます。ヨセ勝負ですがS氏は

       自信無かったかもしれない。

S氏勝負手

        白4ツケに黒5が凄い勝負手。何か白が受ければキカシで

        黒aツケコシに役立つ。私は黒5で黒イ・ロ・ハを予想して

        いたので「許せない。勝負望むところ。」と・・・

冒頭画像に至る経緯

        正直双方の着手の良し悪しわかりません。ただ黒10に

        右側黒数子取るのでは下が黒地になり白不満です。

        なので白11と踏ん張りS氏も黒12、14と頑張る展開へ。

        お疲れ様でした。難し過ぎる場面でヨミ切るのは困難でした。

        また次をお待ちしています。