平塚囲碁祭り指導碁・第一回目(七面打ち)

8日(日)は平塚囲碁祭りでした。当日は曇り空の天候。500面打ち行われる

商店街ではテント張って万全の態勢。開始前に入場式があるのですが声をかけて

頂いた久喜市佐野さん、羽柴さん。対局場で臨戦態勢の下じょ会の石原さん。

6年ぶりにお会いした棋院指導碁常連の柳田さん。知り合いの方がいると嬉しく

安心な気持ちになれて感謝です。独特の雰囲気での指導碁楽しまれたでしょうか。

 

さて指導碁から一場面をお見せしたいと思います。お名前はわかりませんので

某氏一場面ほんの少しですがコメント解説します。

先ず第一回めの指導碁から。画像を。

白横ツケ策手に黒隅トビで受けた場面

横ツケに手抜きした場合の対応

         推測ですが横ツケ手段はあまり経験無い印象を受けました。

         対し手抜きはお勧めではないが後の打ち方良ければ打てる。

         続いて白3、5が実戦ですが黒6アテが残念。隅よりも・・・       

ツギから打ち込みの反撃がお勧め

        黒1ツギで手厚さ築くのが良かった。白2に隅は受けない。

        黒3と打ち込みます。白4は仕方ないが黒5、7が実戦的な

        根拠確保手。黒9まで白の根拠も奪い好調です。

ツケへの基本対応(定石)

         今後のために白△ツケへの基本対応を伝えます。ノビも

         あるけど黒1ハネが基本で白2に黒3ツギます。白4と

         守るくらいだが黒5と隅をしっかり確保。

         ◎これからの対局の参考になれば嬉しいです。(完)

形少し崩れた立ち上がり(四子局)

         右上で白に分断されたのは少々痛い。珍しい両ガカリが発端。

かなり難しい両ガカリ

        最近の囲碁界は『両ガカリ怖くない』が主流。なので

        白3二間高ガカリに右下黒4は立派な手。ただし白に

        両ガカリされます。ケイマより白5が厳しい意味あり。

        黒6、8は外へ出る形の一つだが白9マガリが急所で

        難しくなるのは仕方ない。意地でも継がないと黒12は

        根性あり。白13と分断されたが隅も中の黒もしっかり

        打たれたのは立派でした。遡り対応策を伝えましょう。

 三子のほうにブツカリからマガリが勝る

        白三子の方に黒1とブツかる方が良いです。白×とは切り

        にくく白3でツギを促すが黒4と中をマゲる。白三子へ

        かなり圧力かかっています。なお白×切られたら黒aや

        bに守り大丈夫。でももっと遡り簡明手を伝えると・・・

 外へ出るなら一歩一歩コスミが推奨手

           実戦ケイマよりも黒1コスミが着実でお勧め。一歩一歩

         外へ進出し白を分断します。白8までほぼ必然。そこで

         黒9と体勢を整えるのが大事。割った白への攻めを見合いに

         しています。白イなら黒ロで主導権は黒が握るでしょう。

出ずにすんなりも有力

        特殊な両ガカリに必ず外へ出なくとも良く黒1と澄ました

        コスミも好手です。白2封鎖にはすんなり黒3スベリがお洒落。

        右下▲ケイマが好ましいですね。左上白×は不満顔。

        ◎相手の策に乗らずも戦略の一つ。参考になれば幸いです。(完)

 右上で損したがカケた手センスあり(九子局)

         九子局はこの一局。守る手少なく伸びる方と感じました。

         立ち上がり右上で黒の石が裂かれかなり損しましたが

         積極的姿勢は必ず強くなります。では手順を・・・

ツケ切りは意欲的。外を止めたかった

         右上白3カカリに黒4下ツケ!驚いたが白5に黒6の

         切り違いで二度ビックリ。黒からツケ切り勇気ありますね。

        白7、9が良き対応手の一つで黒10オサエは仕方ない。

        白11で黒4は取られたが黒12が残念。白13で外が止まらなく

        なってしまった良き捨て石策を伝えます。

  二子の捨て石から外アテ隅がキカシ手順

        格言にある 『二目にして捨てよ。』でした。黒1サガリ

        手数を増やします。白2に外アテ黒3を利かす。白4ツギに

        今度は隅を黒5とオサえる。白6に黒7も先手で無駄無いキカシ。

ケイマ封鎖から本手堅ツギで完璧

        白1抜き黒2と中をやんわり封鎖しましょう。たぶん白3と

        受けるはず。そこで忘れずの黒11堅ツギ本手で傷を守ります。

        ◎九子局でここまで打てたら八子昇格は直ぐです。是非

        捨て石のテクニック・手順を身に着け強くなって下さい。

左上白をハザマで分断した場面:素晴らしい

     あまりに嬉しかったので追加画像を。左辺白がハネたときにそこを

     手抜きし白をハザマで分断!上手に臆しないこの気持ちは大事。

     結果は負かされても必ず栄養になります。(完)

上辺打ち込みで白へ迫り好調(四子局)

         上辺打ち込みから白地をえぐられた場面。これは一石二鳥の

         働きで黒の根拠確保安堵白根拠奪取です。強いと感じました。

白の狙い筋・黒対応は?

        発端は白1オキ。見たことない反応でしたがこれは狙い筋。

        黒イと譲歩し白ロ連絡に右下黒A切り好点に回れば穏やか。

        黒リードで推移していたでしょう。反発されたのが実戦。

上辺打ち込みから黒高ポイント

        黒2は良き反発だが白3、5の利益は前図黒抜きと比べ

        出入り15目はある。代償を上辺に求めたのは当然の流れ。

        黒6打ち込みに抵抗しにくく白11まで対応しました。次の

        黒12コスミが辛辣手。隣の黒14より白に迫っています。

        白13様子見に黒14は攻め重視。白15は利かされますが・・・

『一本キカシて』は危険な場合あり

         黒1、白2まで実戦。そこで黒13が軽率でした。

         喉から手が出るくらい一本キカシたい所ですが白4が鬼手。

         この瞬間黒▲がピンチに陥りました。左白数子は取れるけど

         大きさが違う。一本キカシの恐ろしさです。

【利かしせずで後の楽しみ】が上策

        黒1連絡で断然良かったです。白2なら取りあえず最大の

        黒3切り。なお左上白一団ですが未だ完璧ではなく黒イ、

        白ロ、黒ハ、白二、黒ホと眼形奪う狙い残っています。

        後の楽しみでじわじわが上策。この碁は右辺にも打ち込み

        されました。今後も積極的姿勢貫き上を目指して下さい(完)    

力強い中央一間トビ(五子局)

     七面で回ってきたときに「まだ考慮中。」との意思表示。殆どが大事な

     分岐点で真摯な姿勢に韓馥。この場面もそう。白が隅をケイマにかけた手に

     中を一間に飛んだ手が良き判断。もし隅を受けていたら白が同点を占める。

     立ち上がりからしっかりした石運び。攻防要点先着も流石と感じました

至る手順:きびきびとした石運び

         左上両ガカリ定石から白は両方頑張る姿勢を見せました。

         対し黒はきびきびと白を攻め立て天元が活躍粗相な展開。

         一つ指摘すると黒22・24と黒30は石がだぶっています。

         実戦の黒22、24で白25と変わったら黒26で右上31守り。

         黒30は白30を気にした厚い手。でもそこが気になるなら

         黒22で黒30オシを選ぶと良かったです。

裂かれ形は失点・打たずが良

          攻防の要点黒1。以下進みました。好手は黒5ハネ。

          右上隅の黒13・15受け。黒19の厳しい迫り。

          あまい手は黒11単カカエ。悪手は黒3です

天元気にしない打ち方

         天元は捨てて役立てる策戦も良いことあり。隅を黒1と

         受けて白2に黒3と調子で要点を占め白6無視し黒7

         ハネも悪くなかった。黒13は惜しまず決めて黒15です。

         ×は白に差し上げ右の白への攻めに集中します。

  天元頑張る打ち方(隅は痛むが有力)

        ▲大事に黒1ヒキが最強かも。白2と顔を出したら黒3。

        白4は一つ打ちたくなるけど右上黒×は動かない。黒5と

        封鎖します。白6に黒7は強い気持ちで。白が辛い生きを

        されたら下辺三連星も輝きそう。右上は捨てる作戦です。        

白アテ返しに黒好手『辺のアテ返し』

  白がサバキ目指し切り違いし白一子を取らせノビようとしたらビシッと辺の

  アテ返しです。右下白と連絡させたくない気持ちが籠っています。

  ◎終了時間時はっきり黒優勢でした。また機会あれば三子でお願いします。(完)

ワリコミびっくり(七子局)

    中央ワリコミされたところ。その発想嬉しく撮りました。数手前に白は

    天元丸呑み作戦という構想を描いていたがワリコミ策成功するのです。

固めの手を見て試験の打ち込み

        左辺黒イ守りは堅過ぎますね。明らかに黒ロが勝ります。

        でも白打ち込みで苦労した経験あると打ちたくなる気持ち

        わかる。そこで良い手段伝えようと下辺白1を試みました。

        実戦は黒2~白5まで進行。黒の良き打ち方は・・・

アテてツギから二段バネ

        上から黒1アテて反動利用し黒3とツグ。『アテてツグ筋』

        白4よりないが黒5、7の二段バネ。対し白が上を切るのは

        シチョウ黒良し(左辺すり抜けて大丈夫)白は下を切るが

攻め合いは黒勝ち

        白1、3には黒4が大事な手。一見白5で負けに見えるが

        黒6(ツイだ方をハネる筋)で攻め合いは黒が勝ちます。

冒頭画面に至る手順

         黒1、3は白4アテで陣笠形になるのでちと悔しい。でも

        黒9と隅を安泰させ先ず先ず。白10から天元を脅かしますが

        我関せずと黒11、13。隙無くて困りました。白14と天元逃げを

        催促した時に上辺黒15打ち込みを見て七子より上と感じました。

        そこを真面にトビなど対応すると黒に中央へ進出されそう。

        そこで白16とツケたら一転中央黒17動き出し。七子下手の考えは

        読めることが多いが白が振り回されている感じです。

        そして黒21ワリコミこの手の善悪は不明だがサバキたいとの

        気持ちでしょう。白はどちらからアテるか悩みました。

黒成功のワカレ

          白1~黒6とワカレました。これは白面白くなかった。

         多少利益得られるけどポン抜かせたため右の白△弱体。

         上辺には黒aという好手段も残っています。

         ◎実戦多く打たれていますね。これからも頑張って下さい。(完)

唯一の三子局序盤

        今回三子の方はお一人ですが石が踊らない本物の三子との印象。

        ここまで解説したい箇所多いのですが絞って伝えます。

      ◆左上は少し黒狙われる姿ですが軽いし白定位なので黒先ず先ず。

      ◆右下黒ツケノビ定石に白右辺入りましたがシンプルな堅ツギ!

       普通は白変カケツギと代わりあまいのですがこの場面は右辺を

       黒が占める手絶好なので良さそう。臨機応変さ感じました。

手厚さと反発心

         白1とヒラかれたら黒2~8まで当然。なお黒6は

         決めて良いか微妙。黒10は打ち込みを見ています。

         右上白11、13ツケ二段は私の得意技。対し隅受けず

         形に拘らず黒16と反発したのは積極的です。

         ◆黒20這いは気合だ白21を避け黒21と厚く補強し

         右辺白を攻めるほうが打ち易いかも。白22急所は気合。

         白25までの進行は黒の形少々よろけていて白がポイント。

         ◆ここで策を練ろうと白27切りを打ったが黒28が才ある一手。

         流れで白29抜きだが黒30。そして白31に黒32判断が賢い。

         対局中は白33と分断し悪い気しなかったが黒がサバけている。

         それは右上の一団が根拠得て安定したから。そして私の錯覚が

         出ます。白33には当たり前ですが黒34がありますね。

  上手相手だと少々怖いか。でも黒打てる

            検討でも伝えましたが遡り図で示します。右上白急所には

         黒1ハネが互先手の反発手。怒りの白2切りには黒3ケイマ。

         分断され黒怖そうだけど実際は白が大変です。

黒が避けた図。これは心配

        白1ハネ出しに黒2と切ったら白9までとなる。これは

        黒×一団が危険。避けた実戦は冷静でした。

見事なサバキ

        実戦。白は分断したけどちゃっかり黒に実利稼がれています。

        黒数子攻めたいけど今は有効な手段がありません。

        ◎終了時間のとき黒勝勢でした。いつか機会あれば

        一面三子指導碁をよろしくお願いします。(完)

        ♪ふう。これで第一回目七面打ちコメント解説は終了。暫し休憩