幽玄の間・H氏四子局

           Hさんは序盤力溜め攻め含む手を好まれますが

          それを私に利用されてサバかれあまくなることも。

          白を困らせる打ち方も伝えたい。では開始。

後からじっくり攻め伺うスタイル

        棋譜を追えば伝わるが急ぐ白へじっくり後からついていき

        攻めを伺っています。ただ白に良き箇所先行されているので

        攻めで利得を上げて行くことや切り上げ時などが大事です。

四つのじっくり手(A~D)

        四つのツメを検証します。先ず黒Aは白△強いので今一つ。

        黒B(大ゲイマツメ)は打ち込み厳しいので相当な価値。

        黒Cは白が弱二間なので価値大きい。

        黒Dも白補強せねば薄いので良きツメに見える。

        ※黒×受けはぬるい。右上黒は黒Aで根拠得ているので今が

        右辺打ち込むチャンスです。着点は二つあるが・・・   

白の薄み突く打ち込みが一押し

        黒1と打ち込みたい。右上の白強いので辺に寄せます。

        一間トビはワリコミやツケが心配なので白2だが重い手。

        黒3、5、7と自然に競り合い主導権は黒です。右上は

スベリ受け定石(参考に)

                 オサエがないと白1スベリされます。根拠を掬われるが

         黒2~8と対応すれば今直ぐ攻められる心配は無し。

   白の攻め切り上げ時は(黒9・13・17)

                         実戦黒1オサエも安心し価値あるが白2と守りホッと一安心。

         先手得て左辺白へ攻めのケイマ黒3は良い手。白4、6

                           サバキに黒7までサバかせない対応も優。仕方なく白7と

         補強しました。さてここです。白7は我慢した受け手なので

        ここはいったん終了し他へ打つ方が良き考え『棋理』なんです。

        黒9は白からハネツギと比べ出入り4目ありますが白10、12で

        かなり眼が厚くなっています。黒9は地が儲かるが攻めが消えて

        しまうのです。でも黒11や13で他へ打てば悪くない。止め時を

        逸すると他の好点へ回れなくなる黒17も手抜き可能。地だけの

        問題なので。白14と右下隅へ仕掛けてきました。      

下辺二間へ先制する一例

       白1を見て「良し良し。只の守りだね。では許そう。」

       一転今度は下の二間を攻めるのが面白い。以下は一例。

       白が防戦することで回りの黒がどんどん固まっていく。

       左下隅白17、19ハネツギは喜んで受けます。黒を固めて

       将来の楽しみがなくなるし白は未だ完璧な生きではない。

左辺と下辺のちくちく絡み攻めと止め時

       ▲など黒を固めて白1とツケてきたら黒×と相手する必要なし。

       下の白の攻めはいったん保留し左辺白を黒2、4と揺さぶる

       のが面白そう。白7と対応するくらいですがここが注目点。

       『逃げ越した』と判断したら他の良きところ探すのがお勧め。

       右辺黒8が白を泣かせる一手。荒らされると悲しいので白9と

       応じるなら黒10、12とペチャンコにし黒の期待壁が出現します。

       ◆少しうま過ぎる感じもあるけど模範例として参考に。  

右下ノゾキへの対応(良い手あり)

         白3、5は前からの狙い。最善対応は黒Aか黒Bか。

ソイの筋(ヨミ裏付け必要)

        この形では『ワリコミ』【ソイ】二つを考えたい。

        白2とツグなら黒3と隅を確保し成功です。以下黒7

        まで進むでしょう。いざとなれば黒イで生きています。

        ただ次の変化をヨンでいないとソイは安心して打てない。

ソイ変化:白無理

        白2と出て来たとき黒3で大丈夫か検証します。白4と

        切って白6連絡。アタリなので黒7ツギとなります。

        白困っていますね。白8は仕方ないが黒9切りで種石は

        取られです。白イは黒ロ、白ハ、黒二までゲタ。

        毎回必ず成功とは限りませんが『ソイ』の筋紹介しました。

ノゾキ一本、効果あり

        少々結果論的になるけど左下受ける前に黒1、白2一つ

        キカシておくと右下白ノゾキ牽制になっていました。

        白4、6に実戦対応の黒7、9が良い手。白10と欲張ると

        黒11、13でピッタリ取れる仕掛けです。    

        持ち込みになり損な場合もあるけど私は黒1、白2キカシは

        何かしら役立つと打つこと多いです。この図は参考程度に。

三線ツギが正着・令和で誕生した定石

        序盤左上のみ不利なワカレになったのでこの図をしっかりと

        眼に焼き付けて下さい。まだ誕生して2年経っていない定石。

        白9と堅ツギされたときは黒10三線ツギが正しく白11で一段落。

        黒は先手が取れるのが嬉しい。×の点は白に打たれても黒には

        全然響かない。後半は気になって来るが今は小さい箇所です。

        ◎お疲れ様でした。次回是非攻めた時の切り上げ方を実践されて

        みて下さい。今年もよろしくお願いいたします。