野村六段三子局

        本局後半かなり黒に圧されました。時間来て打掛け局と

        なりましたが三子勝利はそのうち実現しそう。では序盤から。

一間トビ愛好者

        野村さんは隅の受けで一間トビが多い。そういえば森永さん、

        新加入の吉川さんも。守りより攻めが一間の魅力です。

        模範的立ちあがりですが右下三々に実戦黒aよりも・・・

地と安定なら二間ガカリ

        右辺星なので黒1二間ガカリがお勧めです。白2受け

        くらいか。そこで黒3と攻め白4にも黒5と攻め立てて

        白が阿漕な事や策を練る暇を与えないのが良いでしょう。  

実戦:少し薄み残るが打ち込み良し

        黒5は気合だが白6とされ少考。重い感じされたのでしょう。

        黒7に白8と嫌らしいですね。白勢力内なので遠慮しない。

        黒11まで×ハザマが残り薄い姿。(黒5で推奨は次図)

二間で手抜きも有力でした

         昭和定石でもあるが三々にカタついたら黒1二間あり。

        白2スベリで地は作りにくいけど先手で白地膨らみを

        削いだと考えます。そして実戦の左辺打ち込みと進む。

 混沌展開(黒が攻められそうな雰囲気)

        黒1~白14までの実戦進行は嫌な雰囲気感じたと思います。

        黒5と黒11に触れます。白△へ圧かける良き別法あり。

一路上キカシだと中へ早かった

        野村さんの斜めノゾキ普通は筋ですが縦のノゾキ黒1が

        例外の好手でした。白2とツグよりないが黒3トビが形

        白4に黒5と一歩先んじています。それが右上白の攻めに

        繋がる。なお白イは黒ロと応じ白ハは黒二。打って返しの

        香り匂いますね。黒厚い姿です。

厚い箇所は急がない(▲周辺)

        実戦は左下黒×(白に置き換えると好所)に打たれましたが

        急ぐのは黒1でした。黒2と打たれるとガタつくので白2と

        受ければ黒3と進出します。左上白と右上白を割っているのは

        右下黒一団への応援となる。もし白×なら「フン。」と呟き

        黒A『馬の顔』でも良いでしょう。左下~左辺黒▲は堅固。

        堅い石の近くは双方価値それほど高くないと考えます。

大急所だったオサエ

        かなり進行した場面。右上が焦点ですが△に黒1とオサエて

        いたら白困っていました。白イなら生きだが黒ロに白ハと

        最低眼生き。黒1に隅をハネサガリすると黒イのカミ取りが

        先手となります。黒1は二線だが大急所でした。

棋譜

        右上白87、黒88で白ペースになりかけたが直後白89と
        ゴリゴリ黒70を取りに行ったのが問題手。黒94まで

                     白69が裂かれ形となり左上・右上・右下黒がすこぶる

       手厚くなってしまった。ここから野村さんの寄りつきと

       追及を白は受け身・防戦一方になります。何とか耐えて

       細かい形勢になったときに打掛け。危なかったです。

       ◎お疲れ様でした。秋ごろにまでには会心局を。期待しています。