池袋教室・吉川氏六子局

    今回指導碁は吉川三段一面。野村六段・森永三段からの評価が高いので

    強さと個性を確認しようと思いました。先ず画像を。  

個性の一手(マゲ・グッ?)

豪手出現場面

 私のイメージだと先ず厚く受けるが突然一間トビにワリコミやうっかり凡ミスなど

 強弱会い混じって棋力定まらない印象。本局にも如実に表れました。では開始。

プロ対局で見かけた記憶

        両ガカリに最近はツケノビが主流だがツケオサエもあります。

        定石白13と打ったとき黒14!驚きの一手で普通は黒a切りです。

        何十年前になるが剛腕派Mプロが対局で打って話題になった手。

        意図は下の白を強くしたくないでしょうか。基本黒aだと・・・

定石切り想定図:下の白強くなる

          定石は黒1切り。対しノビが普通だが白2、4と

         打ちたい感じ。厚い黒5カカエには白6オシが急所。

         下辺黒心配なら黒7二間か。ただ白8と急所へ迫ります。

         これと比べ吉川さんの打った手のほうが有効な意味あり。

下オサエが有力

         黒1に白2とツギました。封鎖避け黒3は絶対。白4三々、

         黒5、白6まで進み実戦は黒aオサエでしたが黒6と下を

        オサエたかった。前の黒1の流れと考えるのです。続いて

黒AはBの応援・攻めで主導権

        黒Aは白1となり右辺黒地は不可となる。代償は黒2

        トビ。下の白を攻め立てて行きます。黒B活き活きの進行。

良くないが定説の下ツケ

        右下のワカレは白△立派で少し白良し。黒aは堅い。まだ

        急がないが白一子取り切ると安心して後が打てる利点あり。

        黒b二間は△厚み配慮でバランス良し。三段強かなと感じ

        左辺白×と打ち込んだときに黒×ツケ。久しぶりに見ました。

        この手は弱気で良くないが定説。次の図を推奨します。

模範一例

        黒1~9まで眼に焼きつけて。黒1は他にも有力手あり。

実戦:裂かれ形は悪い

         左上隅は安定したが左辺星石は裂かれ形。黒5では6と切り

         ポン抜かして上で連絡が勝ります。続いて白aとハネれば

         本手だが六子局は余裕ないので右上白8削減を急ぎました。

         黒9に白10切り違いはサバキ筋。腕試しも兼ねています。

         お手本の一つ紹介すると黒イ、白ロ、黒ハ、白二、黒ホ、   

         白へ二間まで。実戦は個性的打ち方をされます。

白手抜き咎める剛腕手

         黒13まで6:4で白良しのワカレ。ただ右辺黒地になり

         簡明ですね。この辺りが吉川さんの強さかもしれない。

         途中の黒9逃げ(損)など未熟さもあり不思議な感じ。

         左上三々で白が地を稼いだ時に 黒21豪手炸裂!

溌溂とした石運び・積極性評価

         白1分断に黒2オサエで先手取り黒4、6と攻めの意志

         見せる。黒6とツグなら黒4では単に黒6ノビが勝るが

         野性さ良いですね。白7は狙い筋。黒8よりなく豪手は

         左上の黒へ悪影響出ています。白9では左上を切ろうと

         手が伸びかけ危なかった(次図参照)

         黒10で安全な黒13ツギは?と伺うと「封鎖が嫌でした。」との

         返答。確かに実戦黒10・14・16で白地大きくならず。良しです。

         ここからも戦い続くが豪手成功し主導権得ています。

示した手段・力ある

        白1に即、黒2、4を示されました。黒4はケイマでも

        取れるけど一間の方が野性的な捕り物。力ありますね。

        ◎才ある方。良き個性を大事に伸ばして上達するよう

        鍛えて行くのでよろしくお願いします。