研究会・長澤二段七子局

        長澤さんとの指導碁は本当に久しぶりです。本局は

        対局時にアドバイスした点が二ヵ所ありましたが

        うまく打たれた場面多く感じました。では開始。

一子取りはまだ小さい

        左上は大ゲイマへの三々ですが定石とは違う図になって

        います。黒8と遮ったのに白15と連絡され黒が損なワカレ。

        黒10、12がそれを招いた一因。(正着は次の図)

        右上白19カカリのときに左上白一子黒20カミ取りは疑問。

        ヨセに入ったときは一級品の手ですが序盤では急がない。

        小さい箇所を打ったので白は手抜きしましたが本当は白イ、

        黒ロを交換すべき。その理由は最後の図で。

        ◆右上白両ガカリに黒22ボウシは久々に見ました。確か

        かなり前にO九段が初めて打たれ話題・研究が進んだ手です。

カカリ付きの三々はハネずにノビ

        昭和時代に三々に入られたら格言「二目の頭は見ずハネよ。」に

        従い×とハネた方は多かった。私も。ただ白△カカリある場合は

        黒1ノビが正着。これは絶対と思って良いです。

令和的なら二線這いからハネ

        黒1ノビに白2、4ハネツギをキカシて来る。対し

        白aを防ぐのですが令和碁界では黒5這いの受けが多い。

        この手は間接的にa断点を牽制するもの。白6には

        黒7が石の流れとなります。次に白イなら黒ロ、白ハに

        黒二と左辺は白へ与える。黒は上辺を優位に出来ますね。

昭和定石・手厚いが両方白に打たれる

        昔の棋書には黒5ツギが示され白6には黒7ブツカリが

        厚いとありました。ただ白8に悩む。黒9サガリは白10と

        飛ばれ次にノゾキが嫌なので黒12、14と応接。確かに

        厚いのですが両方白に打たれた感じで互先だと悔しい。   

一線分断は外ハネが勝る

        白8と先に飛ぶかもしれない。ノゾキや切り警戒するなら

        黒9受け。白10オサエに分断方法は三つあるが外ハネの

        黒11が勝ります。白12で一段落。次に右上からシマリや他の

        大場に回っても十分黒打てる。黒1ノビを目に焼きつけて。

石取るための捨て石定石

        黒1、3は実戦。ここで黒aとツガれようとされました。

        その図は互先だと今一つ。そこで黒5を試しませんかと

        促し同意得て進みます。一昔に流行った懐かしい定石へ。

▲が緩み石で黒が今一つ

        黒1ツギでも白2に黒3突き出しで代償は得られます。

        黒5と備え先ず先ずですが▲が働き薄き石。

二子取り合い定石へ

        黒1出は白2切りが目に見え打ちにくいけど黒3、白4に

        黒5突き出し。隅の白二子が取れています。白6と動い

        たら黒7で右の白二子がアタリとなり・・・

断点補強は堅くか軽くか

         白1抜きに黒2。隅の攻め合いは黒一手勝です。

         教えたのはここまで。続いて勢いの白3、5出切り

         ですが長澤さんは直ぐ取らず黒6マガリから黒8と

         最善対応で感心。白9補強に『良い手でしょ。」と

         黒10。対局中は『そうですね。軽いけど黒a堅ツギが

         普通かな。』と答えました。でも今見ると【ケイマツギ】

         なんですね。なるほど天元を活かし柔らかな感じあり。

         咎めようと白a切りは黒bで上の白がが弱くなります。

二子助ける頑張りならこの図

        左辺で黒二子を捨てられました。その選択も悪くないが

        助ける頑張りはどう打つのが良いか示すと黒1、3です。

        以下黒9まで黒A天元が喜んでいますね。   

白手抜かりの咎め

       左上ですが白が横着し白イ、黒ロを決めていない。実戦は

       左からアテたけどここは遠慮なく黒1と切って良かった。

       白2で黒一子アタリになるが構わず黒3が厳しく白a抜きは

       黒bで全滅。なお黒3は即黒bで左の白を生かしても断然良し。

      ◎お疲れ様でした。治まってきたので研究会参加され対局増えて

       実戦力が上がりますように。頑張って下さい。