H氏四子局『手打ちの判断力』

         お待たせしました。序盤白の強引封鎖手段に黒反発。

         その後も抵抗強く激しさに指導碁ということを一時                  

         忘れたほど。気合入り過ぎて双方にポカも出てしまう。

         でも生きた碁だったとは思います。では開始。

気合の打ち込み

         黒24打ち込みは気合。三子を目指す方はかくありたい。 

         右下ですが黒16は緩みで正しくは・・・

お手本的ならこの図

         黒1ブツカリが基本。白は下辺に配置あるのでコウでなく

         無条件で生きますが黒7と構えると黒AとBの打ち込みが

         見合いで楽そう。白三々は良くないですね。

豪抵抗分断からの柔安定手

         眼形作る作業だとだったが黒1~5の豪での分断は

         感心。黒7ハネも厳しく白の形寄れています。白14に

         攻め過ぎず黒15と眼形確保に転じたタイミング優。

         白を分断した効果はこれからいろいろと出て来ます。

  戦って形決まって良し・直後に双方ポカ

         白を分断したことで中に黒石が誕生しています。右下の

         黒も自然に治まってHさんにうまく打たれました。ただ

         黒14、白15の交換は隅の味無くし損。黒16は不要ですね。

         ところがここで白に失着。白17?種石二子取られ

         あるので意味不明。1妙で受けた黒18はポカのお返し。

         私は黒16をただの手入れ」だけと思い込んでいました。

         ◆ただし白が間違えず種石助けていたら・・・ 

中央の価値大きい局面

         三面打ち・早打ちの影響か白1を見逃したみたいだが

         黒2と応じられると下の白への打ち込みが心配になる。

         本手は白3だが黒4と止められそう。自然に▲が模様に

         なって黒良き感じ。右下で戦った成果ですね。

         不思議。白は二子助けない実戦で良かったもしれない。

もちろん黒は取るべき(安心

 左辺白切り違い黒の最善対応は?

         Hさん×と打って黒aに気がついたら悔やまれていたはず。

         私は中の黒どう攻めようか思案していたのでお恥ずかしい。

         左辺折衝は良く出来る形。シチョウは白良しなので黒9は

         少し問題でした。黒7・11を助けにくい。どう捨てるか。

         実戦の前に黒9で良い打ち方を伝えます。

アテツギでの振り変わりが相場

         黒1、3双方一子取り合うのが良かった。ほぼ互角の

         場合が多い。『先手で手を打てる』のも利点で

         下辺黒9切りが面白そう。二子捨て石からダイナミックな

         黒13と有無を言わさず黒19まで押し切る中黒地デカい。

         アテツギは平和手。先手取れると有力な場合多い。

 実戦:凄い場面手を打つならば?

         ▲窮地に陥っています。私は黒イ、白ロ黒ハを予想し

         白×と切って戦う予定でした。ただHさん見向きせずに

         黒1ドカン!誰が相手でも自分が打ちたい手を放つ。

         この強気が魅力でありHさんの長所。ただ暴走が止まらず

         負け早めることも。なお気合の白2はやり過ぎでした。

         黒1には白二線ケイマで受けるのが相場。黒3が厳しい。

         ツグ全部取られかねない。白4は「許して。」との声。

         ここが大事な場面でした。『手打ちし平和にワカレて

         先手取る』振り変わりは黒に分があったのです。       

振り変わり選ぶと簡明で聡明

        黒1切り。白地だった箇所が大きな黒地になり出入り

        30目はあります。白2で黒三子取りも大きいが及びません。

        黒先手。良い所あり。左上隅の黒救出です。以下は想定。

        ◆後半勝負になっていたでしょう。

        ◎Hさんの今後の課題は戦いを止めるタイミングですね。

        最強の頑張り柔で手を打ち好点へ向かうかの判断は

        状況次第。緩みになってもいけないので難しいが面白さ。

        お疲れ様でした。また来月三人との熱戦を楽しみにしています。