前回1目勝利されたS氏。タブレットで記録しながらの
対局は手慣れたもの。本局打ってみて隙少なく崩れない
印象を受けました。今後の課題は何か?
最後に伝えたいと思います。では開始。
下辺黒34まで悪手と指摘する箇所はなく的確に打たれて
います。お手本通り打てるのは強さ。左下は定石と少し
違うワカレ。白13、黒14の姿が少し黒辛い。定石は
二目の頭ハネる前に黒1とツケるほうが普通。白2と交換し
黒3とハネる。白イハネ返しには遠慮なく黒ロと切りやすい。
黒1は×断点を先手で守る手。
初めて見た時は不自然さも感じたが必然性ある手順。
途中変化あるけど黒11までほぼ互角となっています。
下辺惜しかった。実戦は黒3単サガリだったが黒1、3が
勝りました。次に黒Aオシが×を見て良きキカシとなり、
それは天元黒Aへの応援に繋がるのです。
上辺白打ち込みに黒1サガリで応じ白2逃げに黒3モタレは
適切。攻めることで外へ追いやり天元を活かす目的です。
白4、白6は地の辛さと黒に隅を受けてとの声だが黒7!
ボウシは攻防一帯の手です。黒11~13は白の姿を崩して
効率良く黒15受けとの辛辣な着想。なかなかだが
黒15は二間受けが一間受けよりバランス的に勝りました。
ドカンと白24打ち込み。対し黒の最強抵抗を期待していたが・・・
黒1頭ツケ!最善手段だったと思います。これは捨て石で
連絡を計る手。ポン抜かすので白を厚くするけど白石が
重複している意味もある。悪い場合もあるが適切でした。
◆白イ・ロ、どのハネ出しにも黒×と切って連絡します。
白は他に方法なく白1~
白1と一子抜いて黒2連絡で一段落。左上がほぼ黒地と
なり簡明ですね。普通ポン抜き得たら役立つはずだが
この碁形では白厚み活用す場所が見当たらない。いったん
白3と根を下ろしたときに右下黒4。これは実戦的な手で
右辺を限定白地へとの意図。しかし初めて隙っ見せた瞬間。
黒4でお勧めの一手を紹介します。
ブログ作成時に良い手浮かびました。黒1カタです。
中の黒を厚くしつつ右辺白地を削減するのが目的。
白aなら黒bで有難く白イの這いなら黒ロで中央に黒地
期待出来ます。AIが出現当初に打って驚かせたのも
『四線の石にカタ』でした。カタは本当に良き手多い。
白は中の黒三子へ急所へ打ちました。そのときに真面目
対応したのが残念。検討時に長南さんも強調し主張したが
黒1と出たかった。気合ですね。普通は右下白に先手。
でも私の事だから中を白2と連打するでしょう。対し
澄ました顔の右上隅黒3が冷静で明るい。もし白A切りで
黒三子取ったら右下隅黒B(約25目)
中の白ノゾキに黒1カドという洒落た返し技もありました。
二つの点を見合いにしていて白イなら黒ロ、白ハなら
黒イです。ヨミは少し必要だが筋で感覚感じて下さい。
冒頭で述べた今後の課題ですがS氏に試みて欲しいのは冒険手と
気合・反発心でしょうか。白放置していた右下は結果白が受け
結構な白地出来ています。 無理手を逃さなくなるとさらに
腕上がるでしょう。お疲れ様でした。