栗林五段四子局

        栗林五段四子局一場面を紹介します。昨年は指導碁二連勝し

        昇段と大活躍されました。序盤からお見せします。

手厚さぬるさ

         ここまでの着手に良い手、厚い手、ぬるい手ありますが

         疑問手は一つ。黒18受けです。白は根拠の為に打ちたい。

         黒は逃げ越しているので根拠持つ必要はないのです。

         やはり好手黒14を活かすために・・・

左上三々大きい

          左上黒1受けが大きいです。白2にも黒3と簡単には

          治まらせません。白4~8と丁寧なら許しましょう。

          新天地開拓と右辺黒9に先行します。

          気になる白10には実戦で打たれた黒11が良いですね。

          ◆一般に白イ、ロと連打されたら黒×は価値低き石と

          変化し捨てても良しとなります。

三々コスまれたら受けずが主流

          四子になったので今までより厳しく打つし指摘点も

          当然増えてきます。黒1オサエは手抜きが正解。左上の

          黒3も然り。三々を相手に打たれた時に先ず手抜きを

          考えて下さい。受けは普通ではないと肝に銘じて。

          黒3で良い打ち方を次の図で。実戦と見比べて下さい。

白ペチャンコにし厚み建築

          黒1の方で返事します。白2~黒9が相場ですが

          白は二線だらけで低位。黒は立派な厚みですね。

          さてポイントの右下折衝を検討・検証しましょう。

裾ガカリに受けずは立派な反発

          右上白Aは嫌らしい裾ガカリ。対し黒Bで応じたのは

          良き反発。隅を必ず受けなくても良いですね。黒Bは

          白△厚さからの打ち込みを防ぎ立派な一着でした。

          左下、左上で隅を受けて従順過ぎたが右下白1に黒2は

          驚きました。でも『ツケに手抜き』もちろんある。

          さてここです。白3にどう受けますか。候補は・・・

黒番次の一手は?(A・B・C)

ブツカリが厚い

         黒1ブツカリがお勧め。白2、黒3で形が崩れるが

         次の白の出方を伺います。白4ツギなら黒5トビで

         隅を確保し先ず先ず。白4で隅をスベってきたら

ポン抜き得たら嬉しい

         白1には黒2切り。白3、黒4ポン抜きとなる。白5

         安定なら黒6ボウシで中を止まるのが好点。右下黒は

         眼形厚いので打ちやすいと思います。  

ヒキから頑張るが分断され白ペース

        実戦のヒキも悪くないが黒3ブツカリは白4ノビられ

        難しくなっています。黒5オサエに白6、8出切りが

        厳しい手段。栗林さん強気の黒9、11二段バネだが

        白14ツギに黒15サガリ(同点白ハネがきつい)が省けず

        白16となり分断された黒数子が浮いています。この図を

        避ける分岐点いくつかありました。一押しは・・・

        

あっさり黒一子献上が賢明

         白2ツギに黒▲との連絡はせず黒3サガリだと良かった。

         白4で悲しく見えるけど黒5『キリン顔』で小さく取って

         もらうのです。隅黒地に満足しドライに捨てる。黒5では

         右上黒Aカケも絶好点。

         ◎お疲れ様でした。四子はそう簡単には負けませんが良き

          内容での勝利目指し頑張って下さい。