H氏四子局

実戦白2に普通受け黒3なら約10目リード

 経緯を説明します。左上隅でコウになり白は中の黒を攻めるよとコウ立て。対し

 黒はコウ解消し左上隅確保。続いて中の黒を攻めて右下黒一団との絡みになったが

 両方ともピッタリ生きられてしまった。その瞬間が黒1。

右下は攻められてもセキ生き

   白2、4が最善の攻めだが黒5が先手で白6までセキの形。中手にはならない。

三目中手目指すと白二子追い落とし

   白4を決めて白6は黒7ハネ出しに困る。切りは不可だが白8、10は黒11まで。

   左下隅で損な受けをしなければ有望局でした。では序盤から解説します。

 右上基本定石進行・・・次は?

        天元置き碁の白の立場として有力ですが黒に冷静な

        対応されると活用出来ず寂しい一手になることある。

        本局H氏は挑発に乗らず立派でした。天元あまり

        活躍しなかったです。右上白17に対し基本定石は・・・

ガリが基本・断点はゲタで大丈夫

          黒1サガリブログで100回は大袈裟だが常に伝えています。

        仮に白2で断点×に切るのは黒aでゲタ。シチョウ関係なし。

        白2には黒3と受ける。白4は省けないので黒5ケイマが

        カッコイイ。保身の白6に見向きせず黒7控えめがお勧め。

        少々天元▲への配慮ですね。黒イ~ホも可能なのでお好きに。

黒の歩み隙無し・天元ぼやける

        実戦進行。右上は少し白ポイント得たと思ったけど

        黒1ケイマ進出し黒一団は余裕ある。白2の緩んだ

        連絡に黒3。余裕態度が小憎らしい。もう周辺に白の

        良い手見つからないので左上下へ白4、白6と飛ばすが

        黒a打ち込みせず隅をガッチリ。挑発に乗る必要なし

        右下三々は仕方ないから入りました。黒順調です。

二点が見合い

        白1眼取りへ手が行きかけたが黒2這いが好手。白a

        オサエは黒b切りで無理なので連絡しています。

        右辺黒■はこの手を見ているのです。

全体俯瞰の力まぬ黒9~19に感心

         H氏は何かがきっかけで暴走気味になることあり。

         ところがこの場面も冷静。天元は依然として輝かない。

         右下黒3には後に触れるとして黒9・11は素晴らしい

         以前なら左辺打ち込みで戦いを挑んでいたと思います。

         左上白12にも黒15まで丁寧対応は局面に合っています。

         力みなく『白から仕掛けるのを待つ』が正しい態度。

  令和手の継承手段〖一本這いでハサミ

        令和でツギより二線這いが主流。ここから伝える図は

        応用効くので是非実戦でお試しを。ただ良くない場合も

        あるので経験積まれ習得を。黒這い、白ノビの時に這わず

        黒1とハサムのが継続手。イとロを見合いにし隅の眼取り

        黒Aを密かに狙うのです。

一例:天元あるので互角

        白2遮りには黒3ツギ。隅に先手で白4補強に黒5と

        中央から圧迫。以下想定しました。天元があるので

        白も先ず先ずです。

切りには這い・その後の攻防

       白2切りなら黒3這い。白4、6補強には黒7と攻防点を

       占めます。以下天元あるので静かな攻防ですね。

  ブツカリは豪手だが黒7が成立すれば黒良し

       白2は私が打ちそうな手。黒3、白4のとき黒5、白6と

       なるなら黒7連絡が成立します。これは白重い姿で黒良し。   

内容良き一局

        初手から黒104手まで載せました。左下で無理やり分断し

        攻めながら天元活かそうとしたが黒88まで堂々とのびやか。

        この後、左上隅は無理やり手にしたが反動で上辺白が痛む。          

        コウになり白は中央→右下黒へ襲いかかる作戦に変更したが

        冒頭画面のようにうまく全部シノがれて・・・という展開。

        ここからどうやって白が勝ったのは本当に不思議でした。

        ◎強くなっています。内容的には90点あり。ご用事を変更し

        受けて頂き有難うございました。また来月楽しみにしています。