S氏冷静さ光る三子勝利局

  定例の毎月第一の幽玄の間S氏三子局。本局は会心局とまではいかないが

  手厚さと豪の手段、そして後半白が追いつきそうな場面でのシノギの見極めと 

  S氏の持ち味発揮された好局だったと思います。先ず白投了場面から。 

左上▲のとき投了

        次に右辺白二子助けても5目ほど足りません。

上々の立ち上がり・白23這いに・・・

        右下黒4は古風だがS氏の好み。重くならなければ可。

        白9、15白の工夫でしたが眼形厚き黒18と冷静です。

        左下黒20に白21、23は定石で希望は・・・

普通の隅オサエは白厚くなり狙われる

        黒1オサエから黒5までが希望でした。そこで取りあえず

        白6とハネます。△強くなったので黒は受けるか、外へ

        向かうか。完璧生きを目指すか。少々悩むでしょう。

反発良し。続いてが大事

        黒1反発。対し白2も反発だが受けるくらいでした。

        黒3オサエで力関係は黒となっています。白4は気合。

        黒5は中を打つのもあったが厳しいですね。さて白6に

        黒イのあっさりか、黒ロの追及か。どちらでしょう。  

力まず根拠奪うのが最適

         あっさり黒1ハネが良かった。以下想定ですが白一団が

         浮いています。白イ、黒ロの利きある箇所がその理由。       

我慢強いS氏

        S氏はいきなり気合的勝負はあまり好みません。じっくり

        守りと受けで充電し中盤から頑張る棋風。黒20や26、28に

        それが表れています。(黒28で黒aツケだと過激な戦いに)

        ×分断は後で決行されますが右辺黒bも気になる所です。

いよいよ力出す時間帯

        黒1、白2交換は用心深い。私だと外強くするので打たない。

        続く黒3、白4は先手でも悪手。黒4は佳き黒Aを残すべき。

        黒7、9分断右辺黒の補強も兼ねた手。白10は白イと打つべきで

        黒ロと応じたら白10が手順。その隙を突いて・・・S氏力出す。

巧みだった決め

        黒1と出る手は考えてなかったので意表突かれました。

          きつい形での分断は避けて白10までかわしました。すると

        黒11~17?です。何だろう当初目的が不明でしたが・・・

        最終場面で効いてくる。右側黒一団を手厚くが目的でした。

左上黒地と上辺白地具合

        白1~5まで白繋がり安心、黒もすこぶる厚くなりました。

        そこまで決めてから黒6、8の三子取り。巧みだったと思い

        ます白も中の三子取れますが価値が小さくなっていますね。

        戦い終えて上辺は白地、左上は黒地、双方どのくらいつくかが

        勝負となりました。

左上隅守りが勝着

        白2連絡は何の気なしに打ったけど安易。省ける可能性

        ありました。白4も然り。黒5と守られ大差でないが

        黒は勝利のゴール見えてきました。実は序盤からの感触で

        少し白勝つだろうと正確な形勢判断をしてなかったです。

        続いて黒▲を攻めたけど眼形厚く効果は薄い。遡って・・・

勝負手なら白はこのタイミングでした

         二つ前の実戦図。次の白(6の五)にマゲた手は悠長。

         白1オキで勝負すべきでした。黒2と遮断するのが最強

        だが白3スベリで取るのは難しい。ただしこれは勝負手で

        黒Aと三子助けられ白×一団が危険になる可能性大。でも

        黒は汗かかないと勝利は得られないはず。一応白の後悔でした。

        ◎お疲れ様でした。見事な安定感あった勝利局。体調万全に

        なった来月は連勝目指し頑張って下さい。