芥川七段vs増淵五段一場面・検討室

  

分岐点:黒はどう打つのが良いのか。

       【黒番】かなり難しい。プロ対局なら10分は欲しい場面。

        気になるのはイとロ。どちらを打つかを先ず考えます。

普通はツギは苦しそう

        先ず黒1ツギを検討します。白2とアテて来るでしょう。

        逃げると左辺がボロボロになりそう。我慢の黒3なら白4と

           種石を抜かれます。上辺黒一団心配で黒5は省けそうもない。 

        すると白6と打ち込ん来る。黒aと眼形作業目指すようでは 

        流れ悪い。私だと短気でシノギ勝負と黒bに打ちたくなるが・・・

        黒1は不採用。種石抜かれるのでは意味ない。    

案外あるかも:外し策

        どうぞお好きにと黒1ケイマが浮かびました。これは

        a・b種石に拘らず左右の黒安泰を目指す手。白2には

        黒×も軽く見て黒3が面白そう。白4なら黒5でスムーズ。

        なお白イは黒ロと受け白ハ切りに黒二で粘る。白利益少ない。

        武闘派に「つまんないやつだなぁ~」と言われても平気です。

大胆捨て石作戦①

        ここからが本命。捨て石作戦を伝えます。先ず黒1。

        白2と切るでしょう。そこで黒3のアテ。白4に注目は

        黒5カケ。『アテ×カケ』の筋です。上辺一帯に白×が

        集中しているので黒▲捨てて打てるとの発想。

捨て石策続き②

        白1、3に黒4とツグ。白5は堅過ぎに見えるけども

        黒(7の四)の警戒。処理終えたので待望の黒6へ。

        白に与えた地所は約25目。黒は左辺に夢を得ています。

        ◆いつかこの筋を応用し相手を唸らせてくれると嬉しい。

取りを白拒否なら黒やれる戦い③

       取れと言われると取りたくないのは碁の常。白2と拒否したら

       黒3好手を打ちます。これは×断点を間接的にしかも先手でツグ手。

       白4は見ない。黒5と中の戦いに集中。左下▲応援が頼もしく黒が

       十分やれる戦いです。

実戦経過:後半場面

 増淵さんは上辺を丁寧に打たれています。芥川七段は種石得て厳しく左辺突入と

 上手らしい進行。全体見ると下辺黒二子が取られているがお返しで中央白二子を

 大きく捕獲。頑張っています。

 ◎お疲れ様でした。増淵五段、奥五段は最終局Aクラス七段と対戦し緊張感あったと  

 思います。これからも対局経験し自分の棋風を磨き光らせましょう。

 芥川さん、そろそろ指導碁を打ちたい。研究会でお待ちしています。(6月は10日)