宮島さんはいつも若々しい碁を打たれます。
序盤から張った打ち方を魅せてくれました。
白11は薄く見えるが昭和平成で開発された手段。黒イやロを
期待し振り変わりを希望しています。その図はゆっくりする。
「戦いたいと黒12ハサミ。」▲配置を見た急戦志向です。
白1、3で部分的には実利満足。黒を攻めたいとの意志も
あり。ただ黒4ボウシがこの一手。白は地を稼いだので
暫くは黒の攻勢を受ける展開へ。
白19まですらすら進みました。黒は外に厚みと辺に実利も
得ています。ただ白も左辺に根を張り見た目先ず先ず。
右の白ノビの剣先が光るので白悪くないと見ていました。
実戦より石の形を追求したいなら△に対し黒1オシを選ぶ。
白2の予定でしたが黒3ハネが厳しい。白4、黒5となり
白の形少し崩れた感じあり。次にどう動くか考慮しそう。
◆なお白形は空き三角ではない。次図との比較を。
黒1オシに白2とノビたら黒3マガリが大急所。続いて
白×と対応したら『空き三角』愚形となります。×は
黒石に接触せずただ繋がるだけの働きない手です。
次にブツカリでの抵抗あるけど白2は前図が正しい。
黒1カタ。「まだ攻めるの?」と思ったけどこれはキカシ
目的です。黒3に真面目対応も癪なので左下白4ツケ。
黒5で外ハネもあるが白からの三々が消えたと思えば
隅から受けても腹立たない。以黒17まで実戦進行。
黒9じっくりが少し遅れる一因に。じっくりで白一団の
攻めを伺っているけど今のところ黒から怖い手は無い。
ドライに黒1アテで切り上げ黒3オシが良かった。白4に
黒5と中を豊かにします。白4で白aハネなら黒イ、白ロ、
黒4と切って戦える。前図との比較を。
かなり進行しました。勝負所を迎えています。経緯ですが
白は右辺を目一杯地にして上辺白をサバキ&シノギ勝負。
黒は何か相当な見返りを得たいところ。分岐点です。
黒1なら平和でした。白2ならハネを避ける黒3で手を打つ。
白4で生きられるが黒5、7と白地削減し中は先ず先ずの黒地。
リードは黒10目以下か。宮島さんはこの図不利と見て・・・
眼形奪う手を決行。結果はともかくこの気迫は本当に素晴らしいです。
正直白はかなり危険だったと思います。これは願望もあるが
上の白は死んでも下の黒との振り変わりになれば打てると
都合良きことも考えていました。黒7までの対応は妥当。
◆問題は妖手白8へ黒はどう打つかです。
実戦図。結果は白115(7の七)でシノギとなりました。
黒112では黒イ、白ロ、黒113と切ってから黒112があった
かもしれません。その変化はかなり難しい。
◆遡って妖手白103に対し・・・
黒1の味悪解消が最善・最強でした。白2と戻った時に
黒3コスミで分断します。中央に先手で一眼作るのは
困難。絶対とまで言えないけど一番のチャンスでした。
◎お疲れ様でした。来月もよろしくお願いします。