本局もS氏とは緊迫のシノギ勝負の攻防場面あり。
今回のテーマは『信用し過ぎはチャンス逃す」です。
S氏は実利派。シノギのヨミに自信あるとなりやすい。私も
そうです。ただ置き碁だと外回りが好きですね。自棄では
無いが「どうせ地は足りないから戦いで勝負」との想い。
上の定石久しぶりです。黒16は二間トビが最近多い。
白25に黒26~30を選択。黒は実利で圧力をかける作戦か。
右下白31は厚み活用目指すカタ。対し・・・
黒1一本這いは絶対。白2ノビに私だったら黒3
カタを打ちそうだがハサミなど他にもあるでしょう。
黒1、3は強気だが白4オサエがデカい。放置は白Aと
打たれ▲が死活問題になる。実戦は借金抱える進行。
◆左下に先行した黒は黒5、白6、黒7と変わった手法。
変なリズムだが有力かも。白8と難癖付けた時に・・・
普通は黒イ・ロ・ハ・から選ぶものですが発想転換は?
大昔アマ三段くらいの頃、父から『最大の妙手は・・・
手抜きだ!」と聞いた記憶あります。今も常にその
姿勢を持ちたい。隅何も受けずに黒1は如何でしょう。
振り上げたこぶし治まらず白2と来れば静かに黒3と
肩すかし。競わず不戦という発想。有力でした。
黒1、3は形も悪く良くない。白4と中に先んじ気分良かった。
黒3ツギの顔を立てるべく黒5は当然だが白6と応じ切るなら
右の黒頂くと返答。黒7は仕方ないが次の白8が大悪手。
私は黒×なら捨てて打てると即断し厳しさ気づいてなかった。
Sさんは「切りたいが駄目だろう」と信用したはず。本当は
黒1と切られたら事態の深刻さに青褪めていたかも。
白2ツギなら黒3と打つ。白4抜きは省けない。そこで
中央黒5ツケがすこぶる厳しい。意地でも白6ツギだが
黒7ノビ切り。簡単ではないけど中は黒が威張れるでしょう。
白2と切る予定でしたが4に出ず黒3と取るのが良い。
以下黒7に白8は省けないので黒9、11で前図と同じく
強気で戦う。ここは疑って分断し咎めたかった。よって
白は下ハネずにツグべき。反省です。
右下借金取りたてに向かったが白1はやり過ぎでした。
黒2ハサミツケがシノギの好手。この交換は重く
取れないと白大損になります。白1は保留が正しい。
白3と下辺攻めつつ狙いは右下でしたが 黒4!
流石Sさん。この場面私も開き直りシノギ勝負に賭ける。
本気の白9攻めに黒10ツケコシが早まった。白11とされ
後続手段続かない。ここは好手がありました。(最後に)
◆もう一手もミス出来ない状態。Sさん必死だったはず。
苦しい時は相手を分断しシノギ求める。白10まで進み・・・
黒1と出て黒3コスミツケならシノギあったと思います。
白4なら黒5~9まで。変化あり半分取られる可能性は
あるが右の白が危険になると思います。
遡ります。右の黒1ツケコシが最善シノギでした。
白2、4対応に黒5ツケが好手。以下黒9まで易々
シノギ。これは右下で損しているので黒有望でした。
◎今回は残念でしたが次回は厚いS氏好局を期待します。
来月もよろしくお願いします。