幽玄の間・N氏定先局序盤

前局序盤相当良い碁を打たれたN氏。本局も「おっ、なるほど。」と感心した手が

いくつかありました黒の流れ良かったのですが油断手で白に一発食らってしまう。

そこから白のペースに。先ず画像を。

感心した一手

機略ある柔軟手

味ある根拠手

失着(必要箇所ではありますが)

序盤棋譜

        右上黒33消しから白40までは微妙です。将来役立つか

        負担になるか今は不明。黒41はこの一手。

        ◆左下白42はやり過ぎかもしれないが私の棋風。戦いへ。

左下白二間受けの描く意図は?

        左上白10も左下白12も一見大人しい受けですが策戦あり。

        左下は黒aを期待していました。その意図は・・・

互角定石・ゆっくりした進行

        黒1ツケには白2を予定。黒7まで定石です。最近は

        見ないがほぼ互角。一応白8ヒラキまでゆっくりします。     

これは黒良し

        黒3まで実戦。ここで白4ハサミ返しは打ちにくい。

        黒5ハネに白6と受けねばならず黒9まで治まられると

        黒1、白2が良きキカシとなっています。N氏の希望図。

 黒15は隅ツケと打ち込みを見た手と推察

         左下黒7まで互角。白8に黒9ツメから黒11、13はドライで

         現代的、次に黒aなら普通でしたが黒15!これは才ある手。

         私の眼には黒イ打ち込み黒ロツケ二つを見ている好手と

         映りました。どちらを拒否するか・・・考慮時間。     

黒の注文図

        これは黒嬉しそう。△は手厚くなるが白×が狭いヒラキ。

打ちこんで欲しかった

        気合白1コスミが実戦。次は当然黒2打ち込みだろうと

        身構えていたら黒×。喝!というほどではないが『先』の

        手合いなら黒2です。白イは黒ロでサバかれるので・・・

打ち込み一例(参考に)

        白コスミを選ぶが強く抵抗されるとこの進行になり白1が

        相場で黒2連絡となる。白3ならここで実戦の黒4に打ち

        最大の働き。変化多く簡単ではないけど打ち込みたかった。

冒頭画像③サガリの良さ理由

         冒頭画像③の黒二線サガリは味ある根拠手と紹介しました。

        その理由は白2、4との差。黒数子の根拠がかなり薄くなり

        白6まで厚く隅白地も大きい。白a狙いも残っています。    

うっかりされたカケ・・・ただし

        黒4で二子捨てもあったがN氏は妥協しない棋風。白9まで

        戦いですが白は地を損しているので良策かは不明。黒10白11

        交換は疑問。(黒3の左一線ハネで利かす意味もあるから)

        必要な黒12抜きだが白13カケで数子取られ。これはポカ。

トビ一本&抜きでこれからの戦い

        黒1と飛ぶべき。白2受けに黒3が手順。以下予想例ですが

        白4と取られ悲しいなら(黒×白△交換が損)黒5で左辺を 

        動くのもあるでしょう。白2で白3サガリ筋から隅取りに来る

        ならば下辺封鎖し捨て石締め付けで打てます。       

味残し転身なら打てる

        白aに対しその場所で代償を取りに来られたのが実戦で

        味がなくなり安心しました。取られたから負けではない。

        カケに違う場所へ転身し何か始めるのがお勧め。黒1、3が

        良く見えます。対し白は反発しにくい。白aで▲取ったけど

        黒からの利き筋が×などたくさん伏在していますから。

        ◎シマッタと思ったときに冷静に心落ち着かせ三者的視点で

        盤を見つめる良い点や次なる可能性が見えてきます。

        また次回。よろしくお願いします。