Sさんは本格的棋風でシノギも強い。本局は序盤がポイントでした。
三子置く方にはかなり参考になる内容だと思います。では開始。
久しぶりに定石二ヵ所打ちました。右上黒16ブツカリは
緩みたくないとの意志表示。白ハネ出し狙われるが立派な手。
白17~白21まで早くも白仕掛けました。この進行で別に黒が
悪くないのですがこれを避けるならば・・・
ハネ出し警戒するなら黒1一間受けです。白2の予定。
そこで黒3ブツカリがセット。この形に惚れる方が昭和には
結構いました。もし白4で右上をハネツグならカケツギまで
受けて黒模様はかなり地に近くなります。白4と転じれば
黒5、7先手ハネツギから黒9と広げましょう。白10には
黒11と思い切り拡大します。左下両ガカリは気にしない。
大勝ち目指す打ち方は一手のミスでの瓦解が怖いけど参考に。
冒頭画面。白8に最善のサバキは? 隅利きの〇〇ミ
黒1コスミが正解。右上隅への利きと左辺への連絡を
見合いにする筋。なお初手でハネてから黒1もある。
白2受けなら黒3が形。上辺はほぼ連絡していて白から
手が出しにくいです。
白4抜き、黒5のとき白6とコウにする手が生じます。
今なら黒aコウ取りで怖くないけど単コスミがお勧め。
辺を白1と打つのは無理。黒2が痛烈というか白ダウンです。
白3で白aは黒b。白は二手ヨセコウにするのも大変です。
上一帯は黒損しましたが右下で仕切り直しです。
白1、3に黒11なら無難でしたがこの場合は黒4切りで
打てるとの判断正しいです。以下白15まで一本道。
最強か簡明かの分岐点。ヨミと判断力が必要です。
最強は黒1。白が隅を生きるなら黒成功となりますが
白2で振り変わり目指す予定でした。流れで黒5まで
進む。白6策手は白8を先手で打つ意図。黒9なら
隅の白確保で相当な利得。問題は右辺。白10に▲一団を
シノグ手ありや無しや。楽生きなら黒良し。コウだと
難しい。諦めたら少し白良く見えます。
隅をポン抜かせるのもある。その場合はその石に離れた
黒1が最高手。抜きに黒3とS氏好みのケイマ構えとなる。
右辺白×裾空きあるが無視が可能。実戦も簡明さを選んだが
裾空き気にされ左下は白が回る展開に。
左辺白△と大きく構えました。この手で三線囲いなら黒は興味持たないはず。
削減するか囲わせるか難しい場面ですね。左上の黒の強度が判断材料です。
ぬるそうだが黒1、3の補強が良かった。今度は入られると嫌なので
白4囲いだが黒5ケイマが辛辣なキカシ。白6打ちにくいが仕方ない。
そこで黒7切りが関連の手段。ポン抜かしはせつないので白8とノビたら
黒9、11が聡明な一手。白12と取らせ黒13、15と完封します。
白は生きているけど中に籠らされて辛い。中央に黒地も期待出来ますね。
削減選択された実戦で悪くはなかったが上との絡み攻め具合を利用され
結果的に荒らした分を白へ利益与える結果となったのは残念でした。
◎今年も受けて頂き有難うございました。実力から見ると三子三面なら
もっと勝たれておかしくない。私のペースにならないようにですね。
お疲れ様でした。少し早いですが良いお年をお迎え下さい。