N氏は下地会に所属されていた方で棋力は八段優にあります。
10年くらい前にとある会と対抗戦を行ったとき下地会メンバー
主将を務め決勝戦で見事勝ってチームも勝利となった思い出あり。
確か形勢不利だったが3手以上のヨセコウを執念で粘った内容。
本局序盤の感覚と手所に注目を。では先ず画像から。
黒2即カカリは他の二子局でも経験あるが白作戦を限定し
有力です。白3~13までの定石は左上隅に回り黒は簡明。
ただ個人的に右下の姿は白が好きでの選択。N氏は黒20
一間ハサミが好みとのこと。左下白21、黒22は何となく
打ったけど後で少し後悔します。
黒24ヒキは攻めの意思表示。白25ヒキに黒26二間受けは
白の次の一手が良い感じなので少し問題に思えました。
次の一手は白1カケです。外は出さない、辺もスムーズに
進ませないという意図。右下定石との兼ね合いで白が良く
感じました。流石に2つは捨てにくいので・・・
実戦です。白35まで実利と外勢ですが白が手厚いワカレ。
ただし左辺黒36ハサミが好点で白も厚み活用は楽でない。
黒A踊り出しが狙えるかがポイントになるが・・・
右上白△を分断するなら黒1踊り出しですが右下を先に
白2とワリコミます。黒3、5が普通ですが白6、8と
分断。黒9とノビたいが白10、12に手が止まるでしょう。
黒1を狙いたならば・・・
工夫する黒1コスミ連絡を選びます。実戦と同じく白2
4なら黒5踊り出し決行可能。以下右辺は白12切りに
黒13ツギで平気。白イなら黒ロまで大丈夫です。
白Aカケを避ける黒1ケイマは如何でしょう。白2両ガカリ
には黒3ツケで戦う。 黒1は右下の断点守りも兼ねています。
進行した所で出題。右上一帯に関し黒が打つとしたらどこですか。味ある手あり。
右上に黒から得する手段はあるのですがそれは部分的得失。
この時点では楚歌の好点・高所を優先したい。一番に目に
映ったのは黒1ケイマ。次はN氏が後に打たれた黒Aツメ。
黒B天元も双方の模様境界で夢ありそう。では右上正解を。
一手のみ示します。白対応いくつかあり変化無数。黒1は
かなりの効果で先ず先ずの成果を上げられるでしょう。
◎その日下地会の皆様へとチョコレートを頂き来ました。
25日の研究会に持参していきます。N氏のお母様も長く会員
だった方なのでまた碁縁が始まると嬉しいですね。
お疲れ様でした。