T氏熱戦三子局

 12日22時10分開始でした。先ず検討時の質問を画像で答えようと思います。

実戦:中白地まとまるかという場面

  終盤です。ここで黒は無難に削減し中央白地はまとまりました。T氏質問は

   「もしハザマ突いたらどうなりましたか。」というもの。それは・・・

T氏質問:「黒1ハザマはどうなりますか」

 私はヨンでなかった手で勝負手です。分断し黒無理が第一感。検証してみます。

生きるか死ぬかの大勝負

  白2には黒3~7と打つことになる。白8ツギで中を打つと8の右へ

  切られて地が大幅減。よってツギは必然。黒9と居直ることになります。

  白10とツイで黒一団を持ち込み・皆取りにいくよりなさそう。

  ◆黒番でシノギどうなるか。左側白に断点や上辺にもあやがあります。

  絶対取れるかは不明。黒は中が死んでも見合う利益あげれば成功。

  難し過ぎて死活の結論は言えないのですが実戦進行は微細だと思ったけど

  ヨセ想定したら白が少し残るようです。(ヨセ想定は後半に)よって

  黒は中のハザマを決行し勝負すべきだったが現在の私の結論となりました。

序盤:黒の奇手炸裂

        右上白11、13は右上黒厚い地にして問題でした。そこは

        打たずに白15、17が懐広い思想。『必ず上辺を白地』と

        力むと負担になり良くない。黒18マゲは打たずもある。

        決めたので入る気はないと思ったら黒20ドカン!

        奇手ですね。理屈では変だと思ったが対応意外に難しい。

ハネ&サガリ対応:白持て余しそう

        先ず白1、3考えました。しかし堂々と荒され黒イ、

        白ロも見られ良くない。

ハネオシ対応:地にあま過ぎる

        白1とハネたら白3。ハネオシが流れですが黒4と

        連絡される。白5、7で位低いと言いたいが平然と黒8。

        白9と厚く打つけど黒10ハネが辛辣手。×が生じあまい。

実戦:摩訶不思議さある進行

          考慮し白1ハサミツケを選択。今直ぐ黒に効果的な

          対応はないと見ました。黒弱石誕生を期待しています。

          すると黒2。会の長南氏を私は忍者と呼ぶことあるが

          T氏も伊賀か甲賀か変わり身早い。上黒一子動いての

          シチョウアタリ見ています。なので白3と制しました。

          分断すれば戦いになるが白やれると思ったら黒4~6。

          考えを読ませない。続いて白が上一帯何か打つと大場を

          占めて満足との思想。憎たらしいですが戦術の一つ。

          さて進めましょう。下辺黒18は白切り違いサバキが目に

          見えているので私なら次図を選びます

三線に迫る(サバかせない手)

        黒1三線に迫る。切り違いサバキを拒否し白に駄目連絡を

          促すのが目的。白aなら黒b封鎖で良いでしょう。

駄目連絡は嬉しい

        白2、4と打つが黒5が良きキカシ。白6にはノビでなく

        黒7ケイマが味ある手。黒a心配だが良き守り形がない。     

白切り違いに黒無難図

        切り違いに対し黒1~5なら無難でした。白6、8と

        捨てられ不満な感じあるが黒9取りで実利と厚み立派。

        以下黒13まで想定。▲味良く取ったことで左辺白に対し

        黒a・b・cなど遠慮なく決行出来ます。

カタは素晴しきこの一手

       ▲取るため黒イ~ホの二線這いが実戦。嬉しくはなかったはず。

       白ポイント上げたけど次の右辺ヒラキ白×が悪かった。間髪入れず

          黒1カタ!イムリー。右下白一団が心配になる可能性も

       生じそう。しかし私のヒラキ感覚本当に悪い。今ならば・・・

白反省・高ヒラキが適切でした

        冷静に盤を俯瞰すると奇麗な手見えることある。白1が

        調和でバランスでした。この手ならカタや▲も動きにくい。

        黒2ツメ大きいけど白3と模様拡大し三子局としては有望。

        相当汗かかないと黒も勝てないはず。白1逃し悔しいです。

        ◎お疲れ様でした。この碁は引き分けとなりましたが次回も

        白熱した内容を期待しています。

       

        ◇質問思い出しました。最後に大きなコウになったのですが

        「左上白コウ立てに受けは?」に2つの図で説明します。

左上受けは不可・実戦より損します

右下で大コウ発生し左上白△コウ立て受けなかったのが実戦。もし黒1と受けたら

白2(7)コウ取り。黒3コウ立ては利きます。白4受けに黒5コウ取りと進む。

そこで白6コウ立て。受けると黒にコウ立てが無いので黒7コウツギ、白8で終了。

左上生きた実戦と比べ損。黒のコウ立てが中にもう一つありそうですが・・・

黒3出は白8好手あり・コウ立てにならない

 黒3コウ立て利くかと思ったけど違いました。白4と解消され黒5、7分断に

 白8好手があります。黒9、11に白12で隅は生き。攻め合いになりません。

 ■ 『左上受けなかったTさんの判断は正しかった。』が結論です。以上。