加藤六段三子局

   先ず画像を。立ち上がりはいつもと違う手堅い打ち方されました。

左上白勢力圏がっちり

  左上は白小目黒カカリ白コスミ受けとなり続いて黒三々ツケ白ハネ

  黒棒ツギ白カケツギ黒二間で一段落。定石で私も使用したことあります。 

  黒強くしているが白強化が少し面白くないらしい。でも地に辛く簡明です。

至る手順

        黒8まで双方安定定石。上辺白17~黒26までは少しだけ

        白が働いた感じします。でも左下打ち方と一貫していると

        言える。次に地に辛めの打ち方を示すので参考に

先手取り易い『ハネてツギ

        序盤で相手に横ツケされたら先ず『上ハネ』から考えたい。

        黒1白2黒3の姿を眺める。しっかりしていますね。 

        未だ薄いので白4は省きにくい。さてここです。黒安定して

        いるので手抜き可能。左下オサエ決めて大場黒9を占めます。

        上の×の点は双方強いので今は価値低い。黒10は黒Aも可。

地の辛さならこの打ち方

         模様勝負とは真逆だが有力な打ち方を示します。先ず

         上辺を黒1、3と下ハネツギ。白4と強くするけど

         ×の価値を小さくすることと先手得るのが目的。黒5、    

         白6一本キカシて左下も黒7~11を採用したくなる。

         白12は仕方ないので三線黒13ヒラキまで。参考に。

ボウシは中央意識の感覚手

        出た。黒1ボウシ。この局面で選ぶ方は少ないでしょう。

        これは個性。地の手たくさんあるのにあえて夢を選ぶ。

        回りの▲活かす感じか。右の白へは響かないけど良いと思う。    

左下に黒の疑問手(中が白っぽい

         一気に実戦進行を棋譜で。見ての通り中央は白っぽい。

         黒の作戦失敗しています。黒3と11が疑問手。

『中央勝負』が一貫しています

        左下は白2に黒3が石の流れです。白4と両方連絡させて

        良いのです。左上黒5、7は思い切り拡大目指す一例。

        大模様勝負はこれからが大変ですが一貫した打ち方示しました。

捨て石にして思い切り戦う図

        中を切った気合大賛成。なので黒×なんか気にせず黒1、3が

        加藤さんらしかった。白4切りはどうぞ召し上がれと黒5、7。

        以下予想展開だが前の黒Aボウシ必ず活きてきます。

乱戦へ。右上黒弱体だが中央白孤立

中央白△を全て仕留めたい場面

        いろいろありましたが中央がコウになり白は左下へコウ立て

        したが黒がコウを抜き解消。左下黒×を白が取り込んだ場面です。

        中央白△へどう迫るか、全部取りに行く最良の手は?

静かな必殺手・ナラビが正解

     検討のときの画像で正解を伝えますナラビが厳しい一手でした。

三目の真ん中でも一眼しか出来ない

        加藤さんは白2で簡単に眼が出来ると思ったそうですが

        実際は黒3で一眼が精一杯です。白4と逃げても黒5

        攻められ待ち受ける▲群。左上白との連絡・もう一眼は

        至難でした。黒1ナラビに白が救出断念ならば・・・

中央膨大・黒勝利決定

        白2でしょうか。しかし黒3で全部黒地では大き過ぎる。

実戦:物が小さく勝負は先へ

        実戦は黒1。白×を完全に一眼無しにする手。しかし白2

        ツケで処分しやすい。以下黒9まで白×捕獲したけども・・・

        白10で一安心。ただ黒負けではなくここでいったん右辺の

        黒Aで左右白を攻めて行けば黒地合い良かったでしょう。

   

終局図

 載せるか迷いました。でも悔しさも有益と考えて。いったん中の白を獲得してから

 さらに左辺で頑張ると白にも余裕が出て来る。前の勝機場面で最強を選ぶことが

 大事だったと認識深め次局の糧にされますように。

 ◎今年も大変お世話になり有難うございました。対年は本気で六段最強、いや

 七段目指して。私も指導に厳しさ・気合入れます。良いお年をお迎え下さい。